ウォーター

水槽をオーバーフローにしてみよう!


当然のことながら過密飼育を行っていると濾過に限界がやってくる。
それぞれがまだ幼魚のうちはいいが成魚に近づくにつれ、
食べる量もどんどん増えるし、排泄量も半端じゃない。
PHはどんどん下がるし、水は濁ってくる。
今までは限られた濾過容積をいかに有効に使うかを考えていた。
落下パイプを長くして水かさをあげてその分少しでも多くの濾材を入れた。
更には落下パイプをW&Dに改造したりもした。
それでも追いつかなくなってきてるのはうすうす判ってはいた。
この状況を打ち砕くには濾過槽を大きくするしかない。
それにはオーバーフローしかないのだ。
しかしオーバーフローにするには市販のオーバーフローキットを買わなければならない。
当然水槽の底にいまさら穴なんてあけられるわけがない。
水槽の横にオーバーフローボックスをぶら下げるのも気に入らない。
値段も高い。それなら自分でやってしまおう。
思い立ったら行動あるのみ。
色々思考した結果、最後はとても簡単なオーバーフロー構造を思いついたのでした。
これから私の悪戦苦闘のオーバーフロー話に付き合ってもらいましょう。


濾過槽の製作

オーバーフロー加工をする前にまずは濾過槽を用意しなければならない。
しかし市販の濾過槽は高いのだ。とても気軽に買えるもんじゃない。
今回は予算を3万円ぐらいで
何とかしたかったので、すべて自作することにした。
とはいっても私の考える理想のサイズは90cm水槽なのだが
手元には
90cm水槽なんてありゃしない。

ここは一つアクリルの90cm水槽を新規で購入せねばなるまい。
一番安いやつ。9500円だった。
濾過槽にも穴あけをするのでアクリルでないとダメなのだ。

さらにホームセンターで塩ビ版、塩ビのパンチ抜き板、パイプなど必要なものを購入した。



三層式にすることに決定して、
パンチ版のサイズ
がちょうど60/45
だったので少しサイズを合わせて

カットして下駄をかませて
水槽の底に固定する。

次に塩ビ版を30/45でカットして
位置決めして
固定する。
この際、二枚の塩ビ版は高さを

変えなければならない。
私は1枚は30cm、
もう一枚は25cmとした。
そして水槽のサイドの
適当な高さの位置に水抜き用の

穴をあける。そこに塩ビパイプを
セットした。
今回は使わないので
蓋をしておく。

そして塩ビの仕切り版を固定して
完成である。

当然固定にはシリコンボンドを使用した。
これが乾かないと水を入れられない。
その合間に今回の最大の難所、
水槽の穴あけである。
まず水槽に穴をあけなければ
始まらない。先に濾過槽に

25mm程の穴を空けたが、
ホールソーで一発だった。

板厚も5mm程で大したことはない。
しかし飼育槽は板厚10mmで
魚を入れたままの強行だった。
VP20の塩ビ管を使う予定のため
それに合わせて
ホールソーも購入した。
このときに間違いを犯してしまった。
26mmのホールソーを購入

したが、本当は27mmでなければ
いけなかったのだ。
結局塩ビ管がスムースに入らないため
ドリルで拡張する
羽目になった。
いびつな円の穴になってしまった。

何とか塩ビ管を通し、固定した。
そして配管を済ませ濾過槽には
水がまだ落ちないように

キャップをして飼育槽の水位を上げた。
今までどおりの上部フィルターのみで
様子を見ていると
オーバーフローパイプの水槽との隙間から
水が染み出てきていた。

慌てて再度水を抜き水位を下げて
パイプを一度外してシリコンを充填して
パイプを付け直した。
外側からもシリコンでコーティングして
水漏れに万全を期した。
2時間後シリコンが
硬化し始めているのを

確認したら水位を上げて
ポンプを回した。

今度は水漏れなし。成功だ。
次に上部フィルターから入れすぎている
濾材を15Lほど抜いて
下のフィルターに
移した。
ちなみに濾材は「備前の雫」を使用。

いよいよ下のポンプを回して水を持ち
上げる。しばらくするとジャバジャバと
水が落ち始めた。
かなり濾過槽の水位が下がった。
その分足し水をした。
とうとう完成だ。
安全確認のため運転状態からすべての
ポンプを止めた。
飼育槽から水が落ちて
くる。
今度は濾過槽の水位がかなり上がるが
溢れることは無い。

絶対に気を付けるのは飼育槽に水を
送るポンプのホースを飼育槽の水面
ギリギリで水を出すようにすること。
でないとポンプが止まるとサイホンで
ホースが空気を噛むまで水が濾過槽へ
落ちてきてしまう。当然洪水になる。
それと今回私のように水槽のサイドに
穴を空ける場合はパイプの断面積分の
水位がポンプ停止で下がるので
太いパイプになると落ちてくる水の量も
かなりになる。
この辺も考えて濾過槽の
サイズ、
水位を決めて欲しい。
失敗
いざ水を回して見ると落下パイプの径が細すぎて
水の落ちる量が少なすぎる。
ポンプを絞らないと飼育槽が溢れてしまう。
正確に量ったわけではないが多分1000L/h以下だと思う。
これでは濾過は期待する程ではない。
最低2000L/hは欲しい。
とはいっても今使ってるポンプは揚水120cmで
1600L/h が最大だが。
とりあえずこのポンプを絞らずに使いたい。
これには落下パイプは50mmは必要だと勝手に思いこんだ(笑)。
だから今の落下パイプを取り外して
50mmのパイプに早々変更することにした。
結構太いので20mmのパイプの時は
ホールソーを使ったが、今回は 3mmのドリルで
たくさん穴を空け、それをつなげて大きな穴にすることにした。
さすがに綺麗にはいかなかったが意外と簡単にできた。
パイプを通して確認しながら、
穴の修整をしてお得意のシリコンボンドで 固定した。
あとは同じように配管して水を回した。
同時にポンプの絞りを直して ポンプ全開(笑)。
水位は安定している。成功だ。
ただ気をつけなくてはならないのは、
私のこのやり方では水槽のサイドの壁から
パイプで水を抜くので、ポンプを止めると
パイプの断面積の高さ分の水が 必ず濾過槽に落ちてくるので
濾過槽の水位がかなり上昇する。

それを考えて濾過槽を作ってほしい。
50mmのパイプを今回使用したが、
180cm水槽の高さ4〜5cm分の水が落ちてくる。
私は90cm水槽の上15cmを空間にしてある。
ポンプを止めると満水になる。
60/45/45の水槽では必ず溢れる。
十分に気をつけて欲しい。
追加の写真です。
水槽内側のエルボーと切り取ったアクリルです。
絶対に水槽内側のエルボーの上側に穴をあけてください。
これはサイホンを防止するためです。
サイホンが働くと一気に洪水になります。



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