熱川バナナワニ園


 名前からは想像できませんが、熱帯植物のコレクションでは日本有数の植物園です。何度も訪れているのですが毎回新しい発見があり刺激的な植物園です。それもコレクションの充実をいつも心がけているからでしょう。
Dichsonia antarctica Platycerium の各種
植栽区域は大きく本園と分園に分かれており、各々がいくつかの温室から構成されています。本園を入るとまずブーゲンビレアなどの熱帯花木が迎えてくれます。それをすぎるとシダ温室です。外側には Dichsonia antarctica が植えられています。本種はあちこちで見ることができ、今年(2002年)、大量に植えられたようです。
本種は移植にも強く、耐寒性もあるためこれから国内でもそのエキゾチックな姿を楽しむために植えられていくでしょう。
 シダ温室やその他の温室の壁には Platycerium の各種を見ることができます。この植物園ではほとんどの原種と園芸品種のいくつかを見ることができます。そして原種のかなりが原産地が明かであるため、種の特徴を把握するための資料として貴重です。
Platycerium wandae
New Guinia で採集された個体
Aecmea mariae-reginae

 ブロメリア温室ではちょうど Aecmea mariae-reginae が咲いていました。
ブロメリアコレクターであった故竹村直治氏の膨大なコレクションを受けついたのがこの植物園で、現在一般化しつつある Tillandsia も氏の先駆的な紹介が現在実を結びつつあるような気がします。
ブロメリアというとこの頃では Tillandsia が一般的でその他では観葉植物として市販される少数の種類しかほとんどみることができません。1960年代にはこの仲間のブームがあり国内にも多数の種類が導入されたのですが、現在ではほとんど見ることのできないのが残念です。
 また、ブロメリアの会の一つに日本ブロメリア協会がありますが、この会の事務局も本園内にあります。

      
Lepidozamia peroffskyana Macrozamia communis
Cycas micholitzii Cycas multipinnata

 この植物園で力を入れているコレクションの一つにソテツの仲間があります。現在100種類以上の個体がソテツ温室内と露地に栽植されています。
本園は中国との交流が盛んであるため、中国産のソテツの仲間も豊富にあります。羽状複葉をもつCycasも以外に成長が速いようで、これから大きくなって種の特徴が観察できるようになることが楽しみです。

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