ユリ科の植物は観賞価値の高い種類も多く、見ていて楽しいものです。ユリ科の分類は最近細分されていますが、ここでは細分されていない以前のもので見ていきます。
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ウバユリ |
コオニユリ |
町屋地区で見られる夏の代表的な花です。ウバユリは林床のやや湿った場所で普通に見られます。この個体はたいへん花付きの良いものですが、一般には数輪のものが多いようです。
ウバユリは照葉樹林帯上部から冷温帯にかけて普通に見られるのですが、ウバユリとオオウバユリとを区別することには少し無理を感じます。両者は葉の形や花数などで区別されていますが変異は連続的で北にいくほど大型化して花数が多くなる傾向があります。これまでも中部地方の各地から東北地方・北海道にかけてかなりの個体を観察しましたが、そんな気がしてなりません。
コオニユリは山裾や水田の畦などで見かけます。この画像では右下にヒメシダが写っていますが、両者はどうも相性が良いようです。
荘川ではユリの仲間ではこのコオニユリとササユリの2種類が見られますが、ササユリは最近激減したように思います。原因は盗掘だろうと思います。
町屋地区でもつい最近まであちこちで見ることができました。私の山小屋の庭でも自生しており、その個体から種子を採って下草刈をしながら繁殖に努め、かなりの群落にすることができましたが、そのほとんどが盗掘にあってしまいました。毎年10数株が開花していたのですが、今年(2004年)は花を着けない小さな株が一株のみ残っています。この春には多数の発芽を観察していたのにです。
ササユリは球根の移植が難しく、そのほとんどはウイルスに罹ってしまい駄目になります。そのため露地での実生栽培でしか健全な生育はほとんど期待できないのです。花泥棒は決して優雅なものではないと思います。
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