スイセンの園芸品種は花の形、大きさ、そして色にもとずいて分類されていますが、最初のものは1908年に提案されたものです。その後いくつかの訂正がなされ、RHS:The
International Daffodil Checklist (1989)には最新のものがわかりやすく解説されています。これにもとずいて見ていきます。たとえば、
Tahiti 4Y-R
Ice King 11W-Y
です。園芸品種の後に記号が書かれています。これが分類の記号です。これはDivision
Numberと花色のコードを示しています。これを見ればその品種の特徴がわかります。
これは花の形や大きさなどにもとづいています。
Division 1 Trumpet Daffodils of Garden Origin
Garden Originというのは庭園起源、品種改良されたものといった意味です。原種とその選抜個体のように野生状態にないものをさしています。
一つの茎に一つの花を咲かせ、一般にラッパ咲と呼ばれているものです。副花冠が花被片と同長か副花冠が花被片より長いものをいいます。
Division 2 Large-Cupped Daffodils of Garden Orgin
一つの茎に一つの花を咲かせ、一般に大杯咲と呼ばれているものです。副花冠が花被片の三分の一から同長までのものが含まれます。
Division 3 Small-Cupped Daffodils of Garden Orgin
一つの茎に一つの花を咲かせ、一般に小杯咲と呼ばれているものです。副花冠が花被片の三分の一以下のものが含まれます。
Division 4 Double Daffodils of Garden Orgin
副花冠か花被片が、あるいは両者が八重化したもので一般に八重咲きと呼ばれます。一つの茎に一つの、あるいはいくつかの花を咲かせます。
Division 5 Triandrus Daffodils of Garden Orgin
原種のN. triandrusの形質がよく現れている品種をいいます。
Division 6 Cyclamineus Daffodils of Garden Orgin
原種のN. cyclamineusの形質がよく現れている品種をいいます。
Division 7 Jonquilla Daffodils of Garden Orgin
原種のN. jonquillaのグループの形質がよく現れている品種をいいます。
Division 8 Tazetta of Garden Orgin
原種のN. tazettaのグループの形質がよく現れている品種をいいます。房咲スイセンと呼ばれているグループです。
Division 9 Poeticus Daffodils of Garden Orgin
原種のN. poeticusのグループの形質がよく現れている品種をいいます。一般に口紅咲と呼ばれています。
Division 10 Species, Wild Variants and Wild Hybrids
原種のすべてと、それらの変異個体、自然雑種がこのグループです。そしてこれらの八重咲も含みます。
Division 11 Split-Corona Daffodils of Garden Orgin
一般にスプリット咲と呼ばれているものです。
Division 12 Miscellaneus Daffodils
以上に属さない品種がここに分類されます。
W 白色ないし白色に近いうすいクリーム色
G 緑色
Y 黄色
P ピンク色
O オレンジ色
R 赤色
このコードでは先に書かれているのが花被片の色、後が副花冠の色となります。したがって、先の
Ice King 11W-Y
の場合はスプリットコロナ咲で花被片が白色、副花冠が黄色ということになります。
さてこのように示されている場合があります。
Salome 2W-PPY(b)
この場合は副花冠の色がPPYと示されています。これは副花冠の基部から先に向かって三つの部分に分け、ピンク、ピンク、黄色であることを示しています。花被片の場合は外側から内側に向かって示します。
(b)とあるのは以前に使われていた花色のコードで以下のように使われます。
(a)花被片は有色。副花冠も有色で花被片より薄い色になることはない。
(b)花被片は白色。副花冠は有色。
(c)花被片は白色。副花冠も白色で花被片より薄い色になることはない
(d)その他の色の組み合わせ。