疫学調査
八田耕吉
1. 記載疫学
疾病の流行または多発の状況をありのまま観察し、地域的分布、時間的変動、性・年齢別と社会条件との関連を記載して現象の原因仮説を求める。
2.分析疫学
観察群と対照群を設けて、仮設の妥当性を検討
1) 症例(患者)対象研究
ある疾病の患者群と対照群との疫学的特徴を過去にさかのぼって調査し、問題となる因子の両群間の有意さを検討
喫煙−肺がん、虚血性心疾患
相対危険度:病気が起こる要因の有無(比)
寄与危険度:要因の有無による疾病を起こす危険(差)
オッズ比(相対危険度の推定値):要因と疾病の有無
2)コホート研究
ある疾病の要因をあらかじめ仮説をたて、将来どんな疾病や異常が出るか追跡
原爆被害者−放射線被爆、公害被害、医薬品投与実験、予防接種実験
妊娠中の喫煙−低体重児、高血圧−脳卒中、脂肪摂取量−心筋梗塞
3)介入研究
ある要因により起こる影響の有無を実験的に観察
ワクチン効果判定(ジフテリヤ、ポリオ)、キノホルム剤除去(スモン病)
4)スクリーニング調査
簡単な検査により疑いのあるものを抽出
結核−ツベルクリン反応、X線間接撮影
特異度:正常者を正常(陰性)とする割合
敏感度:疾病を有するものを見つける(陽性)割合