日進市内二酸化窒素測定結果報告会          2001年3月25日

記念講演要旨                    

名古屋女子大学 八田耕吉

 

大気汚染と道路公害

 

I.空気の汚染

1.清浄な空気の成分:O2 20.93vol% N2 78.10vol% CO2 0.03vol

            Ar,He,Xe,O3,H2O2など 0.94vol

2.成分割合の変化:自然発生 SOxの7075%が火山活動

               NOxの約70%は雷放電と微生物の醗酵

          人為発生 化石燃料の燃焼 CO2SO2,NO2

3.有害成分の発生:自然発生 火山活動 As,Pb,Hg,Cd,Sb

          人為発生 工場のばい煙 Fe,Cu,Zn,Mn,Mo

 

II.エネルギー

1.オイルショック 石炭から石油に 節電

2.原子力発電の安全性

    チェルノブイリ事故、福島第一原発

    使用済み核燃料の貯蔵

    プルサーマル原発 超ウラン(高レベル)廃棄物

3.省エネ

  低燃費(ディーゼル車)、軽自動車

4.脱ダム宣言

  ダムはムダ(アメリカ開墾局)

5.化石燃料の枯渇

6.エコ・エネルギー 

    太陽光発電、風力発電、バイオマス(廃棄物の焼却熱の利用)、地熱

7.新エネルギー(クリーン・エネルギー)

     水素、アルコール(メタノール)、燃料電池(水素と酸素)

 

III.大気汚染の発生

1.地球温暖化

    温室効果ガス(CO2)の増加

    化石燃料(石炭、石油)の燃焼

    森林破壊による光合成量の減少

    異常気象(水不足、洪水)、土地の乾燥化

    食糧の不足、陸域の減少、野生動植物の絶滅

2.酸性雨

    SO2H2SO4NOxHNO3 HC

    石炭の燃焼(硫黄酸化物) 中国

3.オゾン層破壊

 フロン、ハロン(消化剤)、トリクロロエタン、四塩化炭素

4.光化学スモッグ

 オゾン、硫酸ミスト、過酸化物、アルデヒド

5.産業廃棄物処理

 焼却場  ダイオキシン

6.健康被害

    慢性気管支炎、気管支喘息、肺気腫、スギ花粉症

    ロンドン型(硫黄酸化物、ばい煙)スモッグ

ロサンゼルス型(窒素酸化物、不飽和炭化水素)

四日市公害

 7.固定発生源(工場)から移動発生源()

     窒素酸化物、浮遊粒子状物質

 

IV.大気汚染物質

1.不完全燃焼(一酸化炭素)

    アフターバーナー

2.硫黄酸化物

 脱硫装置

3.窒素酸化物

ディーゼル自動車

4.発癌物質

 SPM(浮遊粒子状物質)、ベンゼン、ダイオキシン

 

V.自動車公害

1.道路建設による自然環境破壊

巨大化する道路行政(国土交通省)

公共事業と族議員、産業界

環境アセスメントの対象事業に(名古屋瀬戸道路、東海環状道路)

2.交通渋滞

    自家用車増と公共交通機関(鉄道、バス)利用者の減少

    大型化(ジープ、ワンボックスカー)の普及

3.交通事故の多発

4.騒音および振動による安眠妨害

5.排気ガスによる健康被害

6.低公害車の開発

 

VI.環境基準

1.達成目標値

   安全の基準(許容基準)ではなく、「人の健康の保護」に対する視点がない 努力目標が達成できなければ、目標値を下げる(改悪)

2.98%値

 人体などへの影響を見るためには最大値で

  中央値と等価(騒音)、75%値(水質)

3.「生活環境や自然」に対する視点が欠けている

4.排ガス規制

トラック、バス、ディーゼル車の規制が甘い(運輸業界の圧力)

    アウトドア−・ブーム(自動車業界の仕掛け)

5.総量規制 特定地域の指定 古いトラックなどが他地域に

 

VII.名古屋市の大気汚染の現状

1.交通機関

2.経年変化

3.環境基本計画、地球温暖化防止行動計画

4.低公害車の導入

 

 

VIII.大気汚染(窒素酸化物)の健康被害

1.現状把握が遅れている 幹線道路

2.窒素酸化物

3.浮遊粒子状物質

4.公害認定患者 第1種地域の指定解除(S63)

5.公害裁判

    名古屋市南部訴訟(あおぞら裁判)、川崎、尼崎

汚染者負担の原則

 

IX.私達ができること

1.できることからやっていく

    電気やガソリンのムダ使いを減らす

2.公共交通機関の利用 

出来るだけ車に乗らない

3.かしこい消費者になろう(グリーン・コーンシュマー)

環境への負荷や健康への影響を最重要視する消費者

4R(減らす、再利用、再資源化、断る)

4.今から実行