台湾省国立台湾師範大学、台北師範学院(現・教育大学)とのサイバー授業

 平成16年度(2004年)から名古屋女子大学が「特色ある教育プログラム」でサイバー授業を取り込んでいたのですが、大学は施設の整備が目的で海外の大学との協定を結ぶことが出来なかった。主な原因は、先進国の多くは日本の大学の語学研修には積極的であるが、日本の学生が遠隔講義で授業を受けることになれば、海外協力校の日本人学生による語学研修事業が成り立たないことである。同時によく言われることは、語学力、特に日本人の英会話力が問題とされる。大学では語学、教育学の教員をはじめ、学術情報センターの技術職員もアメリカやオーストラリアの語学研修校での協定への申し入れを行なうも不成立であった。
 このような障害となるものを明らかにするためには、海外の大学との同時授業をするための技術面での問題が何かを明らかにする必要がある。これらを明らかにするために、 国立台北師範学院生命教育與健康促進研究所の教授黄雅文博士と公衆衛生学関連で交流があり、講義時間に時差がない(一時間であるが、夏時間は0)台湾で行なうことにした。
 英語圏でない日本であえて英語を使う必要もなく、お互い苦手な英語を中に入れて行なうのでなく、講義を自国語で行い、通訳も英語でなく各々の国の言葉でやれば下手な英語をお互い使う必要はない。専門用語が入った講義内容を英会話レベルで解決できるとは思わない。
 技術面の調査に、学術情報センターの職員に同行していただき(2004.10)、2005年10月11日に2回目の訪問において国立台北教育大学において「生命教育與健康促進系列講座、自然保護」を行い、同時に名古屋女子大学の講義室と結んだ。その後、ゼミ学生(4年3名、3年2名)と台北市の小学校2校と台中県の小学校1校を訪問して、ゼミ学生による紙芝居を使っての栄養指導を中国語で行なった。ゼミ学生は、本学留学生による中国語の特訓を受けた成果が上がり、小学上級生(5,6年生)には通訳なしで通じていた。



台北教育大学での遠隔授業


台北市士林区文昌国民小学校にて

台北市内湖区麗山国民小学校