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 語 録1   平成元年退職時に作成した軌跡より

  S中10年を終わってO中に転じたおり、バスケットの女子と共に汗を流した思い出のなかから、チーム作りで会得したいくつかをまた心がけたいくばくかのことを拾い出してみた。心ある人に分かつことも今の年齢なら許されると思いここに捧げる。


  • 強いチームを作る能力は、自分がそのスポーツの経験者でなくとも所有している。かえって素人なればこそ強いチームを作る場合がある。
  • 素人監督が部員の信頼を得る方法は、自分のできることを一生懸命することだ。私はコートの石拾い、練習中の靴ひものほどけ、水まきなどを心がけた。 始終心の中で部員の名を呼んでいた。車上でも就寝のおりも、彼女たちの幸せを祈りつつ。
  • 教師が参加できないおりの練習成果が勝敗の分かれ目。
  • 年間休みなく練習に明け暮れるのが立派みたいに思えるが果たしてどうだろう。生徒たちはいつ体や心を休めうるか。人間形成に必要な読書の習慣もつかない。
  • 勝利への願いは生徒のためと言いつつも、自己の名声のためと変化している場合がある。
  • 県を制覇するには強いだけでは勝てなかった。三度の惜敗のあとようやくできた。やはり時期と言うものがあり、運というものが必要だった。
  • 他の部のレベルが段々高くならないと強いチームは作りにくい。手本が近くにあることがよい。
  • どこか突出して強くなると、他の部も刺激を受けて強くなることが多い。
  • 部活動は教育活動の一部であるが、それに精力の多くを費やしてしまい勝ちであるが、心すべきだ。  
  • 県で優勝するには380数校の中で一番強くならなくても良い。県下屈指の2・3校に勝つ力をつければよい。
  • 若いときは校長の励ましで指導に励んだ。しかし齢を重ねるに従ってそれは変わってきた。
  • 部員がけがや欠席をしたときは家庭へいつも電話した。風邪などは見学させないで帰宅させた。
  • いつも生徒たちの将来に目を注いで努力したいものだ。             
  • よいプレーヤーを育てるには1年生の時から種蒔きしておくこと。「君は昔いた名選手の1年生時代とよく似ているよ。」と囁いたものだ。
  • 早朝練習、食事して何分たっているだろうか。彼らの胃は大丈夫だろうか。成人してから支障はないだろうか。そこまで考えたい。
  • 私は「先輩」と言うのを厳禁した。学校での姉さん妹の関係になるよう努めた。
  • 天狗になってはいかん。未だにわからんことばかりだ。
  • 座ってコーチするとあまり強くならない。コーチも汗を流してがんばらねば。
  • 選手になれなかった部員の内面の充実程度が大なるほど、真に優れたチームである。
  • メンバーが悪いといって投げてしまう人がよくあるが、その人は良いメンバーの時にも勝てない。一番弱いチームの時熱心にやることがよい結果を招く。                                                                           
  • これから経験を積んで部員を満足させようと思うが彼らは卒業してしまう。今最高のものを与える決心で努力することが大事。
  • 来年こそはもっと型の変わったチームを作ろうと思うのだが、結局前年とあまり変わらないチームになってしまう。自分のスケール以上には変わらない。
  • 他に抜きんでるには多少の自己犠牲が必要である。なにを犠牲にするかは人によって違う。
  • よいプレイを体得させるには、優れたプレイを見なければならない。見せなければならない。
  • ほめるときには感動的に誉めよう。その感動が部員の能力を爆発させる。
  • 郡市で抜群でなければ地区は制覇できない。地区で抜群であってようやく県優勝を狙える。
  • 部員が監督に寄せる信頼の大小がチームの強弱でもある。                                                                    
  • 休日をとることも練習の一つである。
  • 負けたのは指導者の責任である。勝ったときは生徒の力であると考えよう。またこれは事実に近い。
  • 時としては相当無茶な要求でも部員がついてくるようにならなければ、優勝旗は手に入らない。
  • 部がしっかり運営できる人は学級経営も一般にうまい。その逆も真のようである。
  • 優勝したチーム必ずしも立派ではない。数人の生徒のみが優遇され、入部当時の部員の過半数が退部、選手以外の多くの部員が不満いっぱいでは全く駄目である。
  • 条件が良くなりすぎると弱くなることもある。体育館が無し、ボールが少なかったから強くなれた気がする。
  • ユニホームで格好が良いのではない。 強いチームのユニホームは地味でも格好が良い。                                                           
  • 練習試合ばかりで強くするチームがある。種目場所の関係で一概に言えないが、平素練習したことを試すのが練習試合である。
  • 自分のところが強いのでなく、他のチームがあまり練習していなくて、弱いということもある。
  • 負けることもとても良い勉強であることを忘れないこと。
  • 学校体制が協力的でないと強いチームは生まれにくい。
  • ゲーム中どなることは賛否両論と思うが、私は怒鳴るほう。でも帰る途中優しく説明して表情を明るくさせるようつとめた。
  • お金の負担を少しでも軽減すること。貧しい家の子を中心に考える。
  • 相手が年下でもその道の先輩なら気軽に教えを受けるべきだ。
  • 上級生ほどボールを運搬させ、部室も下級生に開放してやる心意気を持たせたい。                                                         
  • 姿かたちが美しくなってきたら成果が出ている証明。
  • コートを大切に、道具を大事に、この信条がチームを強くし幸運まで呼ぶ。
  • 家人がこのごろ子供が変わってきたと言われるようになったら、効果が相当あがっている。
  • 宿題や課題をしっかりやるように根気よく言うこと。
  • 圧倒的に強いチームを作ることは必ずしもすべて善とは言えない。他校のやる気を失わせ部活動の停滞の因ともなる。
  • 部が充実して目標が鮮明になるに従い、流感などにかからなくなる。
  • 来年の勝負は夏休みの大会後にある。夏の苦労は貴重である
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