第12話 倒れた子二人 

 バスケの指導で倒れたのは二人、バスケ以前の14年間もゼロ。最初は昭和49年(1974)の6月、キャプテンの智佳子であった。ホームルームで遅れてきたので、多少罰の意味をこめて体育館(旧)でボールキャッチを連続左右やらせた。準備運動もさせずいきなりやったためか、しごきが済んだ後呼吸が変で苦しみだした。後ほど知ったが吐く息と吸う息とのバランスが崩れたらしい。しばらく団扇であおいだりして救護させる。程なく平常に復したが急激な運動は危険だと実感した。当時148cmだったが高校でキャプテン、現在幼稚園の保母さん。
 今一人は52年度(1977)の尾崎友美、東海4県出場直前、体育館で練習の終わりにコート20周を命じた。(いつもはこんなには走らせない。大会前で気持ちの高揚をはかるため)その時だった。17回目頃尾崎が突然列を離れてコート内に入ったかと思うとパタンと前に倒れた。相当な苦しみようで救急車でもと思った。
 近隣に住む北上姉妹の母親がたまたま覗きに来ていて彼女を看護してくれた。ひどい呼吸困難のようです。過呼吸と言うのでしょうか。30分程して回復した。少し熱があるのを我慢していたと言う。指導の限界を見極めることは難しい。
 彼女結婚がやや遅かった。ある日葉書が来て名古屋マラソンに出場し、その後結婚式を挙げると報告。新聞で見たら出場選手で名前が出ていた。年賀状が来るたび子供が増えていて現在幼児3人を抱えて奮闘中です。