第18話
第7回東海地区中学生バスケットボール競技会

                        三重県営体育館     7月31日・8月1日

 10年目のチームは愛知県第2位で東海大会出場。このころは県大会前に予選を行って2チームが代表となった。宿泊を伴う大会で親さんが4人、学校長、男子の監督が同伴してくれた。朝早く近鉄で伊勢へ。伊勢神宮の近くの体育館だった。会場に着いて驚いた。すでに各チーム練習時間が前日の会議で割り当てられており、私たちは欠席で練習ができなかった。そんなことは全然聞いていなかった。
 私たちの1回戦の相手は岐阜1位の精華中学だった。前半17−20と出足は不調だったが後半28−12で挽回し楽勝できた。ゲームは1試合のみで宿舎に入った。部員たちは初めての遠征で修学旅行並のリラックスで騒ぎ楽しんでいた。同じ宿に静岡1位の江西中学が泊まっていた。彼女たちはとても静かだった。部屋でも穏やかで我がチームとの差は大きかった。
 同宿した江西中学が準決勝の相手だった。やはり強かった。前半20−27後半19−24で敗れた。第3位。語録にも書いたが、この時江西中1年生の12番鈴木千加枝さんが途中出場し4点をあげたのには一驚した(すでに静岡ではミニバスケが存在していたのですね)。江西中は結局優勝し全国へ駒を進めた(当時は1チームのみ全国へ)。やはり宿舎での態度が違っていた訳が理解できた。我がチームはこの大会に出るだけで感激してしまっていた。江西中は全国に出るために伊勢に来ていたのだ。
 後から付き添いの母親が言っていた。校長先生が往きの電車の中で「もしこの大会で優勝でもしてしまったらどうしよう。お金の工面をしなければならないので大変だ」と。これを聞いてちょっぴり淋しい想いがした。