第8部 隠居のつぶやき


(71)一粒の種
  定年退職を迎えるにあたって何をして前後20年も勤務した学校のある村に、報いることができるからと考え、ミニバスケを創部した(詳細は今昔物語第23話ミニバスケ創設の前後)さる2月1日遠来の美濃ミニ、春日井市の不二ミニ、犬山ミニそして私が作った立田ミニと佐屋ミニが総合体育館で初めての交流大会を催した。
  村長杯争奪大会もすでに13回を数えた。私はもう引退したが後継者の教え子たちが一段と盛大に運営しておってくれる。今回は私のネットの同志の方たちとの交流であった。ネットでは親しくしているが一度も面識がない。前夜は興奮してなかなか寝付かれなかった。当日お会いしたときこの方だと直感して尋ねたらまさしく美濃ミニのこーちんさんだった。不思議な縁を感じた。一度だけ会った不二のkazuさんは何故か直ぐ分からなかった。
  終日舞台から子供たちの戦いぶりを観戦した。小さな村だがこの体育館は観覧席もありミニのコートも立派に2面できていて申し分ない。かって板張りでない堅い床で何の施設もなかった。これを板に張り替えたとき強引に村役場の幹部を説得してミニのコートを作ってもらった。今子供たちが必死に戦い、親たちが声援する様をみて、ミニを作っておいて良かった、あの15年前の決断は正しかったと思いを新たにした。一人の元教師が蒔いた1粒の種は今やすっかり育ち美しい花を咲かせている。そしてネットを通じて益々大きな花が咲き乱れる予感がする。ありがたいことです。
  私が実感していることを、これを読まれた多くの方は同じような体験をしておられることでしょう。バスケを通して生き生きと活躍し、逞しく育っている子供たちに明るい日本の未来が見えてくる。


(72)佐屋ミニの子たちに
  昨日5年生以下のゲームを見た。あまりにも小さい子が多くどのチームとも格段の差で負けていた。私が帰ろうとすると、駆け寄ってきて話を聞きに来た。一応の話のあと 秘策?を関係者にメールで送ると約束した。土曜日には印刷して配られる予定)
  (家でできること)
  1.家で4種目のボールハンドリングを行う。1種目はボール2個だから体育館の時行う。  http://www2.matsue-ct.ac.jp:8088/~y-mori/ このHPのハンドリングテストを見てください。  月に1回測定してパソコンで送信する
  2.なおいつもしているハンドリングもするとよい。
  3.柔軟を行う。 (家の人に手伝ってもらう)
  4.体力作り    縄跳び とか ランニング
  5.リングのある人は各種シュート
  6.ピポット練習

  (体育館で)
  1.10分今より早く来てシュート練習   小さい人は フリースローの場所ぐらいリングから離れたところから打つ。いつ も同じ場所。よく入るようになったら少しずつ下がる。
 大きい人はローポスト(台形の斜めの線の真ん中辺)でボールを上に上げ(トス)、開脚してキャッチ、フロントターン(前周り、左・右と両方練習)して頭の上から打つ。 できたらジャンプして。いずれも素早く打つ習慣をつける。フリースローの練習ではない。10分間で何本入るか記録しておくとよい。
  2.ドリブル中は絶対にボールを見ない習慣をつけよう。(失敗をおそれない)
  3.ゲームは一人でやってはいけない。攻める人数が守る人より少ないとき、たとえば2対3なら味方が来るまで待つ。 2対1、3対2なら攻める。 先日話したように「悔しさを忘れないように継続しよう」上に書いたようなことを、みんなで相談したりしてやれるといいが。実は家での練習は高校生でもなかなか実行できません。昔佐屋ミニでもやりましたが、佐藤さん(高校1年生・愛知選抜で全国大会出場)ぐらいしかしっかり出来ませんでした。
  本当にうまくなりたい、悔しくてたまらないなら、強くなる道は残っています。でもでもそれは本当に大変です。すなわち続けることが難しいということです。コーチが部員が親さんたちが本気で飛躍する道を求めたら、必ず夢は実現します。まだまだこれからです。励まし合ってガンバロー。正直なところ今海部・津島で一番弱いです。だからやり甲斐があります。他チームをあっと言わせよう。みんなの中にキラリと光る能力がみえます。今はかくれていますがきっと出てきます。問題はヤルキです。
  直ぐには効果はでませんが夏頃から変化します。今度私が応援に行くときは進歩した元気なゲームぶりをみせてください。
  (週2回それも土曜日の夜と日曜日の午後だけの練習。日曜は1面はママさんバレー、残りの1面で50人近い練習、その上日曜はコーチはひとりK君のみ。苦しい環境。でもごく最近までは尾西トップレベルの佐屋中の選手すら脅かしたミニ、ぜひ先輩に続いて欲しいと思い、引退した身ではあったがアドバイスをしました。)


(73)こんな世界も
  大分前島根のmocchin先生から高岡英夫と言う方の名前をうかがった。高岡英夫で検索していたら
  {「バスケットボールへの「ゆる体操」の導入
  鹿屋体育大学コーチ学講座助教授・女子バスケットボール部監督  清水信行 }という実践記録に出会った。本当かしらと半信半疑に思った。この先生大分前バスケットボールマガジンに寄稿しておられた記憶がある。そして最近検索中「運動科学研究所研究報告」http://www.directsystem.co.jp/study/ の下の方に清水先生の報告がありクリックしたら以前見た文章に再び出会った。再読してこんな世界の存在にあらためて興味を感じた。身体の運用についていろいろ研究されている方が多くあり、また奥が深いと驚いている。
  皆さんも一度アクセスしてみては。どんな感想をもたれるかしら。こういった方面全く不案内の隠居、学ぶべきものが多く圧倒されています。それにしても難解です。
  (南予塾、コーチKさんの掲示板にBUBUさんが書き込んでおられた金田氏の「古武術に学ぶ技」がいよいよ明日NHK教育で12:00から放映。金田先生は桐朋高校の監督さんで最近「革命 バスケットボール」のビデオを出された。楽しみです。)


(74)真 心
  先日四国の南予塾より2巻のビデオを贈っていただいた。「かんたろカップ」の第1回、2回のビデオで地元CATVで放映されたものだった。開閉会式と決勝戦が録画されていた。熱心な指導者ニックネーム「かんたろう君」が2001年12月僅か40才で亡くなられた。「故人を偲ぶ」意味で翌年2月9日「かんたろうカップ」が有志によって挙行された。そして第2回が先月11日に開催された。19名のスタッフで153件のスポンサーの好意を得られたと。
  今回は「試合に出る人、試合を見る人、みんなが楽しむ」を基本方針の小学校バスケットボール大会(女子)でミニバスケではなかった。リングは305cm,3P,24秒ショットロックあり(8秒、バックパスはなし)。冊子の巻頭にはかんたろう君の写真が、裏には実行委員一同の「かんたろへ」の一文が記載されている。一部を紹介します。
  私たちは、もっともっとバスケットを一緒にやりたかった。
  私たちは、もっともっと子供たちにバスケットを教えて欲しかった。
  私たちは、もっともっとあなたと一緒にビールを飲みたかった。
  真心こもった文に目頭が熱くなった。ビデオでは舞台にかんたろう君の遺影が置かれていた。また開会式では黙祷が行われた。
  南予塾は本物のバスケは何かと常に問いつつユニークな行事を展開しておられる。このかんたろカップは、子供たちにそして指導者保護者の方に、また放映を通じて多くの人々に大きな感銘を与えたことでしょう。これぞ本物の教育です。天国のかんたろう君もきっとあの巨体を揺るがせて喜んでおられることと思います。
   南予塾:  http://www.cnw.ne.jp/~morimori/


(75)なんでだろう なんでだろう
  表題のようなセリフで手を交差させ人気を得ている芸能人がいます。さて私も「なんでだろう」と思っていることがあります。元々体が堅かった私は老齢の今益々堅い。立って前屈して両手を下げても畳から指先がかなり離れている。そこで実験しました。
  実験  指先と畳との間隔 1回目 14cm  2回目 15cm  3回目 14cm  4回目  さてここで 前屈し両手を下げたまま肩胛骨を交互に脱力して数回くねらせる  指先と畳との間隔 9cm  どうしてこんなに縮んだのだろう。腕が伸びたのか腰が柔らかくなったのか、「なんでだろう・・・」
  少し前mocchin先生から聞いた伊藤昇氏の「スーパーボデイを読む」を読んだ。また   http://homepage2.nifty.com/kobaken/  このサイトで伊藤体操の解説を見て実行している。これも教えていただいた高岡英夫氏の「窮極の身体」も購入した。加えて彼の「ゆる体操」のビデオを買って毎日やっています。実は伊藤昇氏、高岡英夫氏の著作の内容はよく理解できません。半信半疑です。でもやってみなければと実行中です。その過程で上記の「なんでだろう」に突き当たったのです。
  古武術の活用から肩胛骨云々が喧伝されています。古武術研究家の甲野善紀氏の随感録で知った野口裕之氏をネットで検索したら「身体教育研究所(整体法研究所)」の主催者と知った。http://www6.plala.or.jp/dohokids/skk/skk_history.html
  また下記のサイトにも行き当たりました。
    http://homepage2.nifty.com/kobaken/basic/basic_idx.htm
    http://www.webleague.net/wcoach/wcoach.php3?teachid=10
    http://www.5-tai.com/jwalker/SP1/index.html
    http://ww6.enjoy.ne.jp/~nissy/
    http://homepage1.nifty.com/hidashiki/
  実に多くの研究が身体運用に関して行われているのですね。学ぶべきものが多々あります。漠然としていますが各研究の根本の所は共通していると思われます。私たちの体には凄い秘密が隠されているようです。 冒頭の「なんでだろ」分かる方は教えて下さい。


(76)強くなったなあ
  孫にせがまれ尾張大会の最終日を見に行った。準決勝が始まるところだった。驚いたことに私が長年応援している私立S高校の応援団の様子だった。1年生が10数名太鼓などの鳴り物で声援していたことだ。以前は鳴り物はなかった。
  準決勝128−15,決勝は124−36だった。offenseは外も中も強くdefenseも脚力ありしっかりしている。過去のどのチームよりも充実していると思った。26年ほど前理事長さんから「体育の賞状1枚すらない、バスケで学校活性化をはかりたい。そのため力を貸してもらいたい」と切願された。(今昔物語第20話)零から出発した女子バスケ今や尾張の雄として輝いている。「強くなったなー」ゲームを見ながら感慨ひとしお。   一昨日体育館を訪れ監督さんに感想を述べ、チームを讃えた。監督さん曰く「以前はやらされている感じだった。今は練習が終わっても居残ってやらしてほしいと言う。」監督の熱意により近年学力も高い優秀な部員が多く入学するようになった。県新人戦初めて4位になったのもさもあらん。また監督自身も内面的な成長があったようだ。彼は続けて言う。「前大阪方面への遠征で先輩の愛媛の聖カタリナの監督さんから、厳しく暖かい助言を得て開眼したという。」24日からの県大会厚い3つの壁の1角を崩してほしい。


(77)ミニ日本1
  私が尊敬しまた声援しているHPで書き込まれた日本1になった監督さんの要旨を転載さしてもらいます。
  { 部員も少なく20名ほどの人員で全国に臨みました。試合にでる10人も6年4人・5年3人・4年1人・3年2人と低学年が多く含まれています。・・・・・・身長も小さく(157・155・140台以下が8人)今大会で平均身長が一番小さいチームでした。
初戦は今大会で平均身長が一番高い(170台2枚・ベスト平均は160以上)チームとの対戦、ゴール下にボールが入った時は全てやられました。・・・}
  {・学年層が低い為、3年生のやるべき事、4年生がやるべき事、5・6年生がカバーしながら下級生を引っ張って行く・・。当然、試合の時だけで無く練習でも一緒です。下級生は上級生が教えるものと手取り足取り教えてくれます!
  ・練習中は真面目です。(どのチームも当たり前ですね!)おしゃべりをしている子供がいません。試合に行かない1・2年生も2〜3時間の練習時間はじっとコート内を見据えています。よって1年〜6年・男女で同じ時間帯に同じメニューの練習をしています。翌年コートを見れる子供は上級生と同じプレーをするようになります。}
  {・指導者は殆ど教えません。ファンダメンタルやシュートフォームは徹底的に教えますが、バスケットプレーは教えないようにしています。子供が考える前に答えをあげてしまうとそれしかやらないプレーヤーになりそうで!
  ・やるのは子供である、監督・コーチは道にそれた時軌道修正するのが役目と考えています。従って試合中も子供に全て任せています。(私は怒鳴ると疲れますから、大事な時にとっておきます。)}   私はこれを読んでびっくりしました。ミニに抱いていた概念が覆された。少ない部員、6年4人、5年3人だけ、全学年同じ指導、バスケットプレーは教えない。それで全国優勝とは。やればできるものだな。世間は広いな。すごい指導者がみえるなあ。


(78)尾道市教育次長が自殺
  7月5日(2003)の中日新聞の朝刊に上のような見出しがあった。民間出身の小学校校長が3月に自殺した尾道市の次長さんで、故人の相談役だったそう。実はその前日図書館で7月号の新潮の目次を見たとき{「校長連続自殺」に潜む教育界アンタッチャブル}の題名を見つけた。8ページに及ぶ論文でその根の深さに一驚した。その翌日のこの記事である。教育委員会では教育長が体調不良で検査入院中とか。
  そういえば民間校長が自殺するまでに、新・旧2人の教頭が過労の末、相次いで倒れたり、病欠するなどして、校長を補佐する教頭職が空席になっていたとのこと。    論文中には1981年から今日までの県教育会怪死者リストなるものまで19人分が列記してあった。いずれにしてもかって教師をしていた私にとって残念であり悲しい事実である。実際ここには大切な子供たちが存在している。この子たちに直接間接関わりのある方が、非業な死を遂げたことは、どれほど子供たちに大きな影響を与えたかはかりしれない。
  行政、現場の間に永年の確執があるように思われるが、大事な子供たちのため早急に問題の解決をしてほしいものである。
(79)自然の摂理か
  昨年取った朝顔の種を播いた。苗床の育った苗を勿体ないと言うことからあちこちに植えた。鉢に、垣根に、洗濯干し場の支柱に、樹木の幹に、また支柱を数本立てその上部に糸をまきベランダまでのばした。今夏は朝顔の花でいっぱいと期待していた。土壌の悪いところ、日当たりが不十分なところはなかなか育たない。なかにはかろうじて30cm程度のものもある。肥えた日当たりの良いところはぐんぐん伸びていった。3m 近い。葉が異様なくらい上の方が大きい。これは美しい花がたくさん咲くぞと喜んでいた。
  ところが一向に蕾がこない。あの貧弱な育ちの悪いちっぽけな朝顔が、可憐な花を精一杯咲かせている。いじらしいくらいだ。大きく育った朝顔はどうしたのかしら。ようやく一部に一輪葉の後ろに恥ずかしそうに小さく咲いている。植物音痴でよく分からないが、成長が悪いのはせめて種を残さんと必死に花を咲かせたのだろう。ばかでかく育った朝顔は葉や蔓に勢力がいってしまったのだろうか。
  バスケの指導でも力を入れて育てても、蔓や葉だけ伸びて結実しない朝顔のようであっては困る。見かけは貧弱でもそれなりに花開き実を結ぶチームづくりであってほしいものです。


(80)こんなことも
  みのもんたの「おもいッきりテレビ」のチャンネルを入れたら「鬼首街道」の映像が出てきた。「今日は何の日」の題材のようだった。昨日借りてきた内田康夫の「鬼首殺人事件」を読みはじめたところだったので驚いた。小説の舞台ではないか。テレビで小野(おのの)小町を演ずる7人の小町が小町堂の周囲を巡る場面が写っていた。そうだ殺人事件は小町の一人に倒れ込んだ老人・・・・。小説の舞台をテレビで偶然同タイムで見るなんて不思議。さあ続きを読もう。でも相も変わらず内田康夫をあれこれ読んでいる。もう少し格調ある書籍を読まなければ。でも永年の習慣でいまさら変わらない。