06: 損得勘定


 進級だけは自動にさせられて、なんとなく最終学年になってしまった春。本来ならば絶対に立ち寄らないだろうこの時期に、翔はなぜか構内を歩いていた。
 それもこれも、これまでの行いのせいである。出席が少なかった分、取得単位は今期でかき集めなければ卒業は危うい。そして就職も考えれば、状況はかなり厳しいのである。
 とはいえそんなウルサイ、もとい親切な学部からの呼び出しも、実のところは慣れてしまっているようだ。飄々と歩く姿はいつものもの。ついでにとクラブ棟まで足を伸ばしたのも、妙に余裕あるそんな彼ならではであっただろう。
 しかしそこでめぐりあった光景は。
(………やっぱ、こいつかよ)
 聞き慣れた、ちょっと引きずるようなスニーカーの足音。そしてちょっとばかり通りすぎる声。
 バタバタと騒ぎまわってるのは、ある意味予想できた相手だった。
「だってさ、それにはドラムだっているじゃんか」
「それは、誰か探すから!」
 一応は春休み。人の気配も少ないぶん、声もより響こうというものだ。しかもこの相手は、軽音が助っ人に呼ぶほどのヴォーカリストなのだ。それも歌の技術ではなく。となれば、理由はだいたい明白だろう。
 しかし痴話喧嘩ならコンテナ内でしてほしいものだ。防音を施したあの場所でならば、多少は外部への被害は回避できるはずだ。
 だがそんなことは、口論している彼らにとって関係がないのだろう。そして立ち聞きする者にも、都合がよいだけである。建物の陰、とりあえず様子を見ようと彼はこっそり立ち止まっていた。
「でも、おいらは部員じゃないし……」
「関係ないって! なあ、政人。そうだろ?」
 ギタリストの無骨な誘いは、だが情熱的ゆえに逃がれがたいのだろう。めずらしく答えに窮しているらしい。
 そこで引き合いにだされたもうひとりのベーシスト。それまできっと黙って成り行きを見守っていたのだろう。問いかけにも、かわらず静かなまなざしを向けていた。
「……だって、政人は」
 どうやら冷静さを保っていそうな相手に、状況を委ねたいようだ。
 これまでずっと否定的な見解を示していた相手だ。そしてそれは客観的な判断に基づいていたと思う。
 だから。そう向き直れば、だがまっすぐな瞳の彼はちいさく首を横に振っていた。
「俺も、お前に歌ってほしい」
「だってそれは」
「ちがう」
 とまどった発言は、だがあっさり短く切られる。そして息を詰めたのはどちらだったのか。
「タツが望むから、じゃない」
 天使が通りすぎると言われた沈黙の後で、わずかに低い声がゆっくりと語りはじめた。
 それは、ずっと二人が避けていた事柄。にわかには信じられるものでもない。胡乱な目つきで、まずはその少し高い位置にある顔を見返す。そのまま黙っていれば、相手は苦く笑った。
「最初は確かにそうだった。でも、いまは違うんだ」
 視線が瞬間だけ、もうひとりの男に滑っていく。だがつられてそちらを向く前に、彼は向きなおってきた。
「あの曲は、お前の声を考えて書いてある。俺もそう思ってアレンジしてきた」
「政人……」
「ほかの誰にも歌えない。いや、歌わせるわけにはいかないんだ」
 決して大きくも荒々しくもない。だがそれは吹き抜ける春の風に、少しも負けはしなかった。
 偏ることなくまっすぐ立ち、瞬きもせずに見つめてくる。
 芯がまっすぐな相手だけに、意志も固い。
 救いを求めるように目を滑らせた相手は、やはり同じくうなずくばかりだ。
「それに、もう俺たちがそろってやれるのは、最後かもしれないしな」
 左右にさまよわせた目線で、きつく言い募りすぎたと感じたのだろう。
 照れたように笑いながら付け加えられた意見は、だがやはり的確なものだった。
 学部がそれぞれ異なれば、共通教育のなくなる来年からはここに来る率も減るはずだ。特に学部キャンパスが外部にあればなおさらだ。
 互いに認めあえたいまなら、元に戻れるのだろうか。
 だが隔たっていた時間は、取り返せない。不安も消えない。うつむいた視界に入ったのは、冷たい地面ばかりだった。
「お前とやりたいんだ。俺たちは」
「だから、和真」
 切望する声音は、その顔を見ずとも十分に痛い。
 歌うことは、もともと嫌いではなかった。決してバンド自体を厭うていたわけでもない。
 ただ認められないのが怖かった。必要とされていない場にいることが、恐ろしかった。
「……イヤか?」
 諦めの色が濃い問いかけは、きっと互いに取って最後のチャンス。
 あたらしくみんなでやり直すためには、賭ければいい。そう ―― みんなで。
「じゃ、じゃあさ、交換条件!」
「え?」
 ばっと跳ね上げた顔の先、驚きをまだ形にしきれないふたりがいる。
 まだ戻れる。いや、あたらしくはじめられる。昔とはちがう関係が築けるはずだ。
「ドラマーがみつかったら、歌うよ」
「ホントか! 和真っ」
「もちろん。約束するよ」
 決めてしまえば、ひきずっているよりもよほど清々しい。
 意気込んで確認する達彦に強く頷いてから、視線をもうひとりへと向ける。明らかに息を詰めていたのだろう。その相手はゆっくりと目を閉じ、深く頭をさげてきた。
「じゃあ、あとは探すだけだな!」
「ああ。……っ、ちょっと待て、タツ」
 今にもどこかへ駆けだしそうな男の襟元は、うつむいていてなお素早く判断した政人に捕まえられた。
「とりあえず、中でもうすこし話をしよう? 和真も」
 うながしはぶっきらぼうながら、優しい。そんないざないに、ふたりもコンテナへと入っていく。
 ほぼ防音仕様の場所だ、もはや声は聞こえない。
(えれー話になってるじゃんか)
 一部始終を窺っていた男は、そうしてこっそり口笛を吹いていた。
 指先にはタバコが一本。ほぼフィルターギリギリまで火がきている。それを踏み消して、ポケットの携帯灰皿へ投げ込む。
 だがどうやら次に手をだす気はないようだ。地面を靴底で鳴らしながら、彼は目的地へと向きを変えた。
「さてさて、そんなヤツどうやって探すんかねぇ」
 他人事となれば、騒ぎは大いに歓迎。むろん自分に害が及ばないからだ。
 どんな結果になるか。コンテナ内の状況を想像すれば、なおさらに笑みは深まるばかりだ。
 呼び出しのおかげで思わず得た収穫に、足取りは軽くなるばかりだった。



「かっずまさくーん、今年はライブするんだって?」
「へ?」
 講義がはじまり、数日後の帰り際。クラスメイトの発言は、元々おおきいはずの彼の目をなお見開かせていた。
 まだ確定していないから、誰にも伝えていないはずの内容。どうして知っているのか、たぶん問うても無意味だろう。女性独自の情報網がおそろしいのは、文芸でもはや教え込まれている。
「えっと、まだわかんないんだけど」
「秋のときも期待してたんだから。今年こそ頑張ってね?」
 さらりと反論は無視されたようだ。にっこりと念押ししていく顔は、どこかで見覚えのあるものだ。
 そんな女性らに逆らうのも無駄なのも、既に認識済みである。ひきつった笑顔でかえせば、相手は満足したのだろう。意外なほどあっさりと出ていった。安堵の吐息をついて、彼もまた急ぐようにいつもの部室へと教室を後にした。
「……ドラム叩ける人なんて、そんなにきっと探せないよね」
 独り歩けば、さきほどのやり取りが反芻される。ふたりがドラマーを連れてきてからの話だったはずだが、ここまで周囲に知れ渡っているのでは簡単にやめられそうにもない。
「だから大丈夫だと思うけど」
 なぜ『だから』なのか。ポテポテと歩みをとめない彼には、どうやらなにか思うところがあったのだろう。
「おいらも、協力はしなきゃなぁ」
 断る口実だったわけではない。もしものための保険はかけておくに越したことはないはずだ。
 彼らのためでなく、自分のために。見くびられるのは、性に合わない。
 進みつづけてきた足は、ぴたりと止まった。
「ドラム探し、がんばるぞ!」
「……原稿もがんばってね? 和真くん」
 扉を開けながらの気合いのセリフは、冷たい部長の視線を浴びさせられていた。
 当たり前のことである。この文芸とて、学祭に向けて全員一丸となって鋭意部誌作成中なのだ。
 照れながら指定席へと行けば、背中あわせとなる相手も、やはり呆れた顔を向けていた。
「ちゃんと原稿もやりますよ」
「いや、まあ……そうだろうけどさ」
 首を傾げながらの声は、めずらしく滑舌が悪い。この男らしからぬ応対に、椅子に座りかけた身体が停止する。
「けど?」
「ドラムじゃなくて、ドラマーだと思うがな……」
「な・ん・か、言いました?」
 いや、別に。そんなはぐらかしを聞く気もないのだろう。
 嫌みなイントネーションを響かせた質問を残し、和真は公然の隠し通路から奥へと滑り出ていった。
「何しに来たんかねぇ」
「ねえ」
 そんなふたつのくすくす笑いに見送られていることにも気づかないままに。

「和真クン。どうしたの?」
「あれ、結城先輩。久しぶりですね」
 そしてくぐり穴の先、勝手知ったるなんとやらとばかりに陣取っていたディスプレイの前。予想しなかった存在の呼びかけに、ほんの少し声が高くなる。
 とはいえ、数ヶ月前までは主のようにいた相手だ。くるりと振り返れば、いつもどおりの笑顔がそこにはあった。
「俺はちょっと就職トラブっててさ。ま、なんとかなりそうだから、先生ンとこに報告にきたんだけど」
「トラブル? なんで」
「それはいいの。で、キミはなにしてるわけ?」
 ひょいと背後に立った彼は、肩越しに覗き込んだモニタの内容に首を傾げていた。
「学内BBSでしょ、これ。まじめな顔してるから、てっきり原稿してるのかと思ったのに」
「だったらこっちの部屋には来てません」
「そりゃそうだね」
 写真部のコンピュータは、画像処理に関わらないソフトは容量の無駄としか認識されていない。かろうじて残された文章作成ソフトは、和真の得意とするものではなかった。ここで原稿などやれるはずがないのだ。
「……ってワケで、ドラムできる人、探してるんです」
「はぁー、そうなんだ。大変だね」
 かいつまんだ説明は、どうやら一応の同情をひいたらしい。
「タツたちが実を呼べればいいんだけど」
 睨みつけていたせいで疲れた目元を、とりあえず軽く押さえてみる。ついでのように肩をまわせば、嫌な音までする。
 見れば見るほどわかる状況の険しさが、知らず負担になっていたようだ。はあぁ、とついたため息は、意外なほどに重かった。
「あ、そういうつもりでドラマーみつけたら、って条件つけたのか」
「でも、絶対に呼ばないつもりみたいで」
「そりゃね、だってキミは平気なの?」
 がっくりと肩を落とした彼を、相手は怪訝そうに見つめかえした。
 実は高校からいたメンバーの名だ。だが既に辞めてから半年以上。そしてなによりそのきっかけとなった事件は、和真とのもので、ひどいトラウマとなっていて然りの内容でもある。
「タツはともかく、政人まで険悪になる必要はないんじゃないかなって」
「……まあ、キミが責任感じる内容じゃないと思うけどね」
 事情はあれども、悪いのは明確に実側だった。
 だがどうやらもう昇華されている事柄なのだろう。片割れであるはずの政人を許して、一方だけを認めないことが是とされないのかもしれない。その感情は他人が害するべきではないだろう。
「政人クンも、あれから変わったからね。そのせいじゃない?」
 だからこそ結城はいつもの微笑みを浮かべて、非難のことばを飲み込んでいた。
「なら、仕方ないんですけど……」
 その想いをどう受けとめたのか。複雑な表情をみせつつ、椅子の上の相手はモニタをちらりと窺っている。
 合わせて背後から覗き込もうと近づけば、目線の下。くるりと椅子が回転していた。
「だったらどうすればいいんでしょう。ドラムなしじゃ、バンドなんてできませんよ」
 いきなり真下から発された声は、認識するのに数秒のタイムラグを必要とした。
 悲壮な内容と一致しない、強すぎる声量だったせいだ。
「できないことはないけど……、達彦くんの考えるイメージには合わないかな」
「このままだとおいらが叩いて歌うことになりかねないんですよー」
 手と足バラバラにつかって、あげくに歌うなんて……。
 限りなく情けない顔つきになった和真に、まだ耳の痛みを感じつつもとりあえず思うところを告げる。だが返されたことばは、頭に鈍い痛みを感じさせるものだった。
(このコ、そもそもリズム感あやしいからなぁ)
 テンポキープをしながら歌のノリを保てるとは、到底考えられない。そしてそんな彼をあのリーダーが望んでいるとも、これまた思えない。
 だが真剣に悩んでいる姿はおもしろい。
 不意に受けた鼓膜への攻撃へのささやかな復讐もあるのだろう。しばらく男はそのまま放置してみることにしたようだった。そうして一巡、統合性のない行動とコメントを楽しんでみるのだった。
「……あのさ」
 そうして耳に受けた衝撃が完全に過ぎ去った頃。悩み疲れ、いまにもキーボードに倒れ込みそうな相手へと、彼は普段より一際口角をあげた笑みをみせた。
「なんです?」
「オレ、知ってるよ。ドラムちょっとだけできるヤツ」
 そうして親指と人差し指でつくった輪をすこしだけ離す。だがその隙間は、本当に爪先が開くかどうかといったものだ。
「でも、だいぶ前の話だから。今もできるかはわかんない」
「いいんです、ちょっとでもできるなら!」
 1cmにも満たない希望。だが見つけることすらできない闇を模索するよりは、そこから射しこむかすかな光にすら縋りたい。
 ばっと飛び上がった和真は、勢い込んで立ち上がる。そして頭上の相手を振り仰いだ瞬間、その瞳を不思議そうに瞬かせた。
「せんぱ……い?」
 間近での喜びは、再び結城に壮大なダメージを与えていた。
「で、誰です? 紹介してくださいよ」
「うん、いーよ」
 二度の攻撃は、室内の住人を追い払ってしまっている。彼とてこれ以上、無駄な痛手を被りたくはないのだろう。めずらしくも、もったいぶることなくすぐに立ち上がった。
 だが電話をするわけでもない。よろよろとその身体を衝立のちかくへと運んでいく。
「おい、翔! ちょっとこっち来いよ」
「どうしたぁ? なんだ。まだおまえ、こっちにいたのか」
 待つまでもなく、呆れた顔を乗せた長身はその姿を現した。
「え、なに? 先輩の知り合いにいるの、ドラム」
「だからドラムじゃねーって……」
 それじゃ、人間でもないだろうが。妙なところで言葉にこだわる男は、無造作に頭を掻きながら近づいてくる。
 だがいまの和真には、どうでもいい内容である。そもそもこんな揚げ足など気にしていては、彼とともに長くはいられない。
「だったら早く紹介してくれればよかったのに」
「ちがうって」
「え?」
 挟まれた声に、呆けて見返してくる様子は、これまでの恨みを晴らして余りあるものだったろう。
 くすくすと笑いだしたもうひとりの男は、ゆっくりながら今度は着実にこちらへと戻ってくる。先ほどまでのダメージはもはや微塵も感じさせない。
「だからさ、こいつには紹介できないんだって」
「おい、まさかトモ」
 しかめ面になった翔の胸を、上機嫌に軽く叩く。
「え、え? それってどういうコトです?」
「だから、紹介の意味は? 和真クン」
 調子が戻ってきたのだろう。謎めいたフレーズが、鉄壁の微笑みから発される。
 その発言に、まずは宙をみあげて考える者がひとり。そして硬直する者が、もうひとり。
「えっと……、もしかして、先輩がっ!」
「ご名答」
 これまでにない最上級の笑みで、正解の鐘は鳴らされた。
「おいらがドラム叩ける人、さがしてるの知ってたくせにー!」
「いや、だってさ。中学のとき、吹奏楽でちょろっと触ったくらいだし」
 その鐘は、ゴングでもあったらしい。突如として噴火した火山は、これまでとは比較にならない。
 真正面からその衝撃を食らった翔は、耳を押さえながらも反論は忘れなかった。だが怒りの波動はその程度で防御しきれてはいないだろう。むろん予測済みであった男は、安全距離に退避している。
「でもあんた、できるんでしょっ!」
「おい、トモっ!」
 普段の強弱関係はどこへやら。あのヴォーカルボイスの激しい攻めに、もはや逃げるしかないのだろう。
 救助を求められる唯一の存在を振り向けば、部外者として成り行きを見守るつもりか。だがその相手は愉しげに笑い返しているだけだ。
「どうして言ってくれなかったの!」
「なんか俺の得になるのかよっ」
「……知ってたくせに」
 そのことばに、ぐっと男は息を詰めた。高見の見物を決め込んでいたのが、負い目なのではあろう。
 いや、それだけではない。
(もっと前から知っていることがバレたときには ―― )
 あまりに恐ろしすぎる。想像を止め、彼はまずぐらぐらする頭を一振りした。
「んじゃ、妥協案だっ」
「なにが!」
「シンセかなんかに打ち込みしてやるから、それ流せ!」
「えっと……。よくわかんないけど、どうなるわけです?」
 止まらない音波に部屋自体が揺れている感覚を覚えるのは、気のせいだろうか。極めつけのように噛みついた和真に、床にへたばりながらそれでも男は叩き返した。
 そんな彼の状況を思いやるゆとりも、気もないのだろう。だがくるりと向きを変えて問う声は、わずかにだが控えめだ。
「たぶん達彦クンは、不満だと思うよ」
「……お前さ、俺になんか恨みでもあるわけ?」
 うずくまったままに、翔は駄目押しをした相手を睨みあげる。だがその力は普段の半分以下の効果しか持たない。
 そして元々、どれほどの力があろうともその程度に怯む対象でもない。
「実クンは、重たかったなー」
「こんの、卑怯者が……っ」
 ニヤニヤと嗤う姿は、いつぞやの彼そのもの。対岸の火事を愉しむ主義は、どうやら他にもいたようである。
 もはやこの男に逃げ場はない。成り行きまかせにしておいたことが、まずかったのだろうか。
 だが、人生万事塞翁が馬。どう転がるかは、ここからまだまだわからない。
「わかったよ! やりゃあいいんだろうがっ」

 最後に笑えれば、それでいい。
 すっぱりと叫んだ彼に、まずは残りのふたりが破顔一笑したのだった。


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漢字-06>漢字-07>(心理ゲーム>)漢字-05
軽音だって、ちゃんとやってるのさ。たぶん。




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