平成18年最後の天聖人誤は、本日の一言をもって最後の一文とします。後半はパソコンの容量不足から原稿の散逸や不明が続きました。容量は改善したものの、このコーナーは18年の全原稿が表示されないままですので、来年より心機一転して望みたいと思っています。、ご容赦ください。 平成19年が皆様にとって良き年になります事を祈り、健康で家庭円満な一年にしたいと願っています。ありがとうございました。 平成18年12月31日 |
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「古い奴だとお思いでしょうが、古い奴こそ新しいものを欲しがるもんでございます。どこに新しいものがございましょう。生まれた土地は荒れ放題、今の世の中、右も左も真っ暗闇じゃござんせんか」 昭和46年に大ヒットした『傷だらけの人生』歌い出しの台詞であるが、レコード大賞大衆賞を受賞しながらも、歌い手がアウトローとの理由から紅白歌合戦への出場には至らなかったのである。 歌い手は映画俳優の『鶴田浩二』である。私は彼を戦後最高の俳優と称し、一生涯唯一のファンであり続けたいが、世間の評価は『石原裕次郎』や『世界の三船』にあり、鶴田浩二の評価は必ずしも高いものではない。 しかし、鶴田浩二の孤独な生い立ちから、戦前戦後を通した62年間の歳月を振り返る時、前記した芸能人・石原裕次郎や俳優・三船敏郎には至る事が不可能な哲学と人生観が浮かびあがってくる。 俳優・鶴田浩二は生涯に一度もテレビのコマーシャルに登場していない。斜陽の映画からテレビ全盛の時代になっても、コマーシャルによって分断される民放のドラマには出演せず、映画もテレビも出演する作品を選んでいたと思われる。 不遇な生い立ちから戦争へ。昭和18年12月21日、神宮外苑陸上競技場で出陣学徒の壮行会が開催された時、鶴田浩二はスタンドにおり、一期先輩の学徒達の姿を見つめ見送ったという。 自身の戦争体験から、戦前の影を引きずり、戦後の二枚目スターから任侠映画に活躍の場を移し、遺作となった『シャツの店』まで主演スターであり続けた。 さて、何でもありの現代社会にあり、鶴田浩二に学ぶものは多い。鶴田浩二は、天皇陛下や天皇制を批判こそしてはいないが、昭和天皇から園遊会への招待状が届いた時、はっきりと断っている。 この時、鶴田浩二は、「天皇陛下から『おまえたちは、よくやってくれた。どうもありがとう』と、戦死していった奴らに言ってやってほしい」、「たった一言でいいから『すまなかった』と言ってやってほしい。その一言がない限り、俺は園遊会には行かない」と語ったと言われている。 学徒出陣した軍人の最下級として、戦死した英霊達の影を背負った人生を送った鶴田浩二の一言は、たとえ映画やドラマのセリフとは言え、最近の国の総理大臣の言葉よりも重みを感じるのである。 平成18年12月14日 |
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政治の世界は『自己主張』と『身勝手』が多すぎるのではないか。国会では『郵政民営化』に反対し、自民党から除名された議員達が、「民営化に反対ではなかった」との国民や有権者には理解できない言い訳をして『念書』まで提出して復党を果たした。 これでは、自民党公認で送り込まれた新人議員達の立場がない。送り込んだ張本人の小泉前首相も、説明のつかない発言をしている。 新しく送り込まれた候補者を応援した地方議員と有権者の立場や、自民党を除名された議員を応援し道連れに除名された地方議員や、郵政民営化反対と信じて投票した有権者の立場はまったく無視されており、小泉前首相が「郵政民営化の賛否が争点の選挙」と叫んだ選挙の筋が通らない。 少なくとも当時は、小泉首相が政治生命を賭けた選挙であり、結果が逆になっておれば退陣どころか、与野党逆転の可能性もあったのである。 情けないのは、自分の信念に基づいて反対の意思表示をして、いまさら言い訳をして復党を果たそうとする議員達のふがいなさである。ましてや、60才を越えた議員達は、自分と同世代の人々が『定年退職』している現実から、信念を曲げてまで白々しく言い訳をしたり、説明も出来ずに議員に執着する心情が理解できないのである。信念を貫き、玉砕覚悟も政治家の美学である。 最近では、全国各地から首長の談合や不正が発覚しているが、国会議員も有力支持者の利権で動いているとしか思えなくなってくる。 さて、愛知県知事選挙についても、当初は自民党と公明党の推す現職と、民主党や野党の推す新人の一騎打ちの様相が続いていたが、ここにきて共産党は独自候補を擁立する気配が濃厚になってきた。 一騎打ちでも現職の壁は厚いのに、野党が分裂して勝算があるのだろうか。まったく勝算の無い第三の候補者を擁立する事より、考えの近い野党候補者に投票した方が、理想とする政治が実現できる可能性は高いと思われるが、舞台裏の真意が図れない。 政治は誰のためにあるのか。政党や政治屋の思惑で仕組まれ、住民の民意は無視されているとしか思えない。来年は総選挙の年でもあるが、少なくとも住民は自己主張すべきであり、住民が主役とされるべきである。 平成18年12月3日 |
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11月24日に落語家の浪漫亭砂九(纐纈彰良さん)が48歳で亡くなり、本日は葬儀がひらかれ最後の別れとなりました。36回に及ぶ私との勉強会・大鹿寄席を二人三脚で開いており、ショックで頭が「スナック」状態です。 数日後に書き入れます。申し訳ありません。 尚、先週の記載分も無い事が本日発覚しました。パソコン容量が限界に近く、所在探しも難しそうですので、探してみるものの、先週分も併せて数日後に記します。 平成18年11月26日 |
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最近のテレビニュースによって、プロ野球読売巨人軍の仁志(にし)選手がトレードで横浜ベイスターズに移籍する事が発表された。 一方で、仁志のつけていた背番号8番は、オリックスから入団が発表された谷(女子柔道ヤワラちゃんの亭主)選手がつける事が発表された。また、今年4番を打っていた小久保選手が福岡ソフトバンクホークスに移籍する事が発表されたが、昨年も清原選手がオリックスに移籍し、元木選手はトレードを拒否して引退した。 昨年から続くトレードによって生え抜き選手の多くが退団し、今年の試合は名前すら解らない選手ばかりが出場し、巨人ファンにとってもどこの試合か解らない印象が強く、負けも続いた事でテレビの視聴率も大幅に下がったのである。 勝って優勝する事も重要ではあるが、年棒の高い実績のある選手を他チームから獲得するばかりで、成長が期待される若手選手の結果も待たずに放出し、過去の実績を残す選手を人情のカケラもなく放出し続ける事は、巨人軍の歴史だけでなくプロ野球の人気にもマイナスとなるであろう。 プロ野球のチームは誰のものか。巨人軍渡辺オーナーは、16年7月、ヤクルトスワローズの古田選手(現監督)に「たかが選手ごときが…」と発言し、一リーグ制や球団合併問題でオーナー達と話し合いたいとした選手会会長の古田選手を切りすてた。 そして、巨人軍生え抜きの選手達が次々と切り捨てられ、他チームに移籍していった。行き場を失ったままの桑田投手も同様である。 さて、仁志選手と入れ替わりに入団する谷選手は、「光栄だ、喜んで」などと発言し、男児を抱えた柔道の亮子夫人は、喜んで東京に上京すると報じられている。 これではプロ野球選手が建築現場の飯場に寄せ集められた労務者と同じではないか。今や一流選手はアメリカの大リーグに移籍し、二流選手によるプロ野球と化し、チーム愛も郷土愛も持ち合わせぬ言動からは、夢も希望も伝わってこない。 巨人軍にも負け続けた歴史がある。負けても、負け続けても同じ選手を起用し、最下位になったチームを長島監督が鍛え直して優勝に導いた歴史があった。今やその面影もなく、ガラクタを寄せ集めて再起を図っているが、巨人軍を放出された選手を集めると優勝すら狙える戦力になる可能性も高く、ファンも散っていくのである。 平成11年11月12日 |
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議員の生活実態が全く解らないとの指摘を受けた。昨日、訪問した座談会の席でも同様な質問を受けた。 国政の総理大臣や国会議員が連日のようにテレビに映り、発言やコメントが新聞や雑誌を通して身近に伝わってくるのに対して、身近どころか近所に存在する筈の地方議員の姿が、地域住民に理解されていないのである。 いや、理解されていないと言うよりも、議員を専業として多くの秘書を抱える国会議員と比較するほうが無理な事かもしれないが、東京に集中するマスコミの情報が全国に流されており、本来簡単に伝わりそうな地方の動きが伝わりにくい現実もある。 さて、そうなると新聞やテレビで発信される全国の話題が、そのまま各地に当てはめられるのである。 名古屋市の市議会が、政務調査費の不適切な処理や返還をめぐって以前から議論され報道もされているが、最近になって自民党の新しく立ち上げた会派が5万円以上との条件付ではあるが、政務調査費の領収書を公開する事を発表した。 今時こんな話題が報道される事に、時代錯誤のような違和感を覚えるが、民間企業や個人商店でも金額の大小に関係なく領収書を保存して記帳しているのに、市民の税金を使った政務調査費が領収書も残さず使える事が不思議というよりも異常でもある。 ただし、住民の目には、名古屋市以外の地方都市も同様に映り、月額55万円の政務調査費の金額も記憶にとどまるのである。地方議員の月額報酬を上回る政務調査費であり、年額15万円の政務調査費の存在すら議論している中で、ほとんどの市民には現実の姿がまったく理解されていない。 議員の姿が話題になるのは選挙の前年からである。立候補を予定する候補者が地域を歩き始める頃になってはじめて、「いったい議員は何をしているのか」との発言を耳にするようになる。 聞かれてから言い訳のようにアレコレ言うのも可笑しいが、選挙間際の事前運動しか議員の姿が見えないとしたら反省すべきでもある。一方で、地方になればなるほど、議員が地域の利益代表であり、縄張り意識に疑問を呈する市民の声も存在する。「自分は違う」と叫んでみても、理解されていない原因は議員にある事は言うまでもないが。 平成18年11月5日 |
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イジメが原因と思われる生徒の自殺は、イジメの存在を認めたくない教育界の矛盾を表面化させたが、同様な自殺はとどまる事を知らず、事件の報道に触発されたイジメの被害者達の後追いを助長する可能性から、早期の現状把握と、イジメ防止策を具体的に実施して自殺の連鎖を止める必要性が高い。 国の教育改革が論点にされていたが、今度は高等学校の卒業に必要な科目の履修漏れが相次ぎ、全国に存在する事が報告されてきた。 教育界の非常識から、教育委員会は一部の学校として存在すら認めていなかったが、私立高校だけでなく公立高校にも多く存在する事が発覚した。 ただし、この問題が発覚しても、すべての高等学校に対する調査は実施されておらず、公立高校については教育委員会が設置管理している事から、調査と報告を徹底できるものの、私立高校については『監督』する事しかできないため、はたしてどこまで徹底的な調査と報告がなされるか疑問でもある。 最近の高等学校の教育内容が多様化し、かつての普通科と商業化、工業科などと単純に誰もが認識できた時代とは違い、選択科目そのものも増え多種多様化している事と、受験実績が学校の募集定員の欠員まで招く事から、受験対策が原因になっている事は確実でもある。 さて、履修科目をとらないと卒業できない現実から、大学受験を控えた貴重な時期に、学校によっては不可能と思われるような補修授業を発表しているが、それほど重大な事であれば、過去の卒業生に対しても調査すべきではないか。 学校によっては、違反を承知で教育委員会への報告を偽装してきた事例も発覚しているが、こうなると昨年の卒業生に手渡された卒業証書も無効ではないのか。卒業の要件を満たしていないのであれば、大学に入学する事も不可能ではないか。 大学に不合格とされた生徒から、高校で履修漏れの生徒に対して合格取り消しを求められたらどうなるのか。法学部の不合格者については是非とも司法に訴えてもらいたい。 教育の限界から、予備校や塾が当り前の社会になっているが、この際だから『週5日制』の返上を実施する学校や、受験対策を否定して徳育重視の学校や、予備校の役割も果たす学校があっても良いのではないか。 こんな話をすると、「政治家が問題だ」との発言も聞こえてくる。塾や予備校の業界が首長の選挙にも関係しているとの指摘である。こうなると、教育だけでなく、日本中が問題だらけになっている可能性も否定できない。 平成18年10月29日 |
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イジメを苦にした小学生や中学生の自殺が相次いでおこっている。北海道滝川市で昨年9月におこった小学校6年生女児の自殺の原因がイジメにあったと、今月初めに滝川市長や教育長、学校長が遺族に謝罪した。 女児が残した遺書(メモ)が公開されても、教育委員会は遺書の存在を認めず、全国から寄せられた批判の電話や電子メールによって、首長の政治判断により謝罪に訪れたものの、肝心の学校長の口から、「イジメ」を否定する発言が飛び出し、同席した教育長との発言の違いから渋々事実を認める映像が発信された。 福岡県筑前町の中学2年男児が今月11日に自殺した事件でも、残された遺書からイジメが原因であると判断され、事件当日に「死にたい」と言う生徒に対して、「本当なら下腹部を見せろ」と数人の生徒が男児のズボンを下げたと報じられている。 遺族の訴えからイジメが発覚し、調査の結果から1年時の担任がイジメの原因をつくった事が判明し、遺族に大声で批判される姿が放映された。 問題の教師は、「一生をかけて償っていく」と答えたものの、具体的対応を問われると言葉は無く無言であった。 その後に開かれた全校生徒への説明会には、校長より『イジメ』の事実は発言されず、遺族の前で謝罪した言葉とは反する対応には驚かされた。 事件後の対応を見ると、明らかに学校への責任を回避するために、遺族の前とは弁明内容を変えており、このような対応では教育者として信頼は得られない。 自殺の原因は複雑であり、イジメだけが原因とは言い難いが、謝罪したらその内容を貫くべきではないか。場当り的な対応では生徒の信頼は失墜する。 又、謝るだけでは能がない。イジメが原因で生徒が自殺したとしても、自殺の原因は本人の意志の弱さにも起因している。もっと酷いイジメを受けていても、頑張って耐えている生徒も現存しており、イジメは昔から存在し、学校だけでなく会社や大人の社会にも現存している事から、イジメにも負けない強い意志を磨かせ、イジメた当事者を批判し排除する事が重要ではないか。 もっと大切な事は、命の重要性を教え、死ぬくらいなら何でも出来る意識を植え付ける事が先決ではなかったか。自殺する当日にズボンを下げられた生徒の無念さが我が身のように感じられ、救えなかった教師やイジメた生徒達には、本当に一生をかけて償う意識を持ち続けて欲しいと願う。 平成18年10月16日 |
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安倍首相が5年ぶりに中国を訪問し、胡錦涛国家主席ら中国首脳と会談した。双方の関係改善で一致し、北朝鮮やエネルギー問題などで共通の利益を共有する事でも合意し、両国で会談内容を共同発表にこぎつけた。 小泉首相の靖国参拝問題で冷え切っていた日中関係は、これが改善の第一歩となり、今後も安倍首相の靖国神社に対する不透明な部分は存在するものの、両国の関係改善に期待する経済界にとっても、新たな展開の第一歩となった。 小泉内閣の中心に位置し、自民党の中でも右派と見られる安倍首相だが、こんなに簡単に訪中でき、笑顔で握手する姿が公開されると、小泉首相のこだわりは何だったのかと疑問にもなってくる。 一方で、安倍首相の韓国訪問にあわせたかのように、本日北朝鮮が核実験を断行した事を発表した。日中首脳会談で、北朝鮮の核実験声明を問題として、両国の協力関係を確認し、韓国入りに合わせた実験断行は、朝鮮半島ばかりではなく、世界中に激震となり報道された。 本日早朝のテレビ番組でも、北朝鮮の核実験の有無と今後を専門家が議論していたが、絶対にやるとの論者も、さすがに本日の断行を見通した意見は皆無だった。 本日の朝刊を読むと、安倍首相の中国訪問や、韓国訪問が、10日に告示される衆議院補選の前に実現した事から、安倍政権の安定化を目指す動きとして、野党側の批判をかわすためにも補選前の関係改善が重要だったとの報道があった。 日中が関係改善を発表し、日韓もそれに続けば北朝鮮の立場はどうなるのか。国際的な流れに逆行する北朝鮮の行動を弁護はできないが、安倍首相の外交日程に、10日の衆議院補選告示が関係しているとすれば、今回の訪中や訪韓が北朝鮮の核実験断行に影響がなかったとは言い切れず、内閣としての反省も必要ではないか。 さて、今後はどうなるのか。安倍首相は国連の安全保障会議に訴えると発言しているが、日本として直接北朝鮮と対抗できる外交カードがない事が淋しいかぎりでもある。私の記憶だけでなく、映像として残されているが、日本と北朝鮮の関係改善のために小泉首相が北朝鮮を訪問した筈ではなかったか。この時に安倍首相も同行していた事を忘れないで、北朝鮮への制裁発言ばかりを続けず、北朝鮮との直接交渉も視野にした平和外交を展開する必要性を忘れられては困るのである。 平成18年10月9日 |
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四国八十八ヶ所霊場を4回以上巡拝し、寺院の推薦をもらい、年末に霊場会が主催する善通寺の講習会に参加すると『公認先達』の資格が授与される。 対象に入った事から、本年の目標としてきたが、日程的に無理がある事と、貯まり続ける仕事量から早々に断念した。 しかし、最近になって『身の程知らず』を痛感する心境になってきた。政治活動の転機に、管直人衆議院議員が四国に足を入れ、これに続く議員も存在するが、四国から何を得ようとしても人それぞれであるが、少なくとも『公認先達』として人々を導くには、一番重要な問題が欠落している事を最近になって気づかされた。 重要な問題については、自分自身の内面的な事ゆえに触れないが、少なくとも『公認先達』は個人の自己満足のための資格ではない事である。現実には、生計のために役立てている人も多いが、巡礼に歩く人々の多くは高齢者であり、人生最後の巡礼を意識して「一生に一度」と言って参加される『お遍路』も多いのである。 昨年は参加者の中に倒れて入院する事故が発生したが、数年前にも西国巡礼中に、参拝時間を過ぎて翌日まで門前で足止めを喰らった事もあった。道を間違えて、四国山中をさまよった経験も数え切れない。 さて、昨晩は人に誘われて『お千代保稲荷』に参拝したが、托鉢姿の修行僧が多いのにびっくりすると同時に、疑った視線で聞き耳をたてる当方も人が悪いが、般若心経を正確に読み上げられない修行僧も存在した。こんな事に関心を持って記する事自体が『身の程知らず』でもある。 報道写真家の石川文洋氏は、2月に徳島から四国のお遍路を歩きはじめ、4月に高知、8月に愛媛にたどり着き、今月に満願を迎える予定である。ベトナム戦争の犠牲者や、亡くなった報道カメラマンの鎮魂の旅との事である。 回数や資格に惑わされている反省から、心新たに四国を訪れ、石川氏の満願までに出会いたいと願っている。 平成18年10月1日 |
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飲酒運転による死亡事故が多発し、運転者への責任の厳罰化が叫ばれるだけでなく、飲酒運転への同乗者や、酒を提供した店への厳罰化も各地で条例化されるとの報も伝わってきている。 行政職員への対応も、飲酒による事故だけでなく、飲酒運転や同乗者へも『懲戒免職』など厳しい対応が全国各地から発表されている。 しかし、公職者による飲酒運転は止まるところを知らず、地方公務員や教員が次々と検挙され、挙句には、教育現場のトップである教育長や、取り締まるべき立場にある現職警察官の飲酒運転が報じられている。 そんな中で、朝日新聞甲府総局の記者が飲酒運転で検挙され、21日の代表取締役会で懲戒免職の処分を下したと発表され報道された。 この記者は自身の検挙を上司に報告せず、検挙後にも公人の飲酒運転の記事を書いていたというから、新聞記者としての倫理観を疑うとともに、前記の教育長や警察官と並んで、社会秩序を失墜された責任は極めて重い。 一方で、今回の飲酒運転の摘発が一過性のもので、時間の経過とともに話題にされなくなるとの市民の声も存在する。 現実に、最近になって飲酒運転が急増したのではなく、摘発されなかっただけで、飲酒運転の取締りをこのまま続けていく体制と余裕は警察にない。又、「今まで何十年もの間、飲酒運転で捕まった事がない」からと、飲酒運転を堂々と続けていると言う住民も存在する。 さて、飲酒運転が悪い事は当り前であり、運転手以外の同乗者や提供者への厳罰化も重要であるが、公共交通機関の整備された都会や、タクシーが簡単にひろえる都市は別として、タクシーやバスのない過疎地においては、飲酒運転を止めろと言うだけでなく、飲酒をしても自宅まで帰られる足の確保が急務でもある。それは、飲食店の生活を守ると言う事だけでなく、飲酒による地域のコミュニケーションもなくしてしまうからでもある。 最近のデーターでは、子供達の約4割がテレビゲームで遊び、高齢者の約7割が日常の楽しみにテレビやラジオをあげており、飲酒運転の阻止を考えるだけでなく、同時に地域のコミュニケーションと活性化を考えていかないと、街角から人の気配すらなくなってしまう可能性も含め、総合的な街づくりの対策が急務でもある。 平成18年9月24日 |
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竹中総務相が小泉内閣の終了と同時に、大臣だけでなく参議院議員も辞職する事を表明した事により、野党だけでなく与党の自民党の閣僚経験者からも、無責任との批判が噴出している。 この一報を耳にした時、「何と潔く、清々しい」と思った。小泉首相に請われ、学者から閣僚になり、小泉改革の中心として財政改革や郵政民営化などに尽力した実力は、世間も認めるところでもある。 報道によると、当初より小泉内閣が解散すれば閣僚を去るだけでなく、参議院議員も辞職する意志を持ち、本年1月には小泉首相にも意向を伝えていたとの事でもあり、次期内閣の影響をさけて発表したとある。 元々、政治志向で参議院議員に立候補したとは思えず、閣僚としての責任から義務的に参議院に出馬したのであろう。 しかし、与野党の批判は、竹中氏に投票した70万票を超える有権者の存在から、国民への説明責任が不足している事と、選挙で選ばれたという議員としての責任である。 竹中総務相の議員辞職により、次点であった女子プロレスラーが繰り上げ当選すると発表されており、70万票を超える竹中氏に投票した人々一人ひとりの意志を確認したいところでもある。 このあたりが国会議員と地方議員とに大きな感覚の違いが存在する。70万票とは比較しようもない、数千とか何百票の有権者のために、地方議員は地域での生活の総てに有権者の視線があり、大きな責任感を背負って活動している。 国会議員の視線の先には、国民の存在が忘れられ、週刊誌やテレビなどマスコミへの影響ばかりに気をとられているのではないか。明日の生活が立ち行かない有権者の相談にも苦慮する中で、竹中総務相の潔さには敬意を表するものの、国民への責任について引退前に是非とも語って欲しいと願うものである。 平成18年9月17日 パソコン不調のため、9月10日掲載文が消えたままになっており、見つかりません。パソコンの新調まで解決できない可能性があり、今後も同様な事態が考えられますのでご容赦下さい。申し訳ありません。 平成18年9月17日 |
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8月28日朝日新聞夕刊に掲載された記事の転載です。 横井さんの小さな記念館 28年間もグアム島の密林に潜み、72年に見つかった元日本兵、横井庄一さん(97年に82才で死亡)の記念館が、名古屋市の自宅にできた。館長は、妻の美保子さん(78才)。全国からの見舞金で建てた家だけに「いつか資料館にでもしてお返ししたい」と言っていた故人の夢を引き継いだ。 といっても、玄関横の洋間に洞穴を再現、押入れに手製の機織り機、ヤシの実のおわんなどを並べたこぢんまりした造りだ。通りに目立つ看板ひとつない。 横井さんは母の実家で育てられ、小学校を出てまもなく奉公に出た。召集で中国を経てグアム島に放り込まれた。部隊玉砕後、「捕まれば殺される」と信じて密林にこもった。仲間は死に、8年間一人だった。 帰国第一声は「恥ずかしながら帰って参りました」。半生を棒に振りながら、ろくに恨みも口にしなかった。オイルショックのころで耐乏生活評論家と持ち上げられたこともあったが、すぐ忘れられた。最後に「志を立てて送った人生ではなかった」という言葉を残して亡くなった。 晩年は作陶に熱中し、窯も持った。記念館にも茶わん壷が並べてある。大きな力に振り回された人生に、そんなひとときがあったことが救いに思える。 記念館の開館は日曜だけだし、宣伝もしていないのに全国から客が来る。1日200〜500人という。感想文のノートには、女性の字で「何があってもあきらめない横井さんを見習って生きていきたい」と書いてあった。 <伊藤智章> 平成18年9月3日 |
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毎年訪れる上高地(神河内)に滞在したのは、今年はたったの2日間であった。河童橋から眺めた景色も、365日中の2日分でしかない。 河童橋から梓川を少しだけ上流に歩くと、各地で噴出する湧き水があり、これを手にとって口に含むと水に味があるのである。ペットボトルに詰められた各地の無味なる名水とはまったく違う、本物の自然水である。恥ずかしい本音だが、水が『美味しい』と思えたのは人生で初めての経験でもあった。 上高地を初めて訪れたのは昭和49年だった。ただし、バスセンターに停車した観光バスの中からアルバイトの添乗員として眺めただけで、観光地の売店の記憶しかなく、人々が何の目的で上高地に行くのかさえ関心もなかった。 本格的に上高地に入ったのは翌年になる。新穂高ロープウェイを利用して、西穂高岳から西穂山荘を経由して上高地へ下山した。今にして思えば、過剰なる重装備をして一週間分の食料とテント持参であった。 翌年には松本から列車とバスを乗り継いで上高地に入っている。それから30年以上経過しているが、橋も架け替えられ、ビジターセンターも改築され、訪れる人々の数は圧倒的に多くなった。 しかし、人々が帰り、観光客が寝静まった頃には、日中のカラフルなカラー写真の世界から、白黒の墨絵の世界が展開され、早朝には昭和と変わらぬ白黒の上高地に朝日が差し込んでくる。 30年前に刻んだ落書きがそのまま残り、当時と同じ水音が響き、人々の雑音も打ち消す雄大な自然が展開され続けている。 変わらぬ風景の中で、自分だけが歳を重ねている事を実感する事が多くなった。何億年という単位で語る大自然と、何百年の単位で存在する樹木の中を、数十年の寿命しかない人間が、たった2日間滞在したのである。 雄大というよりも、悠久の大自然の前では、人間はネズミかアブラムシと変わらぬ微々たる存在であり、この大自然の営みの中に、何が残せるのか。 今日も、大自然の舞台が開き、上高地を取り囲む銀嶺の山々を雲が包み、河童橋に朝日が差し込んでいく。同じ時間、同じ大地に生存している事を意識すると、痛んだ胃袋や頭痛も忘れている自分に気付くのである。 平成18年8月27日 |
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先週のこの欄に、隣接する国々との国境境界線の摩擦を記し、「ロシアは北方領土への基盤整備に励みだした」と記したところ、早速に国境線をまたいで操業していた日本人乗組みの漁船が、ロシア艦船に拿捕され銃撃による死亡者が出る事件が発生した。 日本の外務省の政務官に対して、ロシア側の責任者であるサハリン沿岸国境警備局の次長は『遺憾の意』を伝えたと報じられているが、死亡した漁船員は返されたものの、拿捕されている乗組員は依然身柄を拘束されたままである。 日本政府は、死亡した漁船員について、ロシア側の責任者の処分と謝罪を求めるとしているが、日本の漁船がロシアの主張する国境線を越えておれば、領海侵犯を犯した事となり、日本側の思惑どおりにはいきそうもない情勢でもある。 一方で、日本政府は、北方領土を日本固有の領土との主張をせず、早期解決をはかる方針を発表している。 中国との尖閣諸島の境界線、韓国との竹島問題とは矛盾する対応であり、両国に足元を見透かされる可能性の高い幼稚な対応でもある。 平時の記者会見では、タカ派的な強行発言を繰り返している小泉首相や安倍官房長官の見解を発信すべきと思うが、複雑な難問は先送りする日本の政治家の体質を垣間見たような気がするのは自分だけではなさそうだ。 中国や韓国は勿論だが、ロシアに対しても自国の主張は徹底的にすべきではないか。ましてや、ロシアによって領有されている北方領土については、ロシアが日本と不戦の条約を一方的に破り、日本の無条件降伏を宣言した後に侵攻した侵略行為によって不法に略奪された領土でもある。 偶然にして敗戦記念日の直後に起こった事件だが、小泉首相の近隣諸国との外交無策ぶりによって起こされた事件である反省も重要である。 同じ事が中国や韓国によって起こされた場合の対応はどうなるのか。又、逆に日本の領海を侵犯された場合に、ロシアと同じような措置が取られるだろうか。 小泉後継が事実上独走と目される安倍官房長官については、外交において孤立し『裸の王様』と化している小泉首相と同じ轍を踏む事だけは回避すべきと思うが、最近では首相のイスを意識してかタカがトビに変わっており、一貫した外交手法と、諸外国にも一貫した発言を国政を担う国会議員達に求めたい。 平成18年8月20日 |
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終戦(敗戦)記念日を控え、改めて小泉首相の『靖国神社』参拝がクローズアップされ、新聞やテレビの大激論にも発展している。 自民党総裁に出馬した際の公約との事であるが、過去は日程を調整し、8月15日を避けて参拝していたものの、中国や韓国などの反発は止まらない事と、首相任期中では最後の年となった事や、次期総裁候補も安倍官房長官の独走状態となった事から、どうやら本年は15日の参拝になりそうな雰囲気でもある。 「二度と戦争を起こさないとの反省を込めて参拝する」との言葉は、もっともとも思えるが、戦争被害国の感情を害すだけでなく、昭和天皇のA級戦犯合祀への不快発言メモの報道もあり、世論を二分するどころか、最近では参拝への反対意見が増加している。 二度と戦争を起こさない反省なら、戦争被害国の立場に耳を貸すべきであり、戦争被害国に出向いて反省の弁を述べた方が効果的でもある。 一方では、イラクへの自衛隊派遣や、平和憲法の改正論議などから、反省どころか軍事大国への道を歩き始めている感もしないでもない。 竹島や尖閣諸島での隣国との境界線問題は打開する妙案もなく、北方領土の返還交渉も小泉首相在任時に後退し、ロシアは北方領土への基盤整備に励み出した。国連によるイラン制裁が決議されると、国内に入ってくる原油も制限され、資源を持たない我国には大きな打撃となる事は必死である。 こうなると、60数年前の戦争になった状態と非常に似通った雰囲気でもある。又、小泉首相と同じく劇場型選挙で再選された、長野県知事の田中康夫氏も落選した。長野県では、田中知事の功績を「借金を減らしただけ」とも言う人もあるが、国民に多くの公的負担を求め、国の借金を減らした事は長野県と共通であり、それでも根本的に改善されていない事も皮肉にも似かよってみえるのである。 さて、明日は8月15日を迎える。小泉首相の動向に注視したい。 平成18年8月14日 |
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本日の朝日新聞に、「戦争が起きたら国のために戦うか」なる、世界各国と比較した調査結果と記事が掲載されていた。 .94、4パーセントの国民が戦うと答えたベトナムや、89、9パーセントの中国、75、1パーセントのイスラエルに続き、韓国は74、4パーセントと続く。 逆に、日本では、戦争が起きても戦わない人が46、7パーセントを示し、15、6パーセントの人しか戦うとは答えていない。第2次世界大戦で共に戦ったドイツでも、日本と同様に戦う人の比率は低い。それにしてもドイツでも、日本の2倍の人々が戦うと答えている。 データどおりに解釈すると、10億人を超えた中国人の9割が国のために戦う意向を示している事にもなる。人口比で単純に比較すれば、日本に勝ち目はない。 こんな調査結果が報道されても、攻撃を受けた国にミサイルを打ち込むとする発言を続けられるのだろうか。 日本人のほとんどが戦争を好まないのは、侵略戦争を仕掛けた反省か、原爆を落とされた被害者意識なのかは判らないが、ドイツとともに第2次世界大戦の敗戦が大きな原因になっている事は間違いが無い。 韓国、北朝鮮、中国、ロシアと、日本を取り巻く周辺の国々の国民のほとんどが「国のために戦う」との意志を示している中で、1割台の人々しか国のために戦わない国民の示した意識を、次期総理大臣と目される安倍官房長官はどのように解釈するのであろうか。 身勝手な信念であっても、何を発言しても構わないとは思うが、過去の歴史を身勝手に解釈して発言する事については、国民の厳しい批判と監視が重要でもある。 昭和天皇のA級戦犯の靖国神社合祀に不快感メモに続き、当事者となっている東条英機元首相自身がA級戦犯は靖国神社への合祀の対象外となる、戦争末期の秘密文書の存在が明らかになった。 過去の記録や歴史を直視せず、自分勝手な解釈で歴史を曲げて、広く国民に訴える事は、戦争の反省どころか、ドイツのヒットラーの再来でもある。圧倒的な国民の人気に支えられて独走した小泉政権のツケが、国民の公的負担増や市民サービスの低下となって実感されるようになってきた。ここにも、反省は全く見受けられないままに政権が継承されていく現実がある。彼らには「不戦の誓い」が愛国心と考える事も皆無なのであろう。 平成18年8月6日 |
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オーバーワーク(怒りの心境)のため、書き込む余裕がありませんので、今週は留保させて下さい。時間の余裕ができれば書き込みます。申し訳ありません。 平成18年7月30日 |
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靖国神社をはじめ近隣諸外国との摩擦が懸念される小泉首相と、その後継と目される安倍官房長官に反対する勢力が、反小泉・非安倍候補の統一候補として期待していた福田康夫元官房長官が、9月の次期総裁選に立候補しない事を発表した。 もっとも、本人は一度も立候補するとは発言しておらず、立候補しない事を発表する必要もないと発言しているが、先行する安倍氏に対抗できうる唯一の候補者だっただけに、安倍氏が次期総裁に選出される可能性が極めて高くなった。 総理総裁が期待された父親の安倍晋太郎氏が病に倒れ、その息子ゆえに関係者や支持者の期待は大きいと思われるが、発言や主張する内容からは、父親とは程遠い『身の程知らず』の感が強い。 靖国問題や北朝鮮への対応や発言を考えると、このまま首相に就任しても諸外国との関係修復は望めないのではないか。 国民に対する世論調査においては、他の候補者を圧倒的にリードしているものの、対抗できる人材が不足しているだけで、本当に総理総裁に相応しい人物かどうか、今までの経歴と発言だけでは大きな疑問を感ずるものである。 国民の圧倒的支持を得た小泉首相の果たした役割は大きいが、その人気ゆえに独善的に進めた施策の弊害も多く、特に近隣諸国との関係は過去最悪になっているのではないか。アメリカのブッシュ大統領との信頼関係を重視し、アメリカ追随で済ませてきた弊害が任期を残した現在でも露呈しはじめている。 外交問題だけではなく、内政面でも消費税の増税問題や次期参議院選挙など課題も多い。この弊害の改善が安倍官房長官に期待できるのか。いままでの『イケイケ発言』では済まされない政治姿勢が必要と思われる。 さて、「歳を考えて下さい」と、総裁選への道を降りた福田氏であるが、次期首相の短命説から小泉再登板までささやかれる状況下では、最善の選択ではなかったか。 安倍氏と同じ森派だけに、自身の立候補は派閥の分裂を招き、安倍氏優位の状況から、総裁選立候補は最悪の結果を招く可能性も高い。派閥が結束し、森元首相に「派閥の代表に」と言わしめた今回の不出馬宣言は、福田康夫という政治家の存在感と同時に、今後の可能性を残しており、中国の『孫子』や『史記』を熟知したかのような行動ともとれる。まさに、安倍官房長官に不足する能力だけに無にされず活かされる事を願いたい。 平成18年7月23日 |
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北朝鮮ミサイル問題で、日本が米国とともに国連に提出した『制裁決議案』は、中国やロシアによる『決議案』にとって変わられようとしている。 「譲歩しない。このままで決議あるのみ」としていた日本に対して、同一歩調を取ってきた米国までもが、中国の動向に注目し、必ずしも日本の主張とは違う雲行きになってきた。 日本の政府首脳には、国連の中での日本の立場が判っているのかはなはだ疑問が沸いてくるのである。特に安倍官房長官の発言は、日本の立場をわきまえず、中国と対等と思って発言しているのかもしれないが、『拒否権』を行使できる常任理事国の中国とは、国際社会の中では影響力に格段の差がある現実が判っていないのではないか。 おまけに、「攻撃してきた国の基地は攻撃対象となる」などの発言が飛び出し、隣の韓国からも批判を受ける事となったのである。 戦争を放棄し、国土防衛のみである筈の自衛隊が、たとえ攻撃を受けた結果とは言え、相手国へ攻撃できるとの判断を、個人的私見とは言え、国の中核にある政治家が発言して何も問題とはされないのか。 何かおかしい。国会議員の発言は、こんなにも不用意で、災いを増幅する結果になる事が予測できないものなのか。 行政マンの用意した答弁書を国会で棒読みする閣僚が批判された事がある。しかし、これだけ短期間に閣僚の一言一言によって、諸外国が反応し批判される事は異常ではないか。 国民の多くが次の総理大臣に安倍官房長官の名前を挙げている。しかし、最近の発言を聞くかぎり、近隣の諸外国との協調と調和を期待する事は難しそうである。 世界中の批判の的にされている北朝鮮であるが、世界中を相手に自己主張を続けて取引しようとする北朝鮮の政治力は評価すべきで、先走った挙句に蚊帳の外となった日本の政治家は参考にすべきである。又、外務省など外交の専門家の努力を政治家が踏み躙り、国益に反する事態がしばしば起こっている責任も重大である。 さて、後継総理の関心は、小泉首相が参拝するであろう8月15日の靖国神社がキーワードになりつつある。最近では、次期総理の短命説から、小泉再登板までささやかれている。大角福中と経験豊富な政治家がひしめき、諸外国と対等に渡り合えた政治家の一言一言が懐かしく感じるのは自分だけであろうか。 平成18年7月16日 |
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北朝鮮が7発もミサイルを発射したものの、失敗したからの結果では済ませられない日本政府のアメリカ頼みの弱腰外交が表面化している。 結果論だが、このミサイルが日本の国土に着弾していたら、もし仮に、ロシアの住宅地に墜落していたら事態はどうなっていたのであろうか。 日本政府には国土とか領土に対する認識が問われている。まさか、隣の家との境界線でイザコザを避ける住民感覚の延長ではあるまいが、自国の領土に踏み込まれても何ら実力行使もできないくらいなら、微妙な境界線は放棄しても、しっかりとした領地に踏み込んだ外国の不明機や不審船には撃墜や艦砲射撃をする実力行使が必要である。 竹島は韓国に実効支配され、日本の排他的経済水域まで韓国が調査船での調査を始めている。中国との境界線も、中国が勝手にガス開発を実施し、最近では日本固有の領土である尖閣諸島まで調査船を繰り出し、歴史上では中国領との主張を始めている。 北朝鮮の問題にしても、日本政府は国連を通じた対応に力を注いでいるが、中国が持つ『拒否権』で反対したら総てが無になる国連に訴える心境が理解できない。理不尽な対応でも罷り通る国連に、なぜに常任理事国以上の財源を支出し、果たす事も当分は有り得ない常任理事国入りを目指すのか。明らかに国民の理解を得ないばかりか説明不足である。 北朝鮮の拉致被害者にしても、日本の領海での無防備が招いた事件であり、勝手に他国の機関員が侵入し、工作ができる環境は現在も同じである。 「四方を海に囲まれた島国日本の限界」を口にした国会議員が存在する。しかし、これは言い訳にしかならず、同じ条件にあるイギリスでは考えられない発言でもある。 我々の目から見れば、イギリスの植民地政策の遺産としか思えない『フォークランド紛争』では、空母や戦艦を繰り出し、イギリス皇太子が果敢にも最前線で闘っている。国のためには自らの命を賭けて闘うイギリス皇族の誇りが日本の皇族には皆無であり、国会議員にも無い。そう言う私も闘えないが、戦わないのが日本の気質であれば、独自の平和外交が必要となる。 近隣との歪んだ関係が修復できる政治家の出現を期待(できない安倍官房長官なんかとんでもない)し、国の動向を無視した企業の経済活動を許さず、日本の一丸となった外交が展開されなければならない。戦後の復興と成長は、政治と経済の一体感は勿論だが、国民にも意識の共有が存在した。もっとも、皇太子妃の病気静養(庶民であればワガママ病かキチガイ)に外国に出かけなければならないような皇室を見ればそれも不可能と思わざるをえないが。 平成18年7月9日 |
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橋本龍太郎元首相が68歳の若さで死去した。国民に人気の高い政治家でありながら、派閥政治と馴染めぬまっすぐの性格と、財政再建のため導入した消費税の値上げなどにより、参議院選挙大敗の責任をとって辞任し、日本歯科医師連盟から受け取った1億円ヤミ献金問題の責任をとるかたちで昨年政界を引退している。 首相に就任するまでの『橋龍』人気を考えると、首相就任後は散々な政治活動であったように思われる。中央省庁再編をすすめ、財政改革を推進したのは、小泉首相の先駆者であり、沖縄の米軍基地の返還に合意し、北方領土の返還についても当時のエリツィン大統領と前進する外交実績を残している。 しかし、行政改革により、銀行の不良債権問題では大手の銀行破綻を招き、景気を悪化させるとともに、ロッキード事件で有罪判決を受けた佐藤孝行氏を大臣に就任させた事からイメージは悪化し、首相退陣後の平成13年に最大派閥の長として総裁選に臨んだが、小泉首相の引き立て役のようにして敗れ去っている。 本当の橋本龍太郎の本音が聞かれぬまま他界された事が残念である。田中角栄氏の流れをくむ最大会派のトップに君臨したが、自民党の派閥政治をどのように思っていたのか。本来は『一匹狼』の正義感溢れる性分と思われるが、日本歯科連盟のヤミ献金1億円の真意についての舞台裏についても口をつむったままとなってしまったのである。 小泉改革と比較すれば、橋本首相の政策の方向性は小泉首相以上に評価されるべきと思われるが、自民党最大派閥ゆえに負のイメージを背負っての引退を惜しみたい。 歯切れの良い『橋龍節』で、ヤミ献金の真実を語って欲しかった。派閥のトップに君臨した責務から、ツジツマの合わない「覚えていません」との鉄仮面を通したと善意に理解したい。願わくば、残された関係者によって事の真実を明らかにして欲しい。 程度の低い小泉チルドレンや、政治信念を貫けない最近の自民党国会議員の多さから、存在感のある政治家のあまりにも若い静かな他界を惜しみたい。(この欄や本日の一言で、散々ヤミ1億円事件を酷評してきたが、橋本龍太郎氏の正義感から真実を語って欲しいとの期待を持っていた事を記しておきたい) 平成18年7月2日 |
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グアム島で28年ぶりに発見された横井庄一が逝って8年(平成9年9月没)が経過し、昨日は自宅が記念館として開館した。 発見された昭和47年には世界中をびっくりさせた名前も、最近では知らない若者も多くなり、戦争や平和に対する感覚も大いに違ったものになりつつある。人命を疎かにする事件が頻発する中で、記念館の開館初日に寄せられた掲示板への声は心を揺さぶるものがあり、今週はそのままの紹介から何かを感じ取っていただきたい。 ・戦争は悲惨です…戦争はすべての人間の人生を狂わせてしまいます。戦地に向わされた青年の誰が戦争を望んだでしょうか?息子を送り出す母の気持ちはどれほど苦しかったでしょう。 私の祖父も戦争に召集されました。無事帰還しましたが、体中に弾丸や爆弾の金属片によってできた大きな傷があったことを思い出します。 誤った政治・間違った教育・権力者の無能が日本を戦争の道へ導きました。戦争を起こした者の罪を裁くことも大切ですが、二度と戦争を起させない世界を創り上げていくことが私たちの責任です。世界中が“母の笑顔溢れる世界”。それが本当の平和なのではないでしょうか。 何かを始めることは一人からできます!最後になりましたが、記念館開館おめでとうございます。横井さんのメッセージを未来へ伝えていきたいと思います。 一方で『洞窟』の題名での書き込みには、「昨年は次男がイラクへ派遣されました。今ではたった三ヶ月と言えますが、当時の三ヶ月は毎日が胸が張り裂けそうな日々でした。」との書き込みもありました。 自衛隊の派遣は戦争ではなく、平和目的のための派遣であったものの、実際には派遣される隊員の家族の心労から、戦地の緊張感が伝わる言葉です。 記念館が開館してわずか一日にして、多くの来場者と手紙が届けられ、「胸が重くなってきてつらい。自然と涙がだらだらと、ぱたぱた流れてきて自分でもわからなかった。 かわいそうとかそういう簡単な気持ちじゃない。けどどう表現できるのか今の私にはわからないです。だってこれはドラマじゃないんだもの。全員が知らないといけないことです。 今はこんなにも平和なのに、こんなにも凶暴な事件が多発していて、とても恥ずかしい、何やってんだろって思う。」なる一文も届きました。 見切発車の開館でもありましたが、記念館の存在の意味と意義を実感する、大きな人の流れを感じる一日ともなりました。(詳しくは記念館公式HPである『明日への道』の掲示板をご覧いただければ幸いです) 平成18年6月25日 |
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ライブドアや村上ファンドを取材した『ヒルズ黙示録』(朝日新聞社1500円(本体価格)/
2006年04月07日発売四六判上製352ページ)という本が話題に上る事が多い。堀江社長が逮捕され、阪神株をめぐる村上ファンドと村上氏の逮捕に至る騒動が話題になっており、話題性は勿論だが、著者の『大鹿靖明』氏が私と同じ大鹿姓のために語られる事も多いが、肝心な当人の情報については皆無である。 本のPRをそのまま紹介すると、 堀江社長らの逮捕で揺れるとともに、日本社会を揺るがすライブドア。フジテレビとの攻防。村上ファンド、楽天との闘い。日本社会を大きく騒がせた「ライブドア騒動」の裏で、誰がどのように動いていたのか――このテーマに精通するアエラ記者が真相に肉薄する…と記されている。 朝日新聞社の記者として、時代の真っ只中(最前線)で活躍している人物に同じ『大鹿姓』の人物があることに、同じ姓と云うだけの事だが誇りと期待を感じている。 それほど大鹿の姓は珍しく、けっして多い苗字ではない。有名な芸能人やスポーツ選手もなく、社会で語られる話題もまったくない。 しかし、大鹿姓の歴史は古く、いにしえに遡れば、伊勢神宮から天皇家までつながり、その直系の子孫が津島市に存在する。そういった名門に限って、過去の系統を語らず、黙しているために勝手に『本家』や『発祥の地』を語る無知な人物が存在してくる。 古文書にも登場する伊勢の大鹿一族は、現在の鈴鹿市に古墳(大鹿オオガ神社)を残し、その一族が海路で当地に入った事と、系図が残されている。 かつて、朝日新聞社の編集委員を務めた『故大鹿八郎』氏も、父親が医師になるため名古屋に出ているが、優秀な人々は全国に散り張り、時々耳にする事がある。地域特有の苗字ゆえにルーツ探しも容易と思われるが、それも限界が近づいているようだ。 時代の変化の中で、戦前の『隣組』が否定され、同じ一族でも分散し、系図どころか三代前の親族すら知りえない現実がある。さて、隣の韓国では、一族の系図が確実に残されていると聞くが、一族の誇りを忘れないためにも参考にしたい。 平成18年6月18日 |
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東京都の公営住宅で、高校2年生の男子生徒がエレベーターに挟まれて死亡した事件は、全国各地から被害の報告が届けられ、エレベーターの製造元である『シンドラー社』を徹底的に捜索し、トラブルの原因についての解明が急がれている。 今や公共施設や病院、駅やマンションにエレベーターは当り前とされ、障がい者の足の確保のために、交通バリアフリー法やハートビル法でも、バリア解消のためにエレベーターを義務付けており、エレベーターが危険との認識は考えてもいなかっただけに、今回の事件によりエレベーターの安全神話が崩れ去っただけでなく、形式だけの保守点検への警鐘と見直しも急務となった。 今から30年程前には、エレベーターの不調によって、目的のフロアーに行けなかった経験と、ドア―が開かずに人力でこじ開けた経験があるが、最近ではそんな経験も思い出せない程、エレベーターは安全と思われていた。 しかし、身近な市役所でも、2年ほど前に止まったフロア―とエレベーターに段差があり、通報した経験があった。「こんな僅かな事だから…」と、通報を躊躇したくらいだが、今回の事件が公営住宅で起こっただけに、『お役所仕事』との批判も免れない。 死亡事故が起こった住宅では、過去3年間に40件以上のトラブルが発生しており、エレベーターを製造したシンドラー社は勿論だが、保守点検を担当していたメンテナンス会社の責任も大きいし、行政の責任も免れない。 愛知県や東海3県の公営住宅、公共施設でもトラブルがあった事が報告されているが、最近では民間のマンションには必ずエレベーターが設置されており、他社のエレベーターのトラブルについても、徹底的な調査によって事故の後発を防ぎたい。 『お役所仕事』は論外だが、最近は行政の担当していた業務が民間に委託されているケースが多く、先に発生した『耐震強度偽装事件』の反省から、民間委託による手抜きや形式だけの保守についても厳しい対応が求められなければならない。 JR西日本の列車脱線事故や耐震強度偽装事件も、民間の利益至上主義の弊害であるが、行政も安易な民間委託に対する見直しと、住民の生活の安全確保に対する厳しい基準の設定と検査の必要性を痛感する。 平成18年6月11日 |
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明日より津島市議会本会議が開会するため、今週は休ませていただきます。 平成18年6月4日 |
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全国各地の社会保険事務所が、本人の申請がないにもかかわらず、無断で保険料を免除したり、納付に対する猶予を与えていた事が22日に発覚した。 当初は大阪など19保険事務所との報道であったが、その後全国各地に波及しており、その総数については把握が難しいが、真面目に年金を納めている国民にとっては、納得ができない各地の保険事務所の不正免除に、国会で審議中の社会保険庁改革関連法案にも影響は必死であり、厳しい変革が求められている。 国会議員の年金未納問題は政局に大きな影響を与えたが、国民年金の保険料は平成14年から地方自治体である市町村による徴収から社会保険事務所の徴収に切り替わった事から、納付率が6割台に低下している。 2年前には、初めての民間人長官として、損保ジャパン副社長であった村瀬清司氏を登用し、納付率向上を最大目標にしていたが、民間では当り前の目標が達成されないばかりか、数字をごまかして収納率の数字を上げるにとどまらず、未納者に面談することもなく勝手に申請書を偽造して、未納者そのものを減らして収納率を高く報告していた。 徴収する対象者が減れば、収納率の数字が上がる事は当り前だが、それよりも重要な事は、未納者を減らし、徴収する総額を増やす事にある。 民間人を登用し、民間の手法に活路を見出す目論見が、無責任な『お役所仕事』によって、大きなダメージを残す事となったが、民間は数字だけでなく、売上利益が残せなければ支給される給料どころか倒産の危機に陥るが、公務員には倒産の危機感がまったく無い事から、体質的な問題でもある。 さて、この事件は社会保険庁だけの問題ではなく、国の省庁や地方自治体にも反省すべき同質の体質がある事を教訓としたい。 地方自治体においても、健康保険税や各種税金の滞納が膨らみ、地方財政を大きく圧迫しているが、民間では絶対に有り得ない手法が罷り通る。過去数年に及ぶ滞納について、民間では絶対に古い過去分から集金するが、行政は過去を後回しにして現年度分を徴収するのである。 報告を鵜呑みにすれば、「昨年よりは努力しました」と言う事になるが、過去分を残せば必ず未収金になる可能性は高く、税金の未納が行政ではなく、その地に住む住民全体へのサービス低下につながる反社会的行為との認識を確認すべきでもある。 平成18年5月28日 |
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三浦病院は平成2年に埼玉県富士見市に設立され診療をはじめた病院である。病床数101、個室10の規模は大きな病院ではないが、1日に150人の外来患者を迎え、ガンの動脈内注入化学療法を実践し、全国から注目されるガンの先進病院である。 院長の三浦健医師は、東大医学部の出身で、東大医学部やアメリカハーバード大学で研究し、昭和50年から半蔵門病院の外科部長を開業まで勤めたガン治療の第一人者である。 有り難い事に、三浦病院は午前9時から午後5時まで診療を受け付け、待ち時間は10分から60分というから、埼玉県では遠すぎると言う人にも受診は容易である。 さて、三浦医師は診療ポリシーとして、「切除不能の進行ガンであっても見捨てないで、動注化学療法でできるだけの努力をします。手術でガンを取り除いて患者さんの生命が救われることも嬉しいですが、手術できないガンでも薬を使ってどんどん小さくなりますし、著しい延命を得られるということが我々の大きな生き甲斐です」と述べている。 患者に対して、「切除不能のガンでもあきらめないで、抗ガン剤を局所にだけミサイル攻撃で上手に注入してガンを少しでも小さくし、延命を得るように頑張ってほしい」とエールをおくり、よい診療を受けるためには、「納得の得られるまで、遠慮なく何でも医師に質問すること、症状の好転、増悪、体調の変化など、何でも医師に報告すること」を記してある。 平成5年、私の父親が末期ガンと診断された当時、三浦医師は抗がん剤を局所だけ『ミサイル攻撃』する治療法で先進医療の実践者として紹介されていた。 最近ではガン細胞が正常な細胞に比べて熱に弱い弱点を利用して、進行ガンに対して化学療法と併用した温熱療法を実施し、9年間に1千5百を超える実践と明らかな効果を残している。 最近ではガンの告知は当り前となっているが、責任ある治療と説明のできる医師は少なく、「もう手の施しもありません」と無責任に発言する医師も多い。 困った時の神頼みで、効果もない健康食品を高額で買いあさり後悔している人々も多いが、最近では岩盤浴が話題になり、各地で看板があがっているが、効果が期待できるのは秋田県玉川温泉などごく一部の温泉であり、商魂に騙されてはならない。 ガンによる『困った時の神頼み』は、医療機関でなければならない。ただし、希望者が多くて診療も受けられない大学病院では意味がないし、入院が半年待ちと言われては効果どころか命が続かない。「だめだ」と言う前に『三浦病院』の三浦院長を思い出していただきたい。メールでの質問や受付もしているので諦めず訪問して欲しい。 平成18年5月21日 |
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小泉首相による靖国神社参拝により、中国をはじめ近隣諸国との関係が悪化した状態が続いているが、経済同友会は9日、小泉首相の靖国神社参拝に再考を促すことなどを盛り込んだ『今後の日中関係への提言』を発表した。 首相の靖国神社参拝に異議を唱え、民間人を含む戦争犠牲者すべてを慰霊する無宗教の追悼碑を建てるよう国に求める内容である。 又、近隣諸国ばかりか、小泉首相がパートナーとして最優先してきた米国からも、軍事裁判で裁かれたA級戦犯を祭る靖国神社を批判するとともに、この問題によって日本と中国、韓国などの関係が悪化している事の改善を求める意見も報じられている。 この問題で、日本遺族会は11日、都内で幹部会による会合を開き、「首相の参拝は遺族会の悲願なので、粛々と進めて欲しいが、それと並行して、近隣諸国にも気配りと配慮が必要で、理解してもらう事が必要だ」との見解を発表した。 一方で、靖国神社に代わる新たな戦没者追悼施設の設置に反対していく事と、靖国神社からA級戦犯を分祀することについても「政治の宗教への介入であり困難」との意見も発表されている。 しかし、近隣諸国への配慮を求めるのと同時に、靖国神社への参拝を求め、新たな追悼施設に反対し、A級戦犯の分祀にも反対する見解は矛盾するどころか、実現不可能な見解であり、宗教への政治介入は政治家が関わっているからにすぎず、何の解決策にもなりえない内容である事は明らかである。 そもそも、戦没者の中には空襲や戦争の巻き添えになった民間人は含まれておらず、戦争終結時に生き延びて軍事法廷で裁かれた戦争主導者のA級戦犯が、戦没者と呼べるかについても疑問が残るところである。 戦後60年が経過し、日本の侵略戦争によって、近隣諸国の多くの人々を犠牲にした反省が希薄になりつつある。 又、戦後になって、軍幹部の情報操作により、戦争が長引いた事により、日本兵の犠牲者だけでなく、空襲や爆撃により民間人の犠牲者も増幅された事が判明した。 「あと3ヶ月早く戦争が終わっていれば…」との、遺族の言葉が時代とともに風化し、戦争を知らない世代の国会議員によって、平和憲法改正の声が正論のように語られるようになってきた。 尖閣諸島や竹島問題など、近隣諸国との摩擦が懸念され、一触即発の危機にある。現代の日本人に命を張って国を護る気概は期待できないが、過去に体を張って国や家族のためと信じて死んでいった先人達を敬い、堂々と参拝するためにも、国のしっかりとした指針と外交により、靖国問題で平和な社会が後退しないように求めたい。 平成18年5月14日 |
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上記の言葉は、京都化野念仏寺においてあった一枚に記されていた文章である。それぞれに先人の経験あふれる教訓として、熟読する必要を感じるまま、今週の天聖人誤として拝借させていただいた次第である。 平成18年5月7日 |
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先週の23日に投開票された衆議院千葉7区の補欠選挙は、955票差ではあったが26歳の民主党新顔が46歳の自民党候補者に競り勝って当選した。 この結果について、ほとんどのマスコミが小泉首相の影響力低下と、民主党の新しい代表となった小沢代表への期待と分析し、今後の政局まで占っているが、そもそも代表になって2週間の小沢代表の影響で選挙の当落が決定したなどとは思えず、マスコミの深読みと思い違いが存在してはいないか。 又、小泉首相の劇場型選挙の限界がきたと評する論評にも、昨年9月の衆議院選挙と絡める事自体が間違っている。昨年9月の選挙において、小泉首相は『郵政民営化』を争点として、自民党の反対勢力を排除してまで選挙に望み、空白区を埋める手段として落下傘候補者を擁立したのであって、劇場型とは言っても今回の補欠選挙とは全く状況が違っている。 今回の選挙においては、小泉首相はほとんど現地に入っておらず、選挙の敗戦については候補者の選定の遅れと、地元を軽視した候補者選定も大きく影響している。 その上に、選挙を事実上取り仕切った武部幹事長の責任が大きく、選挙戦略そのものが千葉県民を愚弄するような内容でもあった。昨年9月の選挙で選出された小泉チルドレン達も、今回のような選挙によって当選した訳ではない。 今回の選挙においては、国会議員としての認識が疑われるような小泉チルドレンが、選挙とは全く場違いな道化師役として動けば動くほど、真面目に考える千葉県民から自民党候補者の票を減らしていたとは考えられないか。 テレビから放映されてきた映像からは、吉本新喜劇のお笑い芸人と比較してもそれより質の低い国会議員達が、意味もない発言や言動を繰り返し、普通の社会人としての常識も疑うような奇人としか映らなかった。 元来が国政選挙の補欠選挙は自民党が強い。今回は公明党も全力で支援しており、真面目な選挙戦略を取っておれば、負ける筈のない選挙でもあった。 負けた自民党の反省と民主党の更なる努力は重要だが、今回の選挙のみをもって今後の政局まで語られる評論は有権者にとって迷惑なお節介であり、国政においては近隣諸国との厳しい外交問題が現存している事から、竹島問題や北朝鮮との交渉についても、無責任な他人事としての報道ではなく、国の威信をかけた論評をマスコミには期待したい。 平成18年4月30日 |
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小泉内閣も終盤に差しかかってきたが、隣接する近隣諸国との外交に関しては、歴代内閣では最低レベルの評価しかできないのではなかろうか。 韓国と竹島(韓国名・独島)をめぐる領有権争いは、日本側が竹島周辺の海洋調査を中止する事で、一応は収まったものの、断行しておれば艦船への軍事衝突にも発展した可能性が高く、中止はしたものの、韓国の実効支配は続き、日本も領有権を放棄する考えが無い事から、早晩同様の問題に発展する可能性も高い。 しかし、両国の国民性の違いには驚きでもある。今回の報道でも、日本のマスコミが衝突を回避するために中立な論評を続けたのに対して、韓国からは厳しい日本批判と同時に、韓国国民による日本の国旗や小泉首相の写真を燃やす過激な報道が伝わってきた。 国際法上では日本側の領有権に利があると言われるが、韓国は日本による植民地化による領有と主張しており、どちらが正論かは判らない。ただし、正論がそのまま通用しない事は、日本固有の領土である北方領土をロシアが占有している事からも明らかで、事実上実効支配している韓国の有利は揺るがせない。 又、韓国やロシアにとどまらず、中国からも尖閣諸島への領有権を主張する声があり、日中境界線を越えたガス田開発を強行して建設し、更に日本側への干渉を強めている。 これだけ近隣諸国にやりたい放題にされる日本の外交は、弱腰とか平和主義と言い訳をしても済まない問題でもある。小泉内閣の外交意欲は皆無と言わざるを得ない。 北朝鮮との国交回復を目指して、突如飛行機に乗り込み、金正日総書記と会談した小泉首相の行動力は、単なるパフォーマンスでしかなかったのか。日本人の拉致事件を認めさせたものの、その後の進展には至らず、韓国でも拉致被害者が国会で取り上げられ、両国共通の問題として解決すべき気運となり期待もされていたが、今回の竹島周辺の海洋調査問題により両国関係は敵対関係へと一変してしまった。 日本の領土は陸地面積こそ少ないが、海洋の面積を含めると世界6位の大国でもある。大局に立った隣国との境界線の設定が急務であり、個別の案件で対立するよりも相互利用を考えるべきではないだろうか。 安易な境界線設定は漁業権も関係してくるが、日本の漁船には日本人ではなく外国人が乗り込んでいる現状を考えると、境界線周辺だけにとらわれない外交が必要でもある。最近の報道では、日本の技術によって建設が進む台湾の新幹線に、運行技術はフランス人の手を借りると報じられている。ちぐはぐな外交の典型でもあり、近隣諸国への強いリーダーシップを回復させ、信頼される日本を実現できる適任者を後継に選出してもらいたい。 平成18年4月23日 |
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民主党永田議員による偽メール事件は、自らの議員辞職と民主党の前原代表の辞任により、小沢新代表を選出した事で終止符が打たれ、今や政局は千葉7区での補欠選挙に関心が移ってしまっている。 しかし、予定されていた証人喚問も中止され、事の真相は全て藪の中に葬られたままでの終結は、国民の存在を無視した国会議員の身勝手な判断である事を指摘する声は極めて少ない。 国民の生活に直結する重要な案件の審議が疎かにされ、医療や年金など多くの制度改正が4月から実施されているが、直前に控えた国会でおこった『偽メール』事件は、追及されれば支持率を下げる可能性が高かった自民党小泉首相を救い、イメージの低下していた民主党にとっても小沢新代表の選出で息を吹き返す結果となり、結局は4月から国民の公的自己負担だけが高くなったのである。 肝心な偽メールは何のために提供され、何を目標にしていたのか判らず、偽物とされたメールの真意さえ判らないままである。 このメールを偽物として考えるとき、目標はライブドアにあったのか、自民党にあったのかさえ判らず、考え方を代えれば民主党の信用低下すら目標と考える事も可能である。 ただし、もっと重要な事は、提供者の氏名の公表を頑なに拒んでいた永田議員や民主党が、いとも簡単に提供者の名前を発表し、本人の確認もしないまま偽メールとして幕引きを図っている事にある。 この問題から、国会で証人喚問される事によって、民主党にも金の授受に不適切な処理があった可能性と、自民党にとっても、ライブドア堀江被告との関係を早期に葬りたい意図を感じさせられるが、この事件の問題はもっと別のところにある事を忘れてはならない。 この事件の顛末を見る限り、情報提供者の秘匿が全く図られていない。議員は勿論であるが、新聞や報道機関にとって情報提供者の存在は極めて重要であり、提供された情報の真偽は自らが判断すべきであり、仮に偽物であったとしても提供者の氏名の公表は絶対に避けるべきであり、情報の利用はあくまでも自己責任である事が忘れられている。 情報提供者の秘匿が国会で図られなかった事実は、地方議会にも波及し、市民と議員との間の情報提供にも間違いなく影響する悪例となった事への反省と改善を求めたい。 平成18年4月16日 |
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競馬の人気は高く、競輪や競艇などのギャンブルと違って大衆に浸透してきたが、地方競馬の衰退は厳しく閉鎖される競馬場も相次いでいる。 その中にあっても中央競馬の人気は高く、今や高校生や中学生までもが競走馬や騎手の名前を覚えているのは驚きでもある。 本日の新聞(朝日新聞日曜版)から、サラブレッドの血統書の起源は約300年前の1791年に初めて作られた事を知った次第である。さらに、世界中にいるサラブレッドの父系の血を遡ると、すべてが3頭の馬(始祖)にたどりつくと言う。 日本初の『無敗の3冠馬』となったシンボリルドルフからたどると、父から23代目に始祖のバイアリータークになるという。 さらに驚く事は、世界中すべてのサラブレッドの血統と戦績が保存されていると言うのである。近代競馬発祥の地イギリスに、海外から集められた約200頭の種牡馬から、成績優秀な馬だけを残した結果、そこまで絞られたという。 さらに優秀な馬を生産するためにやっきとなるものの、サラブレッドの種牡馬は年間200頭以上の父親となるものの、牝馬は一年に1頭しか産めないため相手の選定は重要となり、最近では子供が活躍するサンデーサイレンスの血統が増えているという。最高に早く走る競走馬は、最高の血統を持つ父親によってつくられていくのである。 人間社会に置き換えると、最高の体力を持った父親や、最高の知能を持ち合わせた父親ばかりの血を子孫に受け継がせれば、オリンピック記録も大幅に更新され、科学技術も格段に進歩する事は間違いなく、国の政策で実施すればとんでもなく優秀な子孫ばかりの国になる事も確実である。 そうなると凡人の私などは父親失格であるが、明らかに異常性を持つ親を持つ子供に、親と同じ異常性が遺伝する確率が高い事から、凶悪な犯罪人や精神異常者の淘汰も可能である事をサラブレッドが実証しているのである。 最近はあまり気にしなくなったが、結婚の際の『聞き合わせ』なる身辺調査も、人間の経験と歴史の中で極めて重要であった事を改めて認識させられた。ある資料によると、親が離婚している子供の離婚率は極めて高く、犯罪人を親に持つ子供の犯罪率も極めて高い。 現代社会では離婚に対する罪悪感が希薄になっているが、離婚する確率が高い相手と結婚したい人間はいない。又、離婚による家庭生活への弊害は明らかで、地域社会にも影響を及ぼしている。 子供の行動から我が身を反省する中で、人間が長い歴史の中で築いてきた伝統や、慣習の重要性を競走馬のサラブレッドから教えられたような気がしてならない。 平成18年4月9日 |
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偽メールによる国会の混乱は、民主党の前原代表や執行部の辞任から、当事者の永田議員の辞職が発表された。 悪意によって提供された偽メールとは言え、見せられた内容は無視できる内容ではなく、このメールを引用したからと言って、何故にこれほど大きな問題となり、議員まで辞職する必要があったのかを考えてみたい。 メールに記された内容を確認し質問する事に問題はなく違法性もない。むしろメールの内容を見た上で質問しない事のほうが議員としては問題ではある。情報の提供者を秘匿する事も間違いとは思えない。 すべての国会審議を超越した問題に発展した理由は、質問を逸脱して偽メールの内容から自民党の武部幹事長と家族に選挙による金銭の授受があったと決め付けた事にある。 金銭の授受を決め付けただけでなく、全国に放映されるテレビの前で『悪の枢軸』と発言するなど、質問を飛び越えた発言が大きな問題に発展した原因でもある。 さて、メールが偽物と判明した後の言動にも問題があるが、これには民主党の対応に大きな問題があり、永田議員に偽メールと無理矢理納得させ、議員辞職を口にした永田議員を無理矢理引き止め、内部調査も満足にせず、事実確認も自民党議員に出し抜かれていた。 結果論だが、永田議員の単独行動ではなく、野田国対委員長も報告を受けていた事や、証拠もなく前原代表が証拠の存在を発言するなど、ウソで固めた対応が傷口を広めていった。 偽メールも使いようによっては、「こんな事実は無かったか」程度の材料にとどめておれば、世間の勝手な憶測も呼び、国会では自民党が守勢になっていた筈である。 事件後に議員辞職を口にした永田議員を党の責任で引き止め、その後党内外の批判から党籍から除名し、止めさせないと発言していたにもかかわらず、結果的には政治生命まで断ち切る形で辞職に追いやったのである。 民主党には、国政を担うどころか責任ある公党としての責任感も持ち合わせていない。新たに国対委員長になった渡部恒三氏については、自分が民主党の党員である自覚もなく、過去の思い出に浸った昔話を繰り返し、現役国会議員としての責任感も希薄である。 優秀な頭脳と経歴を持ち合わせた永田議員ではあるが、党員を守れない民主党に在籍した事から政治生命を風前の灯火にしたと言える。国会審議を個人的私用で欠席しても問題にされない自民党の杉浦大蔵議員と比べれば明らかである。 平成18年4月2日 |
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富山県射水市の市民病院で、外科部長によって終末期の患者7名が人工呼吸器を外された事により死亡した事件が報道され、行為の正当性が問われている。 7名の患者は、いずれも末期がんなどの患者で、治療しても回復の見込みがなく、医師は家族の同意を得て人工呼吸器を外したと説明しているが、はっきりとした同意書は取り付けておらず、家族への説明の有無や本人の意志の確認、医師の行為に違法性は無かったかを病院関係者や富山県警が聴取をはじめている。 過去の判例では、人口呼吸器の取り外しによって、殺人罪で有罪が確定した事例もあり、カルテに記された記録から、本人の意志確認や家族の同意などの有無の有効性が大きな問題となってくる。 報道されてくる外科部長の人柄や、患者からの評判などからは、治療しても回復する見込みのない患者への苦しみを取り去る延命治療の中止と思われ、善意からの措置とは思われるが、扱いによっては名医を葬り去る結果にもなりかねない。 最近では容認されつつある延命措置の放棄も、延命を中止する基準に明確な基準が定まっている訳ではなく、日本では安楽死が法的には認められてはいない事から、この際に国による明確な基準や指針づくりも必要である。 しかし、末期がんなどの治療に対する医師や病院の判断には大きな較差が現存し、回復の見込みの無いと判断された患者であっても、積極的な治療を望んで全国の名医や病院を訪ねた結果から回復しているケースもある。また、人工呼吸器を装着して数年の延命を図った患者も存在し、軽率な延命中止にも問題が生じてくる。 家族の立場とすれば、末期がんで治癒の見込みが無いと医師が宣告すれば、日々弱っていく家族に苦痛となる延命措置は避けたいであろうが、延命措置を取らずに家族が亡くなれば、間違いなく後悔の念にもかられるのである。 最高の医療機関と名医に巡り合う患者もあれば、医療レベルの低い病院や経験不足の医師を担当医とする患者もあり、一律の基準を当てはめる事にも無理があり、本人の意志が確認できなくとも、死が確実視される患者にも『尊厳死』を選択できる権利は欲しい気もするのである。 医師の最善の処置であった事を望みたいし、尊厳死や延命措置の議論から、患者に信頼され評価の高い医師が、医療現場から姿を消し去る事態だけは避けたいものである。超高齢化社会を迎え、今後益々増加する問題と思われるだけに、国の確実な基準を確定するとともに、病院としてのルール作りも急務と思われる。 平成18年3月27日 |
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地元の小学校で開催された卒業式に来賓として列席した。素直で、すがすがしい卒業式であったが、二週間後には中学校の入学式が待っている。 現在、津島市内で『不登校』として長期にわたって学校を休んでいる生徒は60人を上回ると報告されている。一部ではあるが、白昼堂々と街中でたむろする中学生が目撃され、警察の補導や指導を受ける生徒も少なくない。 本日の卒業生も半月後には中学生となり、この中の生徒にも対象となる生徒が出現する現実を、送り出す小学校の教師はどのように考えているのだろうか。 卒業式も様変わりし、最近は両親の参加が多く、ほとんどの親がカメラやビデオを手にしており、生徒の動きに合わせてレンズを走らせ、親達は立ち上がっての撮影である。 我々の子供時代には卒業式に両親が出席する事は珍しく、カメラを手にする親もほとんど無かったが、これを教育熱心として認識していいのか、地域から伝わってくる中学生の行動からは疑問になってくる。 わずか1時間程度の卒業式であるが、自身の子供時代は別としても、来賓として卒業式に出席するようになった20年前から現在を比較すると、明らかな違いが見受けられ、中学校での指導に苦労する前兆を感じるものである。 個性を重んじる時代ではあるが、両親ともどもが頭髪を染め、服装についても芸能人かと思われるような姿も見受けられるようになった。自由を謳歌するのは結構だが、親の姿を見ただけで声をかける事を躊躇したくなってくる。 自由な服装や髪型が許された小学校から、決められた学生服に頭髪の長さまで厳しく指導する中学校での生活はギャップも大きい。中学生の多くが携帯電話を所有し、最新情報を入手する時代にあって、指導する教員の限界は明らかである。 両親の共稼ぎが多い中で、非行や不登校に陥った生徒を救うべき家庭が様変わりし、教師が語りかけるべき両親も個性的であれば対象となる生徒を救うのは誰か。自身の家庭での子供に対する教育の失敗を反省もしているが、本日の卒業式で目撃した卒業生の小さな個性と、奇抜な親の存在から送られた生徒を指導する中学校の教育が心配であり、門扉が閉ざされ地域と情報が遮断されている中学校の改革も急務である。 平成18年3月20日 |
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大相撲大阪場所が開幕したが、新聞紙面の扱いは少なく、相撲が始まった事すら知らない人も多そうである。 その初日の全取組みで一番感動した取組みは、昇進をかけた大関栃東や関脇白鵬でも、優勝候補の朝青龍でもなく、大関琴欧州の一番であった。場所前に右足の靭帯を損傷したために、右ひざに頑丈なサポーターを付けて土俵に上がり、満足に四股も踏めない状況下で、対戦相手の玉ノ島と闘い白星をあげた。 場所前に休場を薦める関係者に、「大関の責任を果たしたい」との本人の強い意志で出場に踏み切ったとの事であるが、明日からの14日間が心配な状況にある。 さて、大関琴欧州は相撲界では一番の人気力士になっているが、その原点は名大関だった『貴之花』と重なっているのである。右足をひきずり痛みに耐えて土俵に上がる姿は、まさしく貴之花の再来であり、日本人力士以上に日本人らしい心を持ち合わせている。 淋しい事には、本日の朝刊に元大関貴ノ浪の音羽山親方が1月から入院していた記事が掲載されていた。一時は心臓が停止したとの事で、手術によって現在は容体も安定しているとの事であるが、心臓病だけに予断を許せない状況にある。 育ての親である二子山親方も昨年50代の若さで他界しているが、貴ノ浪は34歳の若さであり、孤立無援の貴之花親方のためにも元気に回復し、部屋の親方として後進の指導にあたってほしいと強く祈りたい。 一時は、土俵の鬼と言われた兄である横綱若之花の二子山部屋と、息子の若之花と貴之花をかかえた藤島部屋によって、花田一族で大相撲の一大人気を支えていたが、兄の二子山理事長の引退後は、横綱である二人の息子の確執と、夫婦の離婚によって相撲部屋だけでなく家庭も崩壊し、親方の死後は一族の結束も崩れ去ったままとなっている。 一度傾いた経営を立て直す事は、新たに始める事業より難しく、貴之花部屋の再建には強い力士の育成も伴わないとならない事から、年上で親の育てた貴ノ浪の存在も重要であり、すべての苦境を乗り越えて貴之花部屋復活を祈りたい。 そのためには、兄弟の確執を取り去り、一族の結束が一番重要である事は、相撲界を引退した兄の花田勝氏が一番感じているのではないか。イメージが悪化した親の死後から、兄の姿はマスコミやテレビ番組から消えてしまっている。淋しい現実を、本日の琴欧州の取組みから思い出さずにはいられなかった。 平成18年3月12日 |
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家庭生活の平和と安心は、永遠に保障されたものではなく、時として突然に崩壊の危機を迎える事は他人事ではない認識が必要である。 学校を卒業し、大企業に就職し、定年まで安定したサラリーマン生活を送り、定年後は夫婦で悠々自適の生活をする。このシナリオが最近では崩れ去り、事故やリストラ、離婚など、計画的な家庭生活をおくる事すら難しい時代になりつつある。 子供に大金をかけて大学まで進学させ、有名企業への就職や子供の自由な選択により、親元を離れた生活が当り前とされてきたが、一度離れた親子が一緒の家庭で生活できる可能性は極めて低く、多くの老人夫婦だけの所帯や独居老人が増えて、地方自治体へ生活相談に訪れる件数は増加の一途をたどっている。 親の生活は子供達がみる義務を負わせる法律の制定すら必要な世の中になりつつある。子供の養育には保護者に責任があるように、高齢者となった親の生活にも子供に責任を負わせる必要があるのではないか。 公的負担が増え、公的支援が低下している今こそ、親子の関係や家庭の責任について真剣な議論が必要であり、この次元の話となると女性天皇の容認などより優先すべき国の重要課題であると言うべきかもしれないのである。 結婚し、子供が生まれ、新居を購入し、順風漫歩の生活にも突然の不幸が起こる。収入源の夫の死もあれば、1人しかいない子供を亡くす家庭もある。嫁いだ娘が離婚によって孫を引き連れて出戻ってくるケースもある。 どこにでも落とし穴があり、突然の事故や難病によって、働く事もできず収入もない生活にさらされる家庭も存在する。 かつては大きな屋敷や財産を持ち、世間から税金を取られても当り前と思われていた田舎の農家も悲鳴を上げている。高齢になり手付かずの農地が宅地並みに課税され、年金額は同じでも資産がある事により公的負担も多い。 「明日からの生活が成り立たない」と叫んでも、生活保護の前に「全財産を処分して下さい」との冷酷な言葉がかえってくる。真面目にコツコツと蓄財し、残した資産に首を絞められると、浪費した無一文の方が賢く思われてくる。こんな事は異常である。世の中の変化に合わせ、国や地方自治体の対応も迅速に変化する必要性に迫られている。 平成18年3月5日 |
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民主党永田議員による『送金メール』問題は、当初の威勢よく自民党を質問する姿から、大きな政治問題となる様相を見せ始めたももの、肝心のメールの出所が明らかにされず、最後は小泉首相から『ガセネタ』と言われ、当事者の永田議員の入院により幕引きとなりつつある。 当初の展開では、ライブドアの堀江氏から自民党武部幹事長に3千万円が送金された事実を追及する材料に使われたメールであるが、追求された自民党や武部幹事長の対応にも問題があった事から、メールが偽物とされた現在でも、選挙と金の動きに世間の注目と疑念を残したままとなっており、不正に対する検証と無実の証明は必要である。 偽物メールに記されたデタラメの内容に基づいた質問は、国会を一週間空転させており、自民党と民主党の国会運営をめぐる戦術上での納得では済まされない問題でもある。 さて、今回の事件では、追求された自民党や武部幹事長だけでなく、拘置所に収容されているライブドアの堀江氏も当事者として名前が挙がっており、国政の内輪の納得だけでなく、堀江氏の名誉も回復する必要があり、そのためにはメールの提供者に悪意があれば追求する必要性があるのではないか。 「メールは偽物であっても、国民の疑念ははらしていかなければならない」との、民主党前原代表の発言は、民主党の偽メールによって作られた国民の疑念との認識と反省は皆無で、今回の偽メール事件の責任をまったく感じておらず、その事を放任する民主党幹部や議員たちにもおおきな責任がある事は間違いがない。 「情報提供者の秘匿」を口実に、提供者の公表を差し控えた永田議員だが、提供されたメールによって自身の議員辞職まで論議される中では、公表して事の真意を正す必要がある。 このままでは政治に対する国民の不信感を増幅し、辞任を決意し発表しようとした永田議員を引き止め入院させる事では国民の支持は得られない。 又、辞任に対する認識に一般社会には馴染めない政界の非常識をあらためて見せつけた。取材に対して永田議員は、責任を取って辞職すると答えたが、「次回の選挙には立候補する」と答えており、こんな顛末は政治家だけにまかり通る常識で、自分から反省して任期半ばで辞職する者に次回の出馬は非常識でもある。 偽物メールの登場は、国会を混乱させただけではなく、政界の対応の不可思議さと政界の非常識も国民に見せつけ、政治不信を増幅させた責任は極めて重いものがある。 平成18年2月26日 |
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『複製・転載・模倣は固くお断りします』 出版物の最終ページに記されている複写を禁ずる出版社の文面であるが、最近では高度な複写機の登場やデジタルカメラの普及により、著作者の権利がなおざりにされている場合が多い。 著作権の定義についてここではふれないが、著作権は著作物を創作した時点で自動的に発生し、著作者の死後50年まで保護されるのが原則となっている。 さて、この著作権法の中でも法律によって認められた図書館(大学図書館や公共団体の図書館など)には複写が認められている。 ただし、無条件での複写が認められている訳ではなく、調査研究の目的のためには公表された著作物の一部分を一人につき一部複製する事ができるとされている。また、小中学校や高校の図書室や公民館での図書の複写は認められていない。 しかし、現実には公立図書館の多くは、複写内容や枚数についても確認する事無く、利用者の使い勝手がまかり通っている現状が放置されている。 又、出版社がリスクを背負って出版した著作物が、図書館に置かれたために複写され放題で、明らかに著作者や出版社の利益を損ねる場合には、著作権者は民亊上で損害賠償請求も可能ではある。 一般では、著作権者の承諾を得ないで無断活用をすれば、著作権侵害にあたり、侵害があれば著作権者は侵害行為の差止請求、損害賠償、不当利益の返還請求などができ、罰則では、被害者が告訴すれば、5年以下の懲役、又は500万円以下の罰金となっている。 全国の地図を専門に出版している『株式会社ゼンリン』では、発行する地図の全部又は一部を複製する事も認めておらず、許可無くコピーして利用する事は図書館といえども許されるものではない。一口に地図と簡単に見られがちだが、全国の一軒一軒を歩いて調査集積した知的財産である。この地図が何故に図書館に必要なのかも疑問であるが、実態は利用者の無断活用を助長しているのである。 さて、個人的な事ではあるが昭和末期に発行していた『ふるさとアサヒ』の記事が、無断で活用されていた事が判明している。広く全世帯を目標に発行したものであるが、他人が勝手に活用されると不愉快であり、最近のインターネットの普及により他人の情報を断り無く無断活用される事にも一定のルールは必要でもある。 平成18年2月19日 |
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秋篠宮紀子さまのご懐妊が報道され、政府の動向に注目が集まっていたが、『女系・女性天皇』を容認する有識者会議の報告に基づき、それまで強行に国会へ皇室典範改正案を提出し早期の決着を図りたいと語っていた小泉首相もついに断念せざるをえなくなった。 まさに、絶妙のタイミングでの懐妊報道と言うよりも、偶然とはいえない悠久の歴史による大きな力を感じた人々も多い。 そもそも、皇室典範について国が関与するようになったのは明治以降の事であり、ましてや天皇の継承について首相の選んだ私的な『有識者会議』の決定が、あたかも最優先するかのように思っている国会議員達に驕りがあったのではないか。 三笠宮寛仁殿下の『男系天皇の歴史の重みと継続できる方策』の寄稿文に対して、有識者会議の古川座長は皇族の政治発言を批判し、「皇族の意見聴取は念頭にない」と表明し、論議には影響ないと切り捨てる発言をした。 これこそ当事者である皇室や皇族を無視した発言であり、天皇家と言えども伴侶を選ぶ権利は有しており、男系天皇の血脈を有する子孫も多い事から、廃止された旧宮家や皇族からの縁組も可能であり、短期間で『女系・女性天皇容認』だけでなく、「男女に関係なく第一子を天皇」などと馬鹿げた報告書を提出した有識者会議のメンバーひとり一人の真意を問い質したい。 懐妊報道の前には、国会の党派を越えて改正案提出に反対する議員が増加し、首相の側近からも同調する動きがあった事から、大きな政治問題として浮上するなか、流れに反して強硬に議案提出に固執する小泉首相の動向が注目されていたが、今回の懐妊報道によってしばらくは沈静化し、出産予定日が9月である事から、議論は第3子誕生後に持ち越され、男子誕生を心待ちにしたいものである。 しかし、懐妊報道後のマスコミの取材にも目にあまるものがある。「あなたは男系天皇派ですか、女性天皇派ですか」と街角で一般市民に取材したり、「皇太子の愛子さまが可愛そう」とか、評論家まで英国の女王の例をだした発言などをしている。 一方では、本日のテレビ番組で自民党政調会長から「有識者会議の報告書にこだわらず男系維持も含め幅広く議論する」との発言が報じられてきた。2千6百年続く血脈と、日本の伝統と文化の根源にかかわる問題だけに、無見識な通行人の声を拾ったり多数決ではなく、崇高な議論を重ねた結論を導きだしたいものである。 平成18年2月12日 |
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東横インホテルグループの違法改造問題が発覚したが、バリアフリーが叫ばれる世の中ではあるが、ハートビル法や自治体『街並』条例等に違反する事への認識が希薄であった。また、改造がこれほど大きな問題になるとの思いはなかったのではないだろうか。 私の個人的私見は弁護になってしまうが、会員になっていたワシントンホテルグループの割安感とサービスが低下する中で、東横インの躍進は心強い存在でもあった。 数年前には全国に45店しか無かった東横インが、現在128店になり、19年には39店が新規オープンの予定である。とにかく自由な日程で旅行を考える者にとって、『闇の夜道の松明』のような存在であり、何と言っても割安である。 『40ドルから50ドル(約5千円)で泊まれるホテル』を旗印にしており、スーパーの薄利多売と同じような考えが今回の事件につながったと思われる。老舗の一流ホテルと比較したような評論家の論評は酷なものがある。 言い方を変えれば、山小屋にバリアフリーを当てはめる事には無理があり、東横インに総てを期待する事が過大評価でもある。 ただし、バリアフリーやハートビル法の根底には、車イスを必要とする人から高齢者や妊婦に至るまで、総ての人々が誰一人として不自由を感じない世の中を目指しており、今回の事件は急成長著しい東横イングループだけの問題ではない。 3年前の事だが、「上高地に行こう」と盛り上がった仲間に、複数の車イスユーザーが存在したため、上高地行きを考えてみたが、現地のホテルのほとんどがバリアフリーになっておらず、設置が義務付けられた新築ホテルの車イス用スロープが改造され、土産物が陳列されていた。 もっとも、環境に配慮されたマイカー規制だけでなく、公共交通機関を利用した障がい者の上高地行きは金持ちは別として、普通の人々には大きなカベが存在する。 自由に行きたい所に行けない現実をバリアとして認識し、総ての施設や交通機関も真剣な検討と改善を必要としており、今後は努力義務として放置してある既存の施設や建物にもバリアフリーの改善を求めるべきでもある。 数年前にハンセン病の元患者への宿泊を断ったホテルがあった。法は法だが、ホテルにも客を選ぶ自由もあるのである。マスコミの身勝手な批判に迎合して謝罪するのであれば、いっそのこと「ウチは来て欲しくない」と正直に言うべきであろう。今回の事件を良薬にして、創業の精神を忘れずに改善を図って欲しい。 平成18年2月5日 |
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マスコミの報道によって、世の中の関心が耐震強度偽装事件からライブドアの堀江貴文氏の証券取締法違反への関与に移り、米国産牛肉の不正輸入問題も発覚するなど事件が目白押しの中で、国の名誉と国益に反する重大事件であるヤマハ発動機による中国への無人ヘリコプター不正輸出未遂事件が起こっている。 事件が発覚した当初の一週間前には、「違法性の認識はなかった」と大坪社長が記者会見で語っていたが、その後の調べで平成15年11月に、輸出が禁止されていた高性能モデルの無人ヘリコプターを、軍事利用される事を認識しながら、中国人民解放軍が運営する企業に不正輸出していた事が警察当局の調べから発覚した。 警察当局から伝わる情報では、平成13年から9機を輸出し、少なくとも1機は人民解放軍の偵察用に使用されており、人民解放軍と関係する中国企業のホームページの中でも、該当する無人ヘリが軍の施設内を航行する様子が紹介されているという。 高性能GPSとカメラを備え、偵察や生物化学兵器の運搬にも利用できるヘリコプターとの事であるが、東シナ海の油田開発を巡り国境の線引きが問題となっており、尖閣諸島を自国の領土と領有権を主張され、原子力潜水艦の意図的な領海侵犯などを繰り返している中国への、軍事機密に関係する違法行為だけに厳しい取り調べと『国家反逆罪』としての厳罰が必要と思われる事件である。 当初のヤマハ発動機の説明では、映画撮影やコマーシャル撮影に使う目的との事であったが、堂々と人民解放軍の手にわたり、中国企業からヤマハ発動機に年間数千万円のリベートが支払われていた事も新たに判明した。このリベートの額は5年前から続き、中国企業が慣例的に支払う金額の10倍以上との事からも、事件の重大性と同時に『売国奴』としてのヤマハ発動機の企業体質と、社会的責任が問われなければならない。 警察当局は「軍事転用される事を承知の上での輸出」とみて捜査を進めているが、ライブドアの責任以上に国を裏切る今回の事件に注目すべきでもある。 堀江氏と同質の事件では、西武鉄道の堤義明氏が財界をはじめ多くの著名人の減刑を求める嘆願書によって拘置所を保釈されたが、堀江氏には厳刑を叫びながら、今回の国を裏切るヤマハ発動機の責任をあいまいにしてはならない。ちなみにヤマハ発動機は、経団連トップの奥田会長を筆頭とするトヨタグループに属する基幹企業だけに、今後の捜査当局や国の対応が気になるところでもある。 平成18年1月29日 |
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平成7年1月17日午前5時46分頃、淡路島を震源とするマグニチュード7.3、震度6の大地震が阪神淡路地域を襲った。地震の1ヵ月後に発表された死者数は5千378人(行方不明者2人)で、倒壊した家屋は15万9千544棟と報告され、死者数についてはその後最終的には6千427名に達している。 11年前に起こった阪神大震災は『防災元年』として、その後の自治体の防災対策や住民の対応についても教訓として生かされてきた筈であったが、それをあざ笑うかのように『耐震強度偽装事件』が行なわれていたのである。 全国各地で実施された防災訓練や、多くの国民を対象として開催された防災教育や、多くの税金を投入した人材養成は何だったのか。 人の命を弄んだこの事件について、責任は誰にあり、何処が責任を取るつもりなのか。耐震強度偽装事件の一番の責任、と言うよりも誰が発端で始まったのかを検証し、厳しい処罰の適用が必要である。 姉歯設計士か、コンサルタント総建の内河所長か、建築した木村建設、フューザーの小嶋社長の関与については事の真実を明らかにすべきである。 一方で、政治家の関与についても、明らかな関係が指摘されており、現状のまま疑惑を残したままにせず、正確な真相究明が必要である。 不思議な事は、明らかに人による意図的な犯罪であるにもかかわらず、国土交通省が被害者であるマンション住民に対して、国の税金を投入する事を表明し、お節介にも地方自治体にもおよそ半分の負担を求めた事にある。 被害者に責任はないものの、事件の全容と責任が定かでない初期段階において、なぜ国の税金を投入すると発表したのか理解に苦しむ。予測できない事件としても、マンション販売会社と入居者の個人的契約に対して、税金による公的支援の必要があるのだろうか。 こうなると他の不良建物を購入させられた人々にも救済が必要となり、火事で家を無くした人々からも支援を期待する声があがりそうである。冒頭の阪神大震災でも前記した15万棟以上の建物が崩壊しており、一昨年の新潟を襲った地震や、各地で続いた風水害など自然災害に対する支援策とはあまりにも格差がありすぎる。 国や行政の責任も問われるものの、国の無責任で一方的な支援策の発表は、事件関係者と噂される国会議員の関係を肯定するものとなり、改めて政治家の関与についても真相を正す必要性を痛感するものである。 平成18年1月22日 |
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愛知県小牧市の新交通システム『桃花台線』の存続問題について、廃止を想定させる住民説明会が14日に開催され、住民から廃止反対と行政不信の声が続出している。 桃花台ニュータウンは愛知県が造成し、その足の確保として桃花台線が建設される事とセットで販売が開始されている。 また、桃花台線の建設費に宅地開発事業費の中から総額の1割にあたる115億円が支出されており、この金額が宅地分譲費に含まれている事を説明しており、住民に新交通システムの建設費も受益者負担させいおいて、不採算を理由とした廃止には強い反発も当然の事でもある。 ただし、不採算と赤字の増大については、団地住民のほとんどが桃花台線を利用せず、通勤や通学に乗用車や自転車を使っており、通勤通学者の6分の1程度しか利用していない事にもあるが、開業以来累積赤字が65億円と報告されると、愛知県議会や小牧市議会の判断にも委ねるとは言え、愛知県の負担から県民の理解を得る事は難しい現状がある。 廃止を前提とした説明会ではないと言われても、廃止に至るシナリオが明らかであり、今後の動向は多方面にも影響する事から他山の石として注目したい。 大きな行政視野で物申せば、『場当たり的で長期展望の無い都市計画の破綻』であり、身近な問題として考えれば、『マンションの共同管理費問題』と共通する問題でもある。 最近では中古マンションの価格が低落し、高級車程度の購入費でもマンションが販売される半面で、マンションの補修と維持のために維持管理費が高額になっている。 桃花台新交通システムについても、当初から建設費のために住民の宅地購入価格に上乗せされている事がはっきりとしていれば、住民の足として現状と違う展開も可能であったかもしれないし、受益者負担を求めていれば利用者も増えていたかもしれない。 また、津島市や各自治体にとっては、行政が関わる『コミュニティーバス』も規模こそ違うものの同質の問題であり、地域の足の確保としては他人事ではなく、今後の都市計画を考える上では極めて重要な問題でもある。 さて、先週に53人と記した大雪が原因の死亡者数は90人に増加している。その多くが高齢者であり、今回の桃花台線の存廃問題についても、切実な人々は高齢者に多い事を考えると、単なる地域の足確保の問題ではない事を認識して考えたい。 平成18年1月15日 |
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昨年から連続する大寒波による大雪は、今年になってもとどまるどころか各地で記録的積雪が続き、除雪や雪下ろし等でこの冬になってから53人の死者が報告されている。重軽傷者数も760人と報じられているが、寒波による風邪や体調不良から入院したり、死に至った人々も含めると被害は大幅に増加するものと思われる。 問題は、その被害者の7割が65才以上の高齢者である事にある。記録的寒波とは言うものの、過去においてはこのような数字の死者や重軽傷者はでておらず、正確な数字を把握した上での発言ではないが、高齢化社会による現象と言って片付ける問題ではなく、家族構成の変化に原因があり、明らかに親子が別々に暮らす事により、高齢者だけの世帯から被害者が続出している事に注目する必要がある。 かつては北海道や東北からの出稼ぎが社会問題として取り上げられた事もあった。しかし、現代社会においては、大学進学も東京志向が強い上に、企業が新規採用する時点から出身地に対する考慮がまったくなく、ふるさとの親元へは戻れないまま定年に至る労働環境が当り前にされている。 この冬の大雪によって、高齢者の死亡者が増加している原因は、まさしく高齢化社会にあるのではなく、企業の労働条件や社会環境の変化にあり、問題とされる出生率の減少からくる少子化問題についても、高度成長期に言われた『ジジ抜き、ババ抜き』の影響で、親の面倒をみない別居の子供達に求めなければならないのである。 年々減少傾向にある交通死亡事故についても、死亡者数に占める高齢者の割合は上昇しており、火災による高齢者の被害も多発している。 本日8日だけの火災による高齢者の被害者をみても、長崎県大村市の高齢者施設で6人が死亡し1人が重体との報があり、同じく長崎県壱岐市では92歳の老女、埼玉県の川口市では78歳男性の遺体の身元確認中の被害が報道されている。 これらを当り前の社会現象と思わず、『何故?』と真剣に考えれば、健全な家庭環境はどうあるべきかに突き当たる。被害者となった高齢者の子供達はどうしていたのか?高齢者だけの世帯を作らない同居家庭を基準にした社会環境に改善すれば、報告されてくる高齢者の多くの生命が守られた事を我々の肝に銘じたい。 平成18年1月8日 |
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明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。平成18年は元旦が日曜日と重なりましたので、来週の8日より書き入れます。 平成18年元旦 |