私の庭「志賀高原」
「志賀高原」といえばスキ―しか知らなかったが、夏の涼しさや高山植物など四季折々の美しさにひかれるようになった。「奥志賀高原荘」と「木戸池荘」と二つの憩の家があることにもより、家族連れや教育などでここを訪れることが多かったが、一人でもよく来た。長野から近いので天気を見ながら出かけ、ペンタックスを友に歩きまわり、今では課の皆さんより詳しいのではないか、と思うことがある。その意味で「志賀高原」は私の庭であった。
歩いた主なコ―スは次のとおり。
木戸池〜ひょうたん池〜渋池〜四十八池〜大沼池
木戸池〜石ノ湯〜蓮池
蓮池〜琵琶池〜地獄谷〜上林温泉
高天ケ原〜一ノ瀬
硯川〜笠ケ岳〜山田牧場
山田峠〜万座温泉
渋峠(山田峠) 〜芳ケ平〜白根火山
奥志賀高原荘でいただく山菜もうまい。春から初夏にかけてのフキのとう、ウド、タラの芽、タケノコ、行者ニンニクなどや、秋のマイタケなどのきのこが多彩である。ここでは、瓶詰や冷凍など、管理人の豊岡さんの工夫により、年中食べられるのがうれしい。みんな好きだが、とりわけフキのとうや行者ニンニクは酒が進む。
新入社員研修での思い出も結びつく。6時に起きて散歩すると寒さで身がひき締まる。小鳥の鳴き声が騒がしいほどに響きわたる。5pほどにも伸びた霜柱が朝日に当たって溶けはじめ、カソッカソッと春の調べを奏でていた。15qマラソン(私は競歩)では、道端のフキのとうに元気づけられ奥志賀〜一ノ瀬の間をがんばった。山を車で下るとき、遠くの北アルプスがきれいに見えた。
10月にカヤノ平で見た、ブナの古株の割れめに密集したナメコも忘れられない。11月の雪が降る前の霧氷もきれいだと聞く。
「冬のスキ―、春の新緑、夏の避暑、秋の紅葉」と言うだけでは、志賀高原の良さを表現しきれない。季節ごとに、もっともっと深い味わいがある。木戸池荘の山本とく子さんから「春の木戸池」と「秋の蓮池」などの絵を買い求めて部屋に飾っているが、この絵を見るたびに、志賀高原で過ごした日々を懐かしく思い出すのである。