遊び心でのぞいてみたいって思う時は、結果が予想外でも楽しめる。むしろその方がおもしろい。ところが不信感を持って相手の心の中を覗いた時、それが“やっぱり”って自分の思いが的中してたらショックは大きい。“信頼してたのに・・・”その時自分の気持ちは見事に裏切られ、どん底まで落ち込むのだ。そういうことは、歳を重ねるにしたがって、増えていったように思える。
最初に何故?って思ったのは、会社に入ってから。いつも、どこでも、どこへ行くにも2人はいっしょっていう、仲良しこよしのうちのひとりが、ある日同僚に“あの子だけにはぜったいないしょ・・・”なんて耳打ちする。私にはとても信じられないことだったけど、もうひとりも別の所で同じことを。そんなとってもいい加減な関係でつながっている彼女達にとって、裏切り裏切られなんて日常茶飯事で、ホントにどうってことないようだった。だから相手を信頼する、相手の気持ちを考えるなんてみじんもないことだった。いかに大人がずるくて、打算的かってことだと思うのだけど、それにしてもねぇ。
今私の周りには、家族から名前も知らないけどここ(くれよん)で話をするだけの人までさまざまな人間関係があるんだけど、それがたとえ家族だって心の中まで見通すことは、無理だと思う。ただ家族の場合、親子であり夫婦であるが故に、わかりあえているような気がするだけなんじゃないか、私の娘だから息子だから、きっと私と同じ考え方でいてくれるはずという、ひとりよがりと、そうあってほしいという願望で心を満たしている気がする。でもやっぱり血のつながりってやつに弱くて、それに甘えちゃう。私のことわかってくれるよね・・・と、こんな調子。
ところが友達、お客さん、ミュージシャン・・・etc.すべての関係で価値観の違いを、いやというほど思い知らされた。要領よく立ち回れない私は、多くの世渡り上手にさよならした。最初は信頼できるよき理解者だったのに、自分の利益につながらないと判断した時点で、彼らの態度は逆転。そんなふうに変われるのが、私からしたら不思議でならないけど、信頼度が大きければ大きいほど、こっちのダメージも大きかった。人間不信になってしまうほど。
正直者はバカをみる、もっとうまくやれ。彼らのささやきがきこえてきそうだけど、たとえどんなに報酬があっても、私にはそんな生き方できやしない。そんな寂しい人間にはなれないよ。
仮面を被った彼らの心の内を知ることができずに、こんな苦い経験もたくさんしたけど、心の中が見えないからこそ、つきあってみて初めてわかったこと。それもひとつの人生勉強なんだよね。たとえ誰の心の中であっても、見えない方がいいのかも。そのほうが気が楽、そのほうが幸せ?・・・・
今週はエリントンの名曲 In A Sentimental Moodでございます
DUKE ELLINGTON & JOHN COLTRANE コルトレンはやっぱりカッコいい!!
DAVE PIKE Pike’s Peak
JIMMY HEATH Love And Understanding
SONNY ROLLINS With The Modern Jazz Quartet
JOHNNY GUARNIERI The Duke Again
TOMMY FLANAGAN Moods Ville 9
CHARLES MINGUS At Monterey
'02.04.25 ☜ 一覧 ☞ '02.04.11