短歌



 短歌集 『 雨 』   2003.9.4
 短歌集 『 風 』   2005・3・30

 

 

日々の戯れ歌




山に出で          
     紆余曲折を      
         転がりて  
    まるく まーるく      
          海まで ゆかむ








あこがれや 
夢掌中の 
ひとときに
ただ恋焦がれ 
また 夢を 見る  
大きほど
 風に 吹かれて
 右左 
  緑やさしき 
枝垂れの柳
たんぽぽに         
息吹きかけて   
    飛ばせしは
 いまだ忘らぬ      
遠き憧れ
 きれいごと
  そこにあぐらし
    あくびをし
  ためいきをつき
     涙を 流す
わかってる
  煙草何本
     吸ったって
 はきだしきれる
     わけないってこと
後からに
  ボディーブローが
      効いてくる
 仮面しのげど
     攻めは空振り
たまねぎを 
    刻んで かくす
           涙かな
月あかり
  蒼き夢世に
      静か風
いつかいつかと
     翌檜の啼く
せつなきは
  水面に浮かぶ
       蒼き月
 あらずと知りつ
     かいなを伸ばす
夜の風
  かたちをえんと
        する人に
 かたちなきもの
     とくやむなしき
いつまでも 
    まわるまわる風車
      春夏秋冬
          色々の風
うぬぼれし
    自意識過剰
        思い知る
  哀しおかしき
       ただの石ころ
力なき
  我が両の手は
      ただ 祈る
  穏やかな風
       彼方にとどけ
手折らるる
  ことあらざるや
      もののかげ
 白く咲きたる
     ドクダミの花
言えもせで
   ただ 言えもせで
          聞けもせで
 そのひとことの
     あまりに おもき
夜を 行く
  たった少しの
         幸せと
 きっと得ることのない
          そのこたえ
やさしさが
   どんどん 刃
       むいてくる
満たされたくて
     カタストロフィー 




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