結婚披露宴でのスピーチ(
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   (新郎)桑原 徹さん(新婦)森藤まゆこさん  1999.7.4 全日空ホテルズ ホテルグランコ−ト名古屋


 


 ご紹介いただきました若山でございます。ひとこと、お祝いの言葉を述べさせていただきます。

 新郎の徹さん、新婦のまゆこさん、そして、ご親族をはじめご列席の皆様、ご結婚おめでとうございます。また、私が勤めているホテルをご利用いただき、本当にありがとうございます。実は、このような場でスピーチをさせていただくことになろうとは、思いもよりませんでした。感慨ひとしおでございます。

 さきほど司会者の方から「ホテルグランコ−ト名古屋の若山」とご紹介いただきましたが、私といたしましては、お二人の「友人」とか「ワインを通じたお友だち」という気持ちで出席いたしております。

 と申しますのは、お二人と初めてお話しする機会を得ましたのは、今から4年前の1995年、このあと用意されております赤ワインも1995年でワインの当たり年でもありますが、その5月20日、あるホテルのワインセミナ−でのことでした。たまたま席が隣り合わせになってお話ししたのですが、徹さんについては「若いのにワインのことをよく知っているなあ」、まゆこさんについては「存在感があり、華のある方だなあ」というのが私たち夫婦の感じた第一印象でございました。それ以来、試飲会などワインについての催しで、何度も偶然にお会いしておりました。

 そして、今年1月17日マツザカヤホ−ルで、このホテル初めてのブライダルフェアを催しましたとき、思いもかけずお二人にお目にかかることができました。本当に驚き、また、うれしく思いました。そのとき、まゆこさんは「80%ほどこのホテルを利用しようと思っていますが、ワインにこだわった披露宴ができますか」とお尋ねになったことを覚えております。また、私の方から名古屋ボストン美術館で記念写真が撮れるよう折衝中であることを申しあげましたら、「ぜひ」とおっしゃいました。

 その後、名古屋ボストン美術館の方と何度も話し合い、実現の運びとなり、3日前の7月1日、記念すべき第1号のカップルとして、お二人の記念撮影が無事完了いたしました。私も同席しましたが、閉館直後の17時から借りきった状態で、ルノワールの名画を背景にしてモデルのようなお二人の撮影が行われました。すばらしい雰囲気でした。皆様にも、これからご結婚される方に、お勧めいただけたらと思います。

 このホテルは4月8日に開業いたしましたが、初日からまゆこさんとお母様にお出でいただきました。それ以後もお二人から、いろいろアドヴァイスをいただきました。内容は企業秘密で申しあげられませんが、外から見た、お客様から見た、つまりお金をお支払いいただいた側から見たご意見は大変貴重でした。それらを一つひとつ改善し、今日に至っております。いわば私の仕事を一緒になってサポ−トしていただいたわけです。

 私はお二人に初めてお会いした同じ年の11月からこのホテルに関わっておりますが、まだしばらくこのホテルに勤めることになっております。さきほど銀行業界のお話が出ましたが、ホテルのほうも同様に大変厳しい状況にあります。新聞やテレビでは「名古屋ホテル戦争に突入」などといわれておりますが、「お二人の思い出のホテル」をしっかりと支えていきたいと思います。

 私はワイン好きですので、こうしてお二人を眺めておりますと、モネの睡蓮の絵の前に紅白の2本のワインが並んでいるように見えてきます。まゆこさんは白いドレスではありますが赤ワイン、徹さんが白ワインというわけです。そこで、私の独断的なテイスティング結果を申しあげます。お二人ともフレッシュでフル−ティさがいっぱいです。白は酸味が強く、赤はタンニンの渋みがしっかりしていて、それぞれほのかな甘みも感じられます。どうやら、早飲みタイプというよりは、それぞれ個性がはっきりとしていてこだわりがありますので、熟成タイプのようです。早くても十分飲めますが、年を経るごとに熟成して素晴らしい味わいになるものと思われます。

 お二人は「ワインエキスパ−ト」の資格をお持ちですが、今日からは「結婚生活のエキスパート」を目指してください。そして、ときどき熟成具合をこのホテルで見せていただきたいと思います。このホテルも、お二人の結婚生活と同様に、まだ1年生でございます。お互いに競争し合い、より良いホテル、より良い結婚生活をめざしましょう。

 とりとめのない話になってしまいましたが、これをもちまして、お祝いの言葉とさせていただきます。どうもありがとうございました。