津島市蛭間町
tel.0567-25-3272
全席禁煙に致しましたので、
 喫煙はデッキ席のみとさせていただきます。
 毎木曜日第2,第4水曜日を定休日とさせていただきます*
 2004.06.18

 昔からの友達に約22年ぶりに会った。”何年ぶりだっけ?”こんな会話で始まった私達の再会。何故、今突然22年ぶりに・・・。そのきっかけは、今月の初めだったか、彼女から届いた1枚のはがきだった。


 彼女からのその便りには、最後に電話番号が記されていた。これは、”電話かけて!”のサインだと思い、その番号にかけてみたが、どなたも出られず、彼女の今の家の状況もよくわからないし、どうしようと迷ったが、こちらからも便りを出したり・・・。結局今度は、彼女の方から電話をかけてくれて、”久しぶりー、元気?どうしたの?”と、私が切り出すと、おもむろに彼女は、今までのことを話し出した。


 昔と変わらずおっとりした口調だが、やはり年を重ねた分、いろんな経験を積んだ分、ちょっとはっきりしたものの言い方に思えた。話し出したらなかなか止まらず、大丈夫かなあ、こんな長話と思いつつ、とっくに1時間は過ぎていたが、それでも話は尽きなかった。


 彼女がやっと、一区切りつけたところで、”また会いたいよねぇ”と、言った私の言葉に、”そうだよね”と、彼女も言った。本当に、その気があるのならと思い”私は、日曜日しかだめだけど、名古屋あたりで・・・でも遠いからちょうど真ん中くらいで会ったほうがいいかな”一応そう提案したがそれには彼女は、はっきりした返事は出さずそのまま電話を切った。


 数日後、その彼女からまた電話があって”○○日に、行こうと思うんだけどいい?”と、その日くれよんに行ってもいいかどうかをたずねてきた。”もちろん”と、返事をし、OPEN前なら駅まで迎えに行けるので当日また電話をかけてもらうことにした。


 いよいよその日がやってきて、朝9:00過ぎに今からバスで駅に向かうと連絡が入った。今からかあ、けっこう時間かかりそうだから、こっちに11時過ぎってとこかなあ。迎えに行けるかどうかぎりぎりのところだと思ったが今さらどうしようなく、待つしかないので、いつもの時間に店に行ってOPENの準備をする。


 11時台1本目の青塚到着時刻を過ぎても電話はなかった。じゃあ、次になるのかなあと思ったが、その時間にも電話はならなかった。どうしちゃったんだろう、もしかして、誰かに道を聞いて駅から歩いてくるつもりかなあ・・・と、心配していたら、30分近くになってようやく”今駅に着いたからどうやって行くか教えて”という電話だった。


 すでに店を開けてしまっていたので、駅へは、娘に行ってもらうことにした。ついに20数年ぶりの再会。ただただ、その再会を喜び合うだけなら、わくわくしながらその時を待つだけだが、今までのこと、電話でいろいろ聞いているので”もう疲れたわ”と、悲壮感漂っていたらどうしよう。”久しぶりー”と、ただ喜んでるわけにはいかない。なんて言えばいい、いろいろ考えはしたものの、全く思いつかなかった。


 駐車場に車が止まりドキドキしながら、外に出迎えに行くと、以外にもやさしい笑顔で、彼女は車から降りてきた。以外にもというのは、電話で1時間以上も聞いた苦労話と、いくつかの持病に悩まされている彼女を想像した時、実際の年より老け込んで、本当に疲れ果てた顔で私の前に現れると思ったからだった。


 彼女の顔を見て急に気持ちが楽になり、”大変だったね、思ったより時間かかるよねえ”と、言う私に、にこにこ笑いながら彼女は、”私ねえ、あれだけどこ行きの電車って聞いてたのに、岐阜行きに乗っちゃったの・・・”どうやら津島線ではなく、本線に乗ってしまったらしく、しかもそれを国府宮まで行ってしまって、やっと気付いたらしい。その時、おっとりしていて、慎重派だと思っていたのに20数年ぶりにして、意外な彼女の一面を発見した。


 カウンターの席に座って、”ほんとに久しぶり、何年ぶり?・・・”お互いそう切り出して、彼女が、”私はオープンの時と、あと1回家族で来たでしょ”と。ということは・・・22年ぶりくらい?ってことになった。22年ひとくちに言うけど、この流れた年月はすごい。


 私達そもそもどうして知り合ったんだった?彼女はなんだかうれしそうに、昔のこと思い出すなあって、感じで”旅行にも行ったよね””私、みなちゃんとこ泊まりに行ったこともあるよ”などなど、昔のこと、今のこと、これからのこと・・・ほんとうにいろいろ話した。話しながらこの人って、昔からこんな芯の強い人だったかなあと、つくづく思った。


 今介護の仕事をしている彼女は「仕事が大変」と、繰り返す私に”そうでもないよ、だって、こういう仕事好きだもん、それにこの仕事私にむいてると思うし”と、あっさり言うのだ。


 あっという間に時間は過ぎ、気がつくと4時を過ぎていた。”あっ、もうこんな時間”と、言いつつ、それほどあわてる様子もなく歩いて行くから道教えてという彼女を、今度は私が駅まで送った。笑顔で手を振りながらホームに向かう彼女を見送りながら、彼女の強さをつくづく感じていた。


 話している時、一瞬不安そうな顔をしたり、寂しそうにしたりする彼女だったが、私には話を聞くことくらいしかできなし、私にだって、たぶん誰にでも、大なり小なり苦労はある。でも、きっといいことがある、そう信じて前を向いて生きていくしかない、お互いいい人生にしようね。


 今週は、「The Summer Knows」
ART FARMER 「The Summer Knows」

'04.06.23 ☜  一覧  ☞ '04.06.08