津島市蛭間町
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全席禁煙に致しましたので、
 喫煙はデッキ席のみとさせていただきます。
 毎木曜日第2,第4水曜日を定休日とさせていただきます*
 2006.02.27

 去年、年の始め”今年は、笑って、笑って一年を過ごしたい”と、このスピークローに書いた。 笑ってればいいんだから、そんな簡単なこと・・・ところが、波乱万丈とまではいかないまでも、日々いろんなことが起こるもので・・・


 去年の我が家のトップニュースといえば、なんと言っても、娘と息子の初めてのアメリカ行きである。 もちろん、私の足を踏み入れたことのない地。 しかも外国への旅ともなると、本当に心配で心配でたまらなかった。


 息子のバイク好き。 バイクを通しての友達が増え、ツーリングに誘って、誘われ、こっちはせいぜい一日のバイクの旅だが、そういう時もやはり、みんなが無事戻るまでは、ほっとできないのだ。


 家族の中で、私たちのまわりで、次から次へと大小さまざまな出来事がある。 とんだハプニングもあって、かなり落ち込んだり、いつもハラハラドキドキ、なかなか刺激的な毎日である。


 だが、”笑っていこう!”その気持ちを、いつも自分の中に持っていたいのだ。 苦しくつらい時も、大声上げて笑う時が、一瞬でもいいからほしい。 どんな時も気力で乗り切らなきゃと、自分に言い聞かせる。


 加えて今年の課題は「やさしさ」である。 いつどんな時に思い出すのか、自分でもよくわからないが、ここ数年来、ふと思い出すことがある。 それは、店を始めた頃、仲のいい友達がくれよんに来てくれて、ちょっと深刻な表情で話をきりだした時のこと。


 彼女はその時の不安な気持ちを、私に伝えて、私の返答しだいでは、その不安をぬぐいさることができたし、ほっとできただろうし、何より”やっぱりここに来てよかった”と、思えただろう。


 なのに、私ときたら、たぶん気のない返事をしたような・・・本当に月並みなことしか言えなかった。 店をオープンしたばかりで、自分のことでいっぱいいっぱいになっていて、彼女の立場になって考えることができなかったのだ。 ほんと、最低! そんな私に彼女は今もとってもやさしい。 時々しか会えないから会えばよけい話もはずむ。 そして、何かと気を使ってくれる。


 今年、新しい年になって3日目、去年6月、22年ぶりの感動の再会を果たした友達から私宛に宅配便が届いた。 なんだろう?開けてみると、キャンディやチョコの詰め合わせと、とってもかわいい木彫りの置物が入っていた。


 どうしたんだろうと思ったら、荷物が届いた数日後、その友達から手紙がきて、再会後、私が彼女のことを心配して書いた手紙がうれしかったということだった。 手紙の中には、「フクロウの置き物はおふたりの幸せを願って」とある。


 たったそれだけのことで、自分が本当に大変な時に、私に心遣いをしてくれる、彼女のやさしさ、その気持ちが、私の方こそ、うれしくて、うれしくて。


 つい最近、「人」について、ちょっと語り合う機会があった。 その時”いい人って?”と、問われ、考えた。 簡単なようで、”いい人”の定義って難しい。 数学みたいに、これってはっきりした答えも出せないし、表現するのも難しい。


 まわりの人との人間関係とか、そこそこうまくいってれば、まぁ いい人?とか、こんな程度。 たとえば、息子の友達が入れかわり立ちかわり我が家には、やってくる。 挨拶もできるし、見てて好感もてるし、”みんないい子だね”と、私は言う。 そんな感じで、”あの人はいい人” ”アイツはいいヤツ”と、日常的によく使う言葉ではあるのだが。


 ところで、その”いい人”の人間性はどうだろう。 その人達がやさしい? 人の気持ちをわかる?・・・と、言うと、それはどうやら別のようだ。


 たとえば、こういう時・・・・いくつか例をだして話してから、話し手本人が、”いつも人の気持ちを考えなければ、自分がその立場だったらと、思わなければ、そういう気遣いがほしい”みんないいヤツなんだけど”と、結んだ。


 なるほど! 話を聞いて、私は妙に納得してしまった。 気が利かない、気がつかない・・・正にそういうことなのだが、もうひとつ言えば、その人達には、やさしさが足りないのだと私は思った。


 今月始めのこと、自転車で角を曲がる時、家の影になっている所に氷がはっていて、危ないと思ったので、自転車を降りて、駐輪場も近いことだし、自転車を押して歩いていると、後ろで大きな音がして、振り返ると案の定、若い男の子が、自転車ごとすべってころんでいた。 


 あっ、大変!と、思ったが、すぐに立ち上がり、また自転車に乗り、私の前を勢いよく通りすぎた。 駐輪場の入り口付近に自転車を止めたその彼に、私は”大丈夫だった?気をつけて!”と、声をかけた。 若い人だったし、テレもあるだろうし、返事なんて全然期待しないというか、逆に「なんだこのおばさん」くらいに思われるのがおちだ、くらいのつもりだったが、さわやかな笑顔で”大丈夫ですよ!”と、返事をしてくれた。


 見る限りでは、大丈夫そうだったが、何か自然にそう声をかけた自分自身が以外だったし、それ以上に彼が、言葉を返してくれたことが以外だった。 それは、きっと、彼のやさしさなんだと、私は思う。


 日々起きる世も末と思われるほどの事件、事故。 その度心を痛め、明るい未来はないのだろうか?とさえ思ってしまうのだが、このところ世の中、満更でもないと思えることもいくつかあって、そんな時、人のやさしさやあったかさを感じる、そして、同時にそれは、自分への教訓でもある。


今週は、「In A Mellow Tone」 

ART PEPPER 「Goin' Home」

昨日の、岡安さんトリオの演奏が素敵でした。

入院前、うちのライブの時、譜面を忘れて、昨日それを持っていったら、”譜面を届けてもらったことは、今日の収穫だった”と、言ってくれた岡安さんのことばも印象的だった。

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