津島市蛭間町
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全席禁煙に致しましたので、
 喫煙はデッキ席のみとさせていただきます。
 毎木曜日第2,第4水曜日を定休日とさせていただきます*
 2003.01.23

1月も中を過ぎ、すっかりお正月気分も抜け、また普段の生活に戻っている。忙しく年末を過ごしている時は、お正月なんていう気全然しないわぁと、口では言っていても、極々自然に今こうして“お正月気分”という言葉を使っている。これはやはり習慣なのだろう。こうして日本古来の伝統行事が、受け継がれていくことは、いいことだし、大切なことだ。



小さい頃からお正月は、いちばんの年中行事で、新しい年が始まる元旦という日を、とても大切に特別に思ってきた。忙しい合間をぬって、祖母や母が、質素ながらおせちの準備に追われていたり、もちつきをしたりと、家の人がバタバタと動き回っている時に、なんとかお正月までにはと、自分なりにせっせと部屋の掃除に精を出していた頃のことを思い出す。



去年年末にもお客さんと、ちょっとおせちの話題になり、聞いてみると“うちは、ないよ。カミさん、作れないから”と謙遜しておっしゃったが、続けて“だって、同じもの何日も続けて食べるのいやだし、それにほら、おせちって、昔の主婦の手抜きでしょ・・・”と。この時、私は返答に困ってしまった。確かに出来上がってしまえば、お正月の何日かは、盛り付けをして、提供するだけなので、簡単かもしれない。ところが、今のように決して便利じゃない時代にそれこそ何品ものおせちを、こしらえるのに、ずいぶん手間暇かかって、さぞ大変だったろうと思うのだ。私も例年たつくり、昆布巻き、黒豆の3品だけでも作るようこころがけているけど、これだけでもけっこう大変で、去年は30日ぎりぎりになって、血相かえてこの3品に取り組んでいた。決して上出来とはいえないけど、とにかく手作りを伝えたいから。



伝統を守るということは、何もお正月に限ったことではなく、あらゆる面で、日本独自の日本人が誇りに思える昔ながらの物や事を、後々まで残していくことだ。たとえば、着物ひとつ例にとってみても、これは、日本が世界に誇る民族衣装だと思える。染め、織り、刺繍・・・いろんな技法で、作られていく反物はほんとうにすばらしい。これはぜったい絶やしてはならない。斯く言う私も、着物はずっと箪笥のこやしになっていて、引き出しをあけることすらほとんどないけど、去年姪の結婚式に久々に着てみると、なんだか気持ちまでしゃんとして、つくづくいいものだと思った。



うちなんか聴く音楽はジャズ、乗ってる車は、ポンコツのフランス車、住んでる家はツーバイフォーと、“日本独自の”とは、かけ離れているけど、肝心の自分自身がバリバリ日本人なので、所詮欧米人の、何もかもを真似る、なりきるなんてできやしない。



つい先日“フラメンコで「忠臣蔵」を踊る”という女性の話を新聞で読んだ。“奥深いフラメンコの世界にできるだけ近づきたい”と長らく「プーロ(純粋な)フラメンコ」と銘打った公演を続けてこられたそうだ。ところが、フラメンコは歴史と風土に根差した部分が大きくて日本人には無理と分かり、和ものの創作を思い立たれたそうだ。



それはジャズにも言えることで、どれだけすごいテクニックで演奏してもそれはやはり日本人のジャズ。アイドルはパーカー、モンク・・・かもしれないけど、もっともっと自分らしさを出すことだ。そして時には、こんな曲もありかも。



というわけで今週は、「Kokiriko-bushi」

サキソフォビア Fancymen In The Darkness 岡さんの篠笛が、素敵です。

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