2003.08.27
くれよんの閉店時間は、11:00p.m.(ライブの日は、12:00)だけど、お客さんが誰もいない状態がずっと続くと、閉店時間より30分くらい前にcloseするのは、もう当たり前で、時には1時間、ともすれば、それよりも早く閉めてしまうこともある。ところが、逆に閉店時間を過ぎても、お客さんがいらっしゃって、延長してしまうことが稀にある。
つい先日、いつもたいていひとりで、いらっしゃる常連さんが、めずらしく男性3人で来て下さった。常連さんの彼は、すごくクールで、ある程度の距離をおいた方がいいというので、ずいぶん前から、来てもらってはいるものの、名前を知ったのさえほんの2年くらい前で、それも彼の知人を通してだった。お酒を飲んでも、素面の時と変わらず、いつも常にクールだった。ところがその日、飲めない人が運転することになっていて、あとのふたりは、急ピッチで、お酒が進んだ。お酒が入っているからか、知っててなのか、閉店時間なんて全く気にする様子もなく、“すいませ〜ん、水と氷のおかわりくださ〜い・・・”と請求がきたり、よっぱらいのふたりは、妙に盛り上がって、話がはずんでいる。
あきらかにいつもの彼とは違う。どうしちゃったんだろう、今日は。しかも、とっくに閉店時間過ぎてるのに・・・いろいろ考えていると、また声がかかり、入れてあったボトルが空になり、次のボトルを出してほしいというのだ。「だって、今何時だと思ってんの?この人達帰らないつもり?」そう心の中でつぶやきながら、でも、閉めます!とも言えずボトルを探すのだ。ところが、同じボトルをちょうどきらしていて(というより、今キープはやってない)いい口実ができたと思っていたら、ふたりしてカウンターまでやってきて、それぞれに“あっ、ジンがある・・・”“これ、いいですか・・・”と、ボトルをさしだして、飲む気十分だ。
それから、かなり経って彼が、その日ご機嫌なわけが判明した。いっしょにいらっしゃったのは、彼が家の改装の設計を依頼した会社の社長さんと常務さんだった。社長さんといえども、見た目すごく若くて、少し長めの茶髪、アロハにハーパン。どこから見ても遊び人(社長さんごめんなさい)今時のお兄ちゃんって感じ。
この社長さん、こだわりがあって彼曰く“・・・ここにリビングがあって、となりに和室を・・・”なんて言われたら即、“他あたってください”ってことになる。そんな家作りたくないですよ“施主が何か趣味をもっていて、それをいかせるような家作りがしたいのだそう。
たとえば、車好きのご主人だったら、“今、家に帰ってもお父さんの居場所って、ほんとうにないんですよ。そんな時ガレージにそういう場所を作ってあげれば、人を招き入れることもできる”ということらしい。なるほどね。熱く語る彼。それにしてもこんな時間までどうして・・・?私は、途中で”お先に失礼します“と、書置きして帰りたい気持ちだった。ちょっと限界にきていたので、私達も話に割り込んでいったら、常連さんの彼が、”ここでNAVIを読んでこの会社を知ったので、一度ここに連れてこなきゃと、ずっと思ってたんですよ“ということだった。事務所の下でcafeもやっている社長さんの話がおもしろくて、なんとお開きは3:30a.m.を過ぎていた。なかなか大変ですよと、ぼやく社長さんだったけど、ずっと、ずっとこのまま、こだわりつづけてほしいもの。
今週は「Tin Tin Deo」
ART BLAKEY 「The Giants Of Jazz」
SONNY CRISS 「Saturday Morning」
DIZZY GILLESPIE 「Diz’n’bird In Concert」
ART PEPPER 「Meets The Rhythm Section」
'03.09.03 ☜
一覧 ☞
'03.08.06