津島市蛭間町
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全席禁煙に致しましたので、
 喫煙はデッキ席のみとさせていただきます。
 毎木曜日第2,第4水曜日を定休日とさせていただきます*
 2004.11.25

 だんだん寒くなって、ふんわりふわふわ毛糸で編んだマフラー、帽子、セーター・・・なんかが恋しくなる季節。それが、心こもった、愛情いっしょに編みこんだ手編みだったら、なおあったかい?


 会社勤めをしている頃、私の所属していた課内で、様々な手作りブームがやってきて、手編みもそのひとつだった。人のを見てると”私にもできるかも”なんて、先輩達に教えてもらって、編み上げた一枚。すると、今度はこんな模様、こんな形というふうに、めずらしく三日坊主にならずに何枚かを編んだ。


 実家の母も、編物なんぞ少々嗜むので、娘や息子が小さい頃、セーターやカーディガンを何枚も編んでくれた。どっちにしても、もうずいぶん前の話だが、妙に愛着わいてしまって、どうしても捨てられず、衣装ケースやタンスの奥にしまいこんである。


 以前あずみ野ジャズフェスに行ってキャンプをした時、翌日周辺をサイクリングしていて、ひとりの男性と出会った。道端にある地図の看板を見ていたら”うちにもっとわかりやすい地図があるから・・・”と、その人の家に来るよう誘われた。


 何かご商売をされていて、お店に地図を置いていらっしゃるのだろうと、勝手に思い込み、あとをついて行った。するとロケーション抜群、木立の中に家は建っていた。でも、店舗ではなかった。”どうぞ、どうぞ”と、勧められるまま、庭のテーブルの周りのイスに腰をかけてしばらくすると、中から奥様が出ていらっしゃった。


 挨拶をすませると、飲み物やお菓子など、次から次へと出てきてびっくり。中でも手作りのものは、”これ、梅でねぇ ジュース作ってみたの、さっぱりするのよー、飲んでみて”とか、このケーキには何が入っているとか、いろいろ説明してくださって、これがみんなおいしい!地図のことなんかどこへやらで、あれもこれもと、ごちそうになって、話もはずんだ。ご夫婦そろって、とてもきさくな方で、時間が過ぎるのも忘れて話し込んだ。


 それからやっと、肝心な地図の話へ。当時そのお宅におばあちゃんと3人で住んでいらっしゃったが、横浜から何年か前に引越しされたということだった。あずみ野に来て、地図をたよりに、目的地向けて車を走らせるのだが、これがいいかげん過ぎて、ご主人曰く”あんな地図見てたら行きたいところにも行けやしねぇや” 「もっとわかりやすい地図」というのは、画家であるご主人様が、実際走ってみて少しづつ作り上げた「手作りの地図」だった。


 奥様はお菓子作りばかりではなく、洋裁もされるし、編物も・・・。その年の冬、娘と息子にセーター、私にはマフラー、そして翌年、さわやかな色合いの綿糸で編んだ、とっても涼しげなサマーセーター等々、本当にいろいろ送って下さった。キャンプから帰ってしばらくは、手作りのケーキやどらやきなども送られてきて、どれもおいしいので、いつもいつも感激だった。


 つい最近、大の仲良しの友達が、彼女の娘さんと、彼女のお姉さんと、くれよんに来てくれた。娘さんは今はもう嫁がれているが、その時は、結婚式をひかえいちばん輝いている時期だった。もうひとりの友達とその娘さんに、ほんの少しだけプレゼントをしていたこともあり、式の前に会えて、それもすごく久しぶりだったのでうれしかった。


 ”もうすぐだねぇ”なんて話をしていると、彼女がバッグの中から、何やらとりだして、私に手渡してくれた。それはとってもかわいい布袋だった。お姉さんの手作りだというその小さな袋、私の方が似合うというのだが、バッグの中に入れておくのに、似合うも似合わないもないと思ったし、折角のいただきものを、そのまま私がもらってしまうというのも少し気がひけた。すると当のお姉さんも”そうだねぇ そのほうがいいねぇ”と。お姉さんは洋裁をされていて、端切れで小物をいろいろ作っては、お友達にプレゼントされるのだとか。


 洋裁の仕事といっても、どれくらいされているのか全然知らなかったが、私の大好きなブランドを彼女のお姉さんもお好きだと聞いていて、その時もちょうどそんな話になった。”ここの服はどこがいいんだろうって、見ててもわからないのね、だからこれは着てみるしかない”ヘーそこまでするんだと、私は思った。


 こんなこだわりを持って、服作りをしている人なら、どんな妥協もせずに、自分の納得のいくものをつくられるのだろう。いつもそんなふうに仕事が出来る人ってすごい!素敵!だと。自分の仕事にとても意欲的に前向きに取り組んでいらっしゃるその姿勢、その向上心こそが、本物を作り出す、なーんてね。帰り際、彼女の娘さんは、くれよんの棚に並べてある「手作りアクセサリー」の中から、ヘンプのピアスを2つ買ってくださった。


 私も最近では針を持つなんて滅多にないが、うちは、大きい窓も、小さい窓も、どの部屋も布をダーーッと直線縫いしてバーに通すだけの超簡単カーテンなので、この間も、何かに少し使ってずっとタンスの奥でねむっていた布を出してきて、三角窓の小さいカーテンを一枚、座布団カバーを二枚ちゃちゃっと縫った。ただそれだけのことだが、置かれた所で、それぞれ自己主張しているかのようにみえる。


 何かを作る時、愛情たっぷり注ぎ込む、それと同時に作り手の思いがその物に伝わるのかも。「手作りにこだわる」・・・この精神だね、やっぱ。


今週は「淡水・・・」
QUADRA 「お茶の間的にどうよ?」 1曲目が、宮前バンド featuring KIN & FUJIのライブでおなじみ「Pick Up The Pieces」というのもごきげん!「はじめてのチュウ」 クリスマスソングなんかも入っていて楽しい。一家に一枚是非!

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