家政学部
食物栄養学科

環境生物学研究室

教授

八田耕吉

愛媛大学大学院修士課程修了(農学修士)。
本学助手、講師、助教授を経て現職。
担当科目は公衆衛生学、公衆衛生学実験、種の生物学など。
現在、中国での水質浄化対策支援、東海地方を中心に環境ア
セスメントにおける環境問題を生物学的視点により究明。
著書に「中国西南地域の環境問題」、「長良川河口堰事業の
問題点」、「愛知万博構想を検証する」など。

研究内容
環境汚染が生物に及ぼす影響を、人と自然の関係から検証
 現在、地球環境の汚染は多くの生物を絶滅にまで追いやっています。人がつくり出す
自然環境への影響を、3つのテーマをもって研究しています。
1) 環境の変化が生物に与える影響の調査・研究
● オオシロカゲロウ(アミメカゲロウ)の羽化タイミングと同調性 
  庄内川・木曽川・矢作川・愛知用水などでの大量発生の調査
● 水質などの環境の変化に対する環境指標性の研究
木曾川・長良川・揖斐川など東海地方における河川の水生昆虫を主とした底生動物相の調査
● 底生動物群集の遷移の調査・研究
  長良川河口堰や都市河川における環境影響調査やモニタリング調査
環境アセスメントにおける自然環境への影響を提言
  長良川河口堰、藤前干潟、徳山ダム、中部空港、愛知万博などへの意見書提出
2) 都市近郊の河川や里山自然の保全
● 里山生態系の多様性を地形、地質、植生の専門研究者との共同研究により明らか
にする
  木曽川トンボ天国の水生昆虫、貝類、甲殻類の遷移
  山崎川の生態系調査(河川改修への提言)
●名古屋市内(相生山、平針、守山)の里山保護・保全
●海上の森(愛知万博予定地)での湿地と川の水生動物の調査
  里山を代表するギフチョウやハッチョウトンボの保全
●日本の昆虫学の創成期をつくった台湾の昆虫相の調査
3) 中国における水質浄化対策の支援
● 共同調査を通しての水質調査法や分析技術の指導
  中国貴州省環境保護局との共同調査
● 環境NGOによる公害対策技術者の派遣を通しての水質浄化
  中国農村におけるカンナ麺の澱粉製造過程による水質汚染の浄化対策
4) 生ごみの堆肥化の研究
●「中国雲南省生物多様性和伝統知識研究会」、「国際郷村改造学院」、「香港浸会大学」との共同プロジェクトによる広西壮族自治区横県における生ゴミの堆肥化実験
●給食ごみの堆肥化実験
  成分分析、発芽・栽培試験を通して「嫌われる生ごみ堆肥」の改善を提言
台北教育大学、台湾師範大学との合同プロジェクト
  遠隔同調授業(サイバーキャンパス)を通して環境教育の推進