中学生におすすめの本








「お任せ! 数学屋さん」 向井湘吾・著
 ゴールデンウィーク明けの月曜日に転校してきた神之内宙。「特技は数学。将来の夢は、数学で世界を救うことです」という宙が始めた「数学屋」。数学に関してはすばらしい才能を持ちながら、それ以外のことに関してはあまりにも無頓着な宙。「数学の力でみんなの悩みを解決する、お悩み相談所」という数学屋の最初のお客さんにされてしまった天野遥。でも、遥の悩みは宙によって簡単に解決されてしまいます。グランドを二等分する問題を数学の力で解決したら、男女仲良くするしかないということに気が付いてもっと本質的な解決をしてしまいますが、このことがきっかけで、遥も数学屋を手伝うことになるのです。その後、「野球部員のジレンマ」は?マークがつくものの順調な数学屋。その数学屋に舞い込んだ恋愛相談。難解な恋愛不等式に真希,葵,翔が加わって・・・。
 数学の好き嫌いにかかわらず、小説として十分楽しめます。手元に置いておきたい、中高生におすすめの1冊です。
「お任せ! 数学屋さん2」 向井湘吾・著
 アメリカに転校した神之内宙から数学屋の店長を任された天野遥。弱気になった遥が数学屋を閉店しようと考えていたとき、真希に推されて数学屋として文化祭の出し物を決めることに。混乱していたクラスを数学屋としてまとめた遥は「「数学屋」「お悩み、解決します」を「数学屋」「お悩み、一緒に考えます」に変え、再スタートさせます。その新・数学屋の最初の客は、それまで数学屋に否定的だった秀一。それは二学期から学校に来なくなった幼馴染の聡美を救ってほしいという依頼・・・。
 宙と遥の数学屋。でも数学屋の完成形は、宙と遥に真希に葵、そして翔を加えた5人。この5人の数学屋が、東大磯中の歴史に名を刻む、偉大な伝説を創り上げてしまう鴫立祭始まって以来のビッグ・プロジェクトを計画します。それまで5人と関わってきた人たちの協力で大成功を収めるビッグ・プロジェクトとは。
 「目指すべきゴールと進むべき道が示されている限り、人は迷うことがない。数学は、それを示す手段なのだ」(P49),「先のことは、誰にも分かんない。誰も、正確なことは知らない。だから、人は未来に『期待』して生きていけるんだってさ」(P234),「何もしなければ期待値はゼロ。でも行動すれば、ゼロよりは大きくなるんだよ」(P234)などの言葉も印象に残り、何度でも読み返したくなる1冊です。
「お任せ! 数学屋さん3」  向井湘吾・著
 「数学屋」の店長代理になってから血のにじむような努力で数学の成績を「2」から「4」に上げた天野遥。その遥が中学3年の夏休みの物語。負ければ引退となるソフトボール部最後の地区大会をひかえたある日、遥の目の前に現れた謎の女子中学生・佐伯明日菜。そして、試合の当日に突然現れた神之内宙。
 今回は、「問」では宙や遥、真希、葵、翔の現在の話、「解」では宙と明日菜、白石大智の過去の話で神之内宙の謎が解明されます。
 今回は、数学を利用することによって解決するというよりは、曖昧なものを曖昧なまま諦めたり不安がったりするのではなく、可能性を数値化することにより、目標を明確にし、頑張ろうとするきっかけとして数学を利用するということを示しています。
 神之内宙と白石大智のやりとり(「数学は、主に世界の目立たないところで活躍している」「文学は人の心を動かして、社会の歯車を正すことができるぞ」「数学は科学を進歩させ、人の可能性を広げることができるよ」(P69)など)も面白いですよ。
 『ベイズの定理』(ベイズ推定)の話は、「ビーバップ!ハイヒール」(朝日放送:2013年11月7日)でも扱われたことがあるので、見覚えのある人もいるのではないでしょうか。
神之内宙や白石大智は「トリプル・ゼロの算数事件簿」にも登場します。白石大智はそちらのキーパーソンに成りそうな予感が・・・。
「かまえ! ぼくたち剣士会」 向井湘吾・著
「リケイ文芸同盟」  向井湘吾・著
 夏木出版かがく文庫編集部に勤める理系人間の桐生蒼太。その桐生が文芸編集部に異動になった。不安に駆られながらも大学時代からの友人嵐田と共に統計的仮説検定に基づき、ミリオンセラーを出すべく「理系文芸同盟」を結成する。前時代的な考え方で、桐生の話を聞こうとしない曾根崎部長。顔は怖いけど性格は優しい立花。昔の彼女に似ている鴨宮など、個性豊かな登場人物の中で、桐生と嵐田の恩師である西堂教授が秀逸。最後まで読み終わった後で、もう1度読みたくなる本です。







「浜村渚の計算ノート」 青柳碧人・著
「浜村渚の計算ノート 2さつめ ふしぎの国の期末テスト」  青柳碧人・著
「浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学」 青柳碧人・著
「浜村渚の計算ノート 3と1/2さつめ ふえるま島の最終定理」 青柳碧人・著
「浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って」 青柳碧人・著
「浜村渚の計算ノート 5さつめ 鳴くよウグイス、平面上」 青柳碧人・著
「浜村渚の計算ノート 6さつめ パピルスよ、永遠に」 青柳碧人・著





「数学ガール 上」 結城浩・原作,日坂水柯・作画
 この本、在庫切れのことが多いので、買えるときに買っておくといいですよ。
「数学ガール 下」 結城浩・原作,日坂水柯・作画
「数学ガール フェルマーの最終定理 1」 結城浩・原作,春日旬・作画
 この本、在庫切れのことが多いので、買えるときに買っておくといいですよ。
「数学ガール フェルマーの最終定理 2」 結城浩・原作,春日旬・作画
「数学ガール フェルマーの最終定理 3」 結城浩・原作,春日旬・作画
「数学ガール ゲーデルの不完全性定理 1」 結城浩・原作,茉崎ミユキ・作画
 この本、在庫切れのことが多いので、買えるときに買っておくといいですよ。
「数学ガール ゲーデルの不完全性定理 2」 結城浩・原作,茉崎ミユキ・作画