|
痔は、一般的によくある病気です。しかし、「痔=診察が恥ずかしい病気」という思いから、自己流でこっそりと治そうとしたり、我慢できるまでそのままにしておいたりと、人知れず多くの方が悩みがちです。また、自己流で薬を乱用して隠れた病気の発見が遅れる場合もあるので、恥ずかしがらずに病院で検査することも大切です。痛み、出血などの不快な症状に悩まされるますが、早期の正しい治療と日常生活の注意で治せる病気ですので、早めに病院にかかることが大切です。
痔には、「いぼ痔」といわれる「痔核」、「キレ痔・さけ痔」といわれる「裂肛」、「痔瘻」があります。「痔核」は、いぼができる場所により「内痔核」「外痔核」にわけられます。
|
/ |
状 態 |
症 状 |
原 因 |
内痔核 |
|
- 肛門の内側(歯状線より上)
- 痔核の8割を占める
- 排便時の出血
- 痛みは少ない
- 症状が1〜4段階ある
症状が進むと炎症や痛み脱出を伴う |
肛門部の血行障害
- 便秘などによる排便のいきみ
- ゴルフのスイング
- スポーツ時のいきみ
- 長時間の同じ姿勢
- 座り続ける
- 立ち続ける
- 重い物を運んだりするときのいきみ
- 妊娠・出産時
- アルコール類や香辛料のとりすぎ
- たばこの吸いすぎ
|
外痔核 |
|
- 肛門の外側(歯状腺より下)
- 突然の強い痛み
- 出血はほとんどない
- 肛門に負担がかかると突然発症
- 肛門周囲にあずき大の血腫
(血の塊・血のたまったもの)ができる |
内痔核は4段階に分けられます
段階 |
第1度 |
第2度 |
第3度 |
第4度 |
内痔核 |
|
|
|
|
状態 |
肛門内で
ふくらむ
|
肛門外へ出ても
自然に戻る状態
|
肛門外へでてくる
指で入れれば
戻る状態
|
常に肛門外に
でたまま
指でも戻らない |
排便時 |
肛門外には
出てこない |
排便後には
自然に戻る |
排便後に自然には
戻らない
指で入れて戻る |
常に肛門外に
でたまま
指でも戻らない |
|
/ |
状態 |
症状 |
原因 |
裂肛 |
|
- 肛門の出口付近(歯状線より下)
- 排便時にい激しく痛む
- 出血自体は少ない
(紙につく程度)
- 慢性化すると傷口が潰瘍化する
- 強い痛みが排便後も続く
|
便秘による太くてかたい便を無理に出すことにより、肛門の出口付近が切れて起こる。 |
/ |
状態 |
症状 |
原因 |
肛門周囲膿瘍 |
|
悪化すると肛門周囲がはれて激しい痛みがでる。38〜39度の熱がでることもある。
膿が出ると楽にはなるが完治ではない。 |
下痢などで、便の中の細菌感染によっておこる。
歯状線の奥にある肛門陰窩というくぼみに入って炎症をひきおこし、お尻側に広がり化膿し、膿のたまり(腫瘍)ができる。 |
痔瘻 |
|
「肛門周囲膿瘍」が悪化した状態。
常に膿まじりの分泌液がでるため肛門のまわりに湿疹や皮膚炎ができ、かゆみや不快感が続く。 |
下痢などで、便の中の細菌感染によっておこる。
「肛門周囲膿瘍」が慢性化したものが「痔瘻」。 |
|
・薬物療法で、痛みや出血などを和らげる座薬、軟膏などの外用薬を処方
・はれをおさえたり、血行をよくする内服薬や漢方薬を処方
【痔を予防する10個条】
便秘や下痢をさけ、おしりを清潔にする
毎日、お風呂にはいる
便秘にならないように気をつける
下痢をしないように気をつける
排便のときに、無理にいきまない
おしりを冷やさない
長時間、同じ姿勢を続けない
長いドライブは避ける
アルコール・刺激物は控え目にする
医師に相談して正しい診断と処方で薬をだしてもらう
|
このページのトップへ↑
|
|