「目が疲れる」「目が痛い」などは、誰でも日常経験することですが、時間が経つと忘れてしまったり、気にならなくなっていきますが、時にはその症状が頑固に続いたり、体に影響を及ぼすこともあります。医学的にこのような状態を「眼精疲労」といい、単なる目の疲れである「眼疲労」と区別しています。
「眼精疲労」は不快な症状がいつまでも続き、その症状がさらに状態を悪化させることもあります。さらに、その背後に目や体の病気が隠れている可能性も考えられます。「ただの疲れ目」」と軽く考えず、辛い症状が続くときはなるべく早く診察を受けて対策を立てましょう。
眼精疲労・自己チェック表
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目の症状 |
体の症状 |
1 |
目が疲れる、ぼやける、かすむ |
肩こり |
2 |
目が痛い、充血する |
頭痛 |
3 |
目が重い、しょぼしょぼする |
めまい |
4 |
まぶしい |
吐き気 |
5 |
涙がでる |
倦怠感 |
(原因1)
眼に病気がある場合の眼精疲労
- 近視、乱視、老眼やその矯正不良による眼精疲労
- ドライアイ(ドライアイの初期症状に眼精疲労が起こる)
- 緑内障
- 白内障やその手術の影響
- 斜視、斜位(しゃし、しゃい)
- 眼瞼下垂(がんけんかすい)
(原因2)
からだの病気が目にあわられている場合の眼精疲労
- 風邪やインフルエンザ
- 更年期障害によるもの
- 自律神経失調症
- 虫歯、歯周病
- 耳や鼻の病気など
(原因3)
目の使いすぎや環境の問題
- 画像情報端末による目の酷使
- 目を使う環境 (パソコンなどの機械を使う時の時間や明るさなど)
- シックハウス症候群 (住居の建材に含まれる化学物質などの影響によるもの)
(原因4)
精神的なストレスの影響
- ストレスが溜まりすぎての睡眠不足
- ストレスが血行不良、高血圧、胃潰瘍を引き起こすことと同じように、眼精疲労もストレスによって起きる
「眼精疲労」の背後になにか病気がないかをチェックします。
視力、眼圧、眼底、視野、眼球運動などの検査をして病気が見つかったら、その治療をします。原因を特定できない場合にも、ビタミンB製剤の点眼やドライアイ対策用の点眼薬で症状を改善していきます。
ビタミンB製剤の点眼薬は、細胞の新陳代謝を助けます。
眼精疲労には眼疲労を起こすいくつかの小さな原因が重なりあって目の負担が増え眼精疲労になります。ですから、原因と思われる病気を治したのに眼精疲労が治らないことも少なくないのです。当院では問診や検査で原因と考えられるものを洗い出し、それをひとつひとつ治療・解決していきますので、根気よく治療していきましょう。
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ドライアイになると、なんとなく目が疲れる、目が重い、朝に目が開けにくい、目が乾く、コンタクトをしている人ではコンタクトが眼球にはりついて見えにくくなるなどの症状を感じます。
眼精疲労はドライアイの初期症状と同じなので、ただの疲れ目だと思っていたらドライアイだったという場合もあります。眼科ではドライアイかどうかを測る検査も行いますので、気になる場合は眼科受診をおすすめします。
ドライアイ・自己チェック表
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症 状 |
1 |
眼が乾いた感じがする |
2 |
眼が疲れやすい |
3 |
眼が重く感じる |
4 |
眼に不快感がある気がする |
5 |
コンタクトが眼球に貼りつく |
6 |
10秒以上眼を開けていられない |
7 |
まばたきの回数が多い(1分間に40回以上) |
当てはまる項目が多いほどドライアイの可能性が高くなります。
特に、「10秒以上目を開けていられない」、または「まばたきの回数が多い」の項目に当てはまる場合は、さらにドライアイの可能性が高いと考えられます。
気になる場合は、眼科で調べてもらうほうがよいでしょう。
涙が不足したり、質が悪くなる原因には、眼の病気やある種の薬の影響があげられますが、健康な人でも年齢と共に涙は少なくなりますし、夜間やストレスが高い時も少なくなります。
一方、涙は十分にあっても、まばたきが少なかったり部屋が乾燥しているとドライアイになりやすく、またコンタクトやアレルギー性結膜炎はドライアイと深く関係しているといわれています。
- 高齢である
- 夜遅く起きている(睡眠不足)
- ストレスが高い(生理的要因)
- 病気、ある種の降圧剤や精神安定剤などを飲んでいる
- コンピューター作業や読書を長時間続けた
- 冷暖房の効いた部屋、飛行機の中、サウナなどの乾燥した環境にいる
- コンタクトレンズを長時間使用し続けている
- 運転や細かい作業など精神集中を続ける
- 涙に潤いを与える点眼薬や眼の障害を治す点眼薬を処方します。
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